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【#08 couldの使い方】June-22-2021

こんにちは!横山です。

このマガジンは、白衣を着て実験をするお仕事をされているアヤカさんが、「やりなおし英語JUKU」で英語学習を始め、英語の研究論文を読めるようになるまでの軌跡をたどる物語です。

アヤカさんの英語学習の進捗状況を、ほぼリアルタイムで記録していきます。


きょうの学習ポイント

きょうの学習ポイントは、「couldの使い方」です。まず、could とは何かというと「can の過去形」です。

could を攻略するうえで、おさえておかなければならないポイントは2つ。

①「can」とは何か
②「過去形」とは何か

この2つの本質を理解しないことには始まりません。それでは順にみていきましょう。

①「can」とは何か

canには「~できる」と「~があり得る」の2つの意味があると言われ、その2つのどちらの意味になるかは「文脈で訳し分ける」と習ったりします。

He can play saxophone.(彼はサックスを吹くことができる
It can be true.(それは真実であり得る

もちろん文脈を意識することは非常に重要なのですが、「文脈で訳し分ける」というふわっとした感じはかえって混乱を招くポイントになることもあります。

ここで、can の持つコアニュアンスをおさえる必要があります。can のコアニュアンスはひとつ、「実現可能性」です。

can = 実現可能性
「動作」の実現可能性 ⇒ その動作をすることが「できる」
「状況」の実現可能性 ⇒ その状況になることが「ありうる」
〈動作〉
He can play saxophone.(彼はサックスを吹く動作の実現可能性がある ⇒ サックスを吹くことができる

〈状況〉
It can be true.(それは真実であるという状況の実現可能性がある ⇒ 真実であり得る

「英語→日本語」「日本語→英語」のダイレクトな変換で助動詞を捉えることは難しいですが、このように英語が使われる場面・状況をイメージして文法の持つコアニュアンスをおさえれば、キレイに整理できます。

他にもいくつか can を使った例文をチェックしておきましょう。

His sister can speak Spanish.
(彼のお姉さん妹さんはスペイン語が話せます)⇒能力
Smoking can cause lung cancer.
(喫煙は肺がんを引き起こす可能性があります)⇒可能性
You can put your bag on a seat.
(座席にカバンを置いても構いませんよ)⇒許可

いずれも「実現可能性」というキーワードをおさえておけば、理解しやすいハズです。

②「過去形」とは何か

過去形は「過去の話をするときに使う動詞のカタチ」というイメージですが、実際の使い方はそれだけではありません。

英語の過去形は「遠く離れた感覚(=距離感)」を表し、次の3つの「距離感」を表現することができます。

◆過去形が表す3つの「距離感」
① 現在との時間的な距離感
② 人との心理的な距離感
現実との距離感


① 現在との時間的な距離感 ⇒過去の出来事

I loved her.
(彼女を愛していた)

シンプルに過去を表す過去形です。①~③の中では、これが一番おなじみの使い方で、「時間的な距離感」を表しています。

現在の状況と時間的な隔たりがあるので、I don’t love her any more.(今は彼女をもう愛してはいない)ということも表しています。もし今も愛しているのであれば、I love her.(彼女を愛しています)と表現するはずです。

② 人との心理的な距離感 ⇒丁寧な表現

Could you wake me up at 7 tomorrow?
(明日7時に起こしてくれませんか?) 

could は can の過去形です。Could you ~?(~していただけませんか?)は、丁寧な依頼表現と言われますが、それは過去形が相手との「心理的な距離感」を表すからです。

一方、Can you ~?(~してくれない?)は過去形ではない(=距離感がない)ため、カジュアルな依頼表現となります。

③ 現実との距離感 ⇒非現実的な仮定

If I had enough money, I could study abroad.
(お金が充分にあれば留学ができるのに)

I wish I could stay here forever.
(ここにずっといられたらいいのになぁ)

実際は「お金がない」「ここには長くいられない」という状況なので、「現実との距離感」を表す過去形を使います。このような非現実的な話もまた英語では過去形を使って表すので、②と同様、現在の話であるにもかかわらず過去形となっています。

このように、could は

① 現在との時間的な距離感
② 人との心理的な距離感
現実との距離感

のうち、②と③でよく使われます。過去形が①の使い方だけだと思っていると、could について訳が分からなくなるのも無理はありません。


きょうの課題

ここでは、アヤカさんが宿題として取り組んでいただいている問題集の中で、実際に間違えた問題を1つ取り上げて、「その間違いを放置しておくとどうなるのか」「間違えないようにするには、どう考えればいいのか」を皆さんと共有します。

きょうの問題はコチラ。

[例題] 次の英文を日本語になおしましょう。
It could produce poisonous gases.


[解答] それは毒性ガスを発生させる可能性があります。
[解説] 「有毒ガスの発生」を可能性として仮定的にとらえています。「有毒ガスを発生させることができた」と訳さないように注意しましょう。could は「~することができた」という「実現・達成」を表すことをしません。
(×)I could buy this.(これを買うことができました)
(○)I was able to buy this.(これを買うことができました)

It could produce poisonous gases.(それは毒性ガスを発生させる可能性があります)


さらに、ここからは有料版のマガジン「やりなおし英語JUKUのコア英文法レッスン&発信トレーニング」から、「関係代名詞」の問題を3問ほど抜粋して、無料公開します◎

[問題] 次の日本語を参考に、適切な語(句)を選びましょう。

(1) できることなら、僕は歩いた方がいいです。
I’d prefer to walk if I [ can / could ].


[解答] could
[解説] I’d prefer(= I would prefer) と過去形を使っているので、非現実的な話と考え、if節も過去形にします。実際には歩くことはないような場面であることが分かります。

I’d prefer to walk if I could.(できることなら、僕は歩いた方がいいです)


(2) ちょっとこれを見ていただけませんか?
[ Can / Could ] you please take a look at this?


[解答] Could
[解説] 「見ていただけませんか?」と丁寧に依頼している場面ですので、Could you~? が自然です。Can you~? は「~してくれない?」というカジュアルな依頼の表現になります。

Could you please take a look at this?(ちょっとこれを見ていただけませんか?)


(3) [実際には寝ないけど寝ようと思えば] たぶん24時間くらいは寝られるよ。
Maybe I [ can / could ] sleep for about 24 hours.


[解答] could
[解説] 24時間寝るということは現実的には考えにくいので、過去形を使います。このような表現にすることで「それほど疲れている」ということが分かります。これを現在形にしてしまうと、現実的な話(24時間くらいは普通に寝ることができる)として聞こえてしまいます。

Maybe I could sleep for about 24 hours.(たぶん24時間くらいは寝られるよ)


いかがでしたでしょうか?「やりなおし英語JUKUのコア英文法レッスン&発信トレーニング」では、「コア英文法」を「話せる力」に紐づける発信トレーニングを毎朝投稿しています。「中学英文法を会話につなげる練習を毎日の習慣にしたい!」という方にオススメです。


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