過去形は「○○感」を表す
こんにちは。「午後の紅茶」が好きな横山です。
みんな大好き「午後の紅茶」ですが、紅茶の本場イギリスの方も「午後の紅茶」の味が好きな方は少なくないようです。
YouYubeでこんな動画を見つけました。
イギリス人の方に実際に「午後の紅茶」を飲んでもらって感想を聞いている動画なのですが、
I would buy that.(私は買いだと思います)
となかなか好評です。
さて、ここで出てきている would というのは、英語を勉強されている方にとってかなりのクセ者です。would は未来の表現で使う助動詞 will の過去形なのですが、シンプルに「過去」を表しているわけではないところが厄介です。
ここでの will と would の違いを整理しておきます。
will はシンプルに未来の話です。「実際にこれからやるよ」という現実的な話です。
【現実的な話】
I will buy that.
→(これから実際に)それを買います。
一方、過去形 would は「実際にはやれない(やらない)けど、もしその状況になればやるよ」という非現実的な話です。
【非現実的な話】
I would buy that.
→(実際には買えないけど、もし買える状況であったら)それを買います。
このような、「現在の事実とは反対の想像」や「実現しなさそうな願望」には過去形を使います。
今回の動画では、「イギリス人が午後の紅茶を買う」というのは基本的にイギリス国内では非現実的な話なので、I would buy that. となるわけです。
ここで、「なんで過去形!?」となるのですが、過去形はそもそも「遠く離れた感覚(=距離感)」を表すからです。
過去形=「距離感」を表す
以下、過去形のもつ「距離感」を3つまとめています。
①現在との時間的な距離感
What did you do last night? (昨夜何してたの?)
これは一番おなじみのやつ。「時間的な距離感」から過去の出来事・状況を表現します。
②人との心理的な距離感
Could you help me with this? (これを手伝っていただけませんか?)
丁寧な言葉遣いをする相手とは「心理的な距離感」があります。英語では過去形を使うことで丁寧さを表現します。
③現実との距離感
If I were you, I would do it. (私があなただったら、それをするだろう)
非現実的な仮定をする場合は、「現実とのギャップ(距離感)」を表すため、ここでも過去形を使うことになります。
*現実的にありえる仮定であれば、過去形にはしません。
[例] If it rains, I won't go.(もし雨が降ったら、行かないよ)
日本語では基本的に意識することがありませんが、「距離感」というキーワードさえおさえておけば、今まで丸暗記していたようなものも理屈で理解することができます。
ではまた。
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