絵本『えんとつ町のプペル』で英語をやりなおし #35
キングコング西野さんの絵本『えんとつ町のプぺル』を1ページずつ、英訳の英文法解説をします。(#34はコチラ)
【STEP 1】まずは日本語で読んでみよう!
「ダメだ!」
ルビッチがプぺルの手をつよくつかみました。
「なにをするんだい、ルビッチ。このペンダントはキミのものだ。
それに、このままボクが持っていても、そのうちアントニオたちにちぎられて、
こんどこそほんとうになくなってしまう。
そうしたらキミは父さんの写真をみることができなくなる」
「いっしょに逃げればいいじゃないか」
「バカなこというなよ。ボクといっしょにいるところをみつかったら、
こんどはルビッチがなぐられるかもしれないぞ」
「かまわないよ。痛みはふたりでわければいい。せっかくふたりいるんだよ」
【STEP 2】次は英語をチェック!
“No!”
Lubicchi grabbed Poupelle’s hand.
“What’re you doing, Lubicchi? This pendant is yours.
Even if I kept it, Antonio and the gang are gonna rip it off one day,
and then it will be really lost.
Then you’ll never be able to see your dad’s picture.”
“We can run away together.”
“Don’t be silly. If you’re seen with me,
they might hit you next.”
“I don’t care. We can share the pain. We have each other.”
【STEP 3】英文法解説をします!
“No!”
「ダメだ!」
Lubicchi grabbed Poupelle’s hand.
ルビッチがプぺルの手をつよくつかみました。
“What’re you doing, Lubicchi? This pendant is yours.
「なにをするんだい、ルビッチ。このペンダントはキミのものだ。
◆ポイント1:疑問詞を使った疑問文の作り方
What’re you doing, Lubicchi? は、疑問詞 what(何)を使った疑問文です。質問をするときに欠かせない疑問詞はコミュニケーションに必須のツールです。ここで、疑問詞を使った疑問文の作り方をおさえましょう。
[Step1] もともとの文章をイメージする。
You are doing ----.(あなたは ---- をしている)
▼
[Step2] 尋ねる部分を疑問詞に変える。
You are doing what.(あなたは what をしている)
※ここでは「内容」を尋ねる what を使います。
▼
[Step3] 通常の疑問文を作る。
Are you doing what?(あなたは what をしているの?)
▼
[Step4] 疑問詞を先頭に移動させる。 ⇒完成!
What are you doing?(あなたは何をしているの?)
※ここでは What are の短縮形 What're になっています。
◆ポイント2:所有代名詞
This pendant is yours. の yours は「あなたのもの」という意味の所有代名詞です。yours = your pendant ですが、This pendant is your pendant. では繰り返しになってクドいので、所有代名詞が使われます。
This pendant is yours.(このペンダントはキミのものだ)
◆Words & Phrases
grab(つかむ)、rip off(はぎ取る、略奪する)
*新出単語・熟語のみ掲載しています。
Even if I kept it, Antonio and the gang are gonna rip it off one day,
それに、このままボクが持っていても、そのうちアントニオたちにちぎられて、
◆ポイント1:even if
even if は「even if S V~」のカタチで「たとえSがVしても」と解釈します。even は「強調」をするために使われる単語で、ここでは if S V~(もし~なら)を強調しています。
Even if I kept it(このままボクが持っていても)
◆ポイント2:未来を表す be going to V
gonna は going to を1単語に短くしたもので、話し言葉でよく使われます。be going to V[be gonna V] のカタチで、ここでは「現状から判断した未来の予測」を表します。
Antonio and the gang are gonna rip it off one day(そのうちアントニオたちにちぎられて)
◆Words & Phrases
rip off(はぎ取る、略奪する)
and then it will be really lost.
こんどこそほんとうになくなってしまう。
Then you’ll never be able to see your dad’s picture.”
そうしたらキミは父さんの写真をみることができなくなる」
◆ポイント1:未来を表す will
つい1文前では未来を表す表現として be going to V[be gonna V] が使われていましたが、ここでは will になっています。本来は同様に be going to V[be gonna V] を使うことになるのですが、1文あとにも未来の表現(you’ll never be able to...)があり、ぜんぶ be going to V にしてしまうと表現がクドくなってしまいます。そのため、あっさりと will で代用をしていると考えられます。
it will be really lost(こんどこそほんとうになくなってしまう)
◆ポイント2:be able to V
be able to V は「~することができる」という意味です。同じ意味で助動詞 can がありますが、助動詞は2つ続けて使うことができません(will も助動詞)。(×)you’ll never can
※このあとの文(We can run away together.)では、他に助動詞もないので、シンプルに can が使われます。
you’ll never be able to see your dad’s picture(キミは父さんの写真をみることができなくなる)
◆Words & Phrases
be able to V(~することができる)
“We can run away together.”
「いっしょに逃げればいいじゃないか」
“Don’t be silly. If you’re seen with me,
「バカなこというなよ。ボクといっしょにいるところをみつかったら、
◆ポイント1:否定の命令文(禁止)
命令文のアタマに Don't を付けると「禁止」を表すようになり、「~してはいけない」「~しないで」と解釈します。通常 don't は一般動詞の文に対して使い、be動詞の文には使えませんが、否定の命令文ではbe動詞の英文であっても Don't で始めます(例外だよ)。
Don’t be silly.(バカなこというなよ)
◆ポイント2:仮定・条件を表す接続詞 if
接続詞 if は「if S V~」のカタチで「もしSがVだったら[Vしたら]」と解釈します。
If you’re seen with me(もしボクといっしょにいるところをみつかったら)
◆ポイント3:受け身
動詞を「be動詞+過去分詞」のカタチにすることで、「~れる、~られる」という受け身の文になります。
If you’re seen with me(ボクといっしょにいるところを見られたら)
◆Words & Phrases
silly(愚かな、分別のない)
they might hit you next.”
こんどはルビッチがなぐられるかもしれないぞ」
“I don’t care. We can share the pain. We have each other.”
「かまわないよ。痛みはふたりでわければいい。せっかくふたりいるんだよ」
◆ポイント1:助動詞 might
might は「~かもしれない」という根拠のない推測を表す助動詞です。「そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれない」という半々の推測をするときに使います。
they might hit you next(こんどはルビッチがなぐられるかもしれないぞ)
◆Words & Phrases
might(~かもしれない)、share(共有する、共に味わう)、pain(痛み)、have each other([仲間として]お互いがいる)
◇ディクテーションやシャドウイングの練習に使える音声はコチラ