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絵本『えんとつ町のプペル』で英語をやりなおし #19

キングコング西野さんの絵本『えんとつ町のプぺル』を1ページずつ、英訳の英文法解説をします。(#18はコチラ

【STEP 1】まずは日本語で読んでみよう!


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ある日のこと。

プぺルは、かわりはてた姿であらわれました。

「どうしたんだいプぺル? いったいなにがあったんだい?」

なんと、プぺルのひだり耳についていたゴミがとれています。

「ぼくがいると町がよごれるんだってさ」

「耳は聞こえるのかい?」

「いいや、ひだり耳からはなにも聞こえなくなった。

ひだり耳のゴミがとれると、ひだり耳が聞こえなくなるらしい」

「アントニオたちのしわざだね。なんてヒドイことをするんだ」

「ぼくはバケモノだから、しかたないよ」


【STEP 2】次は英語をチェック!

One day.

Poupelle showed up looking very different.

“What’s wrong, Poupelle? What in the world happened?”

The trash on Poupelle’s left ear had fallen off.

“They say I’m littering the town.”

“Can you hear?”

“No, I can’t hear anything in my left ear. 

I guess when the trash on my left ear falls off, I lose hearing in my left ear.”

“Antonio and his gang did this, didn’t they? How terrible.”

“They can’t help it. I’m a monster.”


【STEP 3】英文法解説をします!

One day.
ある日のこと。
Poupelle showed up looking very different.
プぺルは、かわりはてた姿であらわれました。

◆ポイント1:見た目の印象を表す look
「look+形容詞」のカタチで「~のように見える」と、見た目の印象を表すことができます。look at+名詞(~を見る、~に目を向ける)との違いに注意しましょう。
look very different(非常に異なって見える⇒かわりはてた姿になっている)

◆ポイント2:副詞に変わる動詞
動詞を、現在分詞(動詞のing形)に変えると、副詞(=名詞以外を詳しく説明するもの)として使うことができます。これを「分詞構文」と呼びます。ここでは、動詞 look(~のように見える)を現在分詞 looking に変えて、前の文 Poupelle showed up の補足説明をしています。分詞構文は「動作や状況の同時性を伝える」「動作や状況を重ね合わせる」効果があり、「プぺルが姿を現した状況」と「変わり果てた姿になっている状況」が重なっている映像が頭に浮かびます。
looking very different(かわりはてた姿で)

◆Words & Phrases
different(違っている、異なる)、look different(異なって見える)
*新出単語・熟語のみ掲載しています。


“What’s wrong, Poupelle? What in the world happened?”
「どうしたんだいプぺル? いったいなにがあったんだい?」

◆ポイント1:What’s wrong?
What’s wrong? は「どこがおかしいのですか?」という意味のフレーズです。いつもと違って具合が悪そうだったり、落ち込んでいるように見える人に対して、「どうしたの?」と尋ねる際に使われます。
What’s wrong?(どうしたんだい?)

◆ポイント2:強調
ここでの、in the world は「一体全体」という意味で、疑問文を強調するときに使います。
What in the world happened?(いったいなにがあったんだい?)

◆ポイント3:疑問詞の主語
疑問文は Are you ~?、Do you ~? のように疑問文の語順になりますが、「誰が」「何が」と主語を尋ねる疑問文のときは「疑問詞の主語+動詞」の語順になります。What happened?(何があったの?)は、何か事件が起きているような場合に状況を尋ねる少々大げさな表現で、何か困ったことがあるのかを知りたい場合は What’s wrong?(どうしたの?)を使います。
What happened?(何があったの?)

◆Words & Phrases
wrong(間違った、誤っている、悪い)


The trash on Poupelle’s left ear had fallen off.
なんと、プぺルのひだり耳についていたゴミがとれています。

◆ポイント1:過去完了
「過去よりも、さらに過去に起こった出来事」は過去完了形(had+過去分詞)というカタチを使って表現します。ここで過去形 fell off(取れた)としてしまうと、「ルビッチに『どうしたんだい?』と声をかけられたときにプぺルの左耳のゴミが取れた」ということを表してしまいます。「ルビッチに会う前にすでに取れていた」ということを表現するのが過去完了形 had fallen off です。
The trash on Poupelle’s left ear had fallen off.(プぺルのひだり耳についていたゴミがとれています)

◆Words & Phrases
left(左、左の)、ear(耳)、fall off([モノが]取れる、はがれ落ちる)


“They say I’m littering the town.”
「ぼくがいると町がよごれるんだってさ」

◆ポイント1:噂を表す They say
They say ~ は、直訳すれば「彼らは~と言う」という意味ですが、they(彼ら)が誰を指すのかハッキリしない文脈では、they は「世間の人々」「自分の周囲にいる人々」を指し、噂や人づてに聞いた話をするときに使われます。このとき、say の後ろには「主語+動詞」のカタチで噂の内容を置きます。
They say I’m littering the town.(ぼくが町をごみで散らかしているらしいんだ)

◆ポイント2:現在進行形
「be動詞+動詞のing形」を現在進行形といい、「いまの一時的な動作・状況」を表します。
I’m littering the town(ぼくが町をごみで散らかしている)

◆Words & Phrases
litter([場所を]ごみで散らかす)


“Can you hear?”
「耳は聞こえるのかい?」
“No, I can’t hear anything in my left ear.
「いいや、ひだり耳からはなにも聞こえなくなった。
I guess when the trash on my left ear falls off, I lose hearing in my left ear.”
ひだり耳のゴミがとれると、ひだり耳が聞こえなくなるらしい」

◆ポイント1:guess
I guess ~(私は~だと思う)は、I think ~(私は~だと思う)とよく似ていますが、guess は think と比べて「根拠はないけど何となく~だと思う」と、話す内容の不確かさを表すときに使います。
I guess I lose hearing in my left ear.(ひだり耳が聞こえなくなるらしい)

◆ポイント2:時を表す接続詞 when
ここでの when は2つの文をつなぐ接続詞の働きをしています。When S V~, で「SがVするとき」と解釈し、後ろの文へとつながります。
when the trash on my left ear falls off(ひだり耳のゴミがとれると)

◆Words & Phrases
guess(推測する)、lose(~を失う)、lose hearing(聴力を失う)


“Antonio and his gang did this, didn’t they? How terrible.”
「アントニオたちのしわざだね。なんてヒドイことをするんだ」
“They can’t help it. I’m a monster.”
「ぼくはバケモノだから、しかたないよ」

◆ポイント1:付加疑問
ここでの ", didn’t they?" は「~だよね」と相手に同意を求めたり、確認をしたりする表現です。これを「付加疑問」と呼びます。付加疑問は、肯定文には否定形、否定文には肯定形が続きます。[例] You know him, don't you?(彼を知っていますよね?)/ You don't know him, do you?(彼を知らないですよね?)
Antonio and his gang did this, didn’t they?(アントニオたちのしわざだね)

◆ポイント2:感嘆文
How terrible.(なんてヒドイことをするんだ)の How は「なんて~なんだ」という解釈です。これを「感嘆文」と呼びます。?マークが付いていないので疑問文ではないということに注意しましょう。
How terrible.(なんてヒドイことをするんだ)

◆ポイント3:can’t help
「手伝う」や「助ける」といった意味の help は、ここでは「~を避ける」という意味で使われています。このとき can't とセットになることが多く、can’t help のカタチで「~を避けることができない」⇒「つい~してしまう」「~するのは仕方がない」という解釈になります。
They can’t help it.(しかたないよ)

◆Words & Phrases
gang(集団、非行集団)、can’t help(仕方ない)


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