これは反則!Shadow Hills Mastering Compressorが最強。マスタリングだけではなくボーカルにもおすすめ。
1 Shadow Hills Mastering Compressorが安かった
やたらめったら評判がいいので導入してみました。
(Class Aという別のバージョンも一緒に買っちゃいました)
Shadow Hills Mastering Compressorは、マスタリングコンプです。そのまんまですね。
前段がオプトコンプ、後段がディスクリートコンプで構成されており、どちらかだけをかけるのもアリ。
オプトコンプはややポンピングを起こしやすいので、ディスクリートコンプのみを使う方法もよく見かけます。
(この機種だから、というわけではなく、マスタリング時の強い音圧でオプトコンプをかけると他の機種でもポンピング起こしやすい気がしますね)
個人的には、
・オプトコンプ部…LA-2Aのようにねっとりかかるというよりは、爽やかなさらっとした均し感のある古くさくない圧縮感。ディスクリート部で前に出た後に、中域をさらに半歩前に出してくれる印象。
・ディスクリートコンプ部…サクサクとした動きで透明感がある。VSC-2のような高域がクリアーでわずかなサチュレーションがあるコンプというよりは、内部で色々積み上げた結果全域がドンと出るですたいという質実剛健な音。クリアーというと違うけど、自然。
2 使い方
この機種はごちゃごちゃして見えますが、意外と使い方は単純なので説明します。
①オプトコンプ部
左上にあるのがオプトコンプ部です。
右上にも同じノブがありますが、ひとまず気にしなくてOKです。
大きく分けてノブが2つあり、
①OPTICAL THRESHOLD…スレッショルド(左上)
②OPTICAL GAIN…アウトプットゲイン(右下)
ですね。
スレッショルドを下げればコンプが働き、その減った分をゲインで補う、という感じ。
アタックやリリースは固定のようなので、メーカーが考案した最適設定に甘えちゃいましょう。
ちなみに、上部にあるメーターの左側がオプトコンプのリダクション量を示してくれます。
マスタリングコンプだけあってボーカルに使う時はかなりスレッショルドを下げなければならないことも。
②ディスクリートコンプ部
左上から
①DISCRETE RATIO…レシオ
②DISCRETE ATTACK…アタック
③DISCRETE THRETHOLD…スレッショルド
④DISCRETE RECOVER…リリース
⑤DISCRETE GAIN…アウトプットゲイン
一般的なコンプレッサーと同じですね。
③トランス部
内部トランスをニッケル、スチールに変更できます。
・ニッケル…タイトな音
・スチール…柔らかく広がる太い音
ではあるんですが、大きくは変わりません。
最後のダメ押しで掛ける感じでしょうか。
今回の掛け方は…
ボーカルで使ってみました。
①オプトコンプ部
コンプを2つ掛ける都合上、少しのコンプでも良い感じに補正されるのでスレッショルドがピクピク動く程度にしています。
②ディスクリートコンプ部
スレッショルドがピクピク動く程度、声を前に出すためにアタック最遅、リリース最速にしています。
レシオは高ければバシっとした音になる代わりに不自然になるため、低めの3にしています。
ゲインはこのプラグインをバイパスしても同じ音量になる程度に上げています。
③トランス部
どちらでもいいです。音は確かに変わるけど枝葉末節です。
私なりのコンプの使い方についてはこちらが詳しいです。
3 感想
ボーカルのモニターに掛けると、声が太く、ミキシング後のボーカルみたいな音になってとてもいいすね。
また、オプトコンプは結構まったりしていてリリースが遅いのでLA-2Aっぽいんだと思いますが、これによってちょっと低~中域が濁るときがあり、不要な時もあります。
他のマスタリングコンプと比べると、
・MANLEYのバリミュー…弾むような低域でノリを作りたい時
・Vartigo VSC-2…とってもクリーンで明るくも暗くもしたくない時
・Shadow Hills…若干暗くなるもCDの音っぽくしたい時
マスタリングコンプだけあってレイテンシは多少ありますが、すごくボーカルモニターにイイですね。
また、ミキシングでボーカル+コーラスに使ったところこれだけでミックス完結できちゃうじゃんレベルまで追い込める+全部プロっぽい音になるので欠点が見あたらない。安いし。