見出し画像

【育児】これからの人類は交渉コミュ力の格差を克服できるのか?

どうも、悪猫です。

適当にTwitterをしていたら、いつのまにかモテの仕組みを語るプチアルファとして注目されるようになりました。昔はナンパをして腕を磨いていましたが、最近はすっかり丸くなりました。

ちょっと最近感じたことを無料ノートにします。

育児には「コミニュケーション訓練」が欠かせない段階があります。大人がすべて子供に必要なものを与えてしまうと「言わなくてもいいや」となって、言葉の発達が遅れてしまうリスクを伴うのです。

具体的にはこの「おもちゃが欲しい」と分かっていても、一旦、動きを止めて子供が指を指したり言葉で表現する機会を設けてからあげるというような訓練です。これによって、より自己表現に誘因を持たせられるそうです。

そして、この訓練というのは何事もコミニュケーションいらずに簡単に手に入れてしまうと、どんどん自分の要望を伝えるのが下手な人間になっていく。何も言わなくても手に入ると思って、何も手には入れなかった場合に、逆に泣きわめいて交渉の塩梅が分からない子供に育つというのです。

しかし、これ、なんか大人の世界で見覚えがありますよね…

どこだっけ…

どこかで見た気がする…








え?そのリスクって男の「非モテ」やん?

ずっとモテのコミニュケーションで考えノートを執筆してきた筆者として、この訓練とリスクは聞き捨てならない話なのですよね。散々、言っていることですが、男の非モテというのは「交渉できない人」なのですよね。

なぜかというと、思春期から男の女に対して「セックスしたい」と持ち掛けるのは人生で初めて拒否されるリスクを負って自分のために交渉する場になるかもしれないからですね。

モテ界隈では「育ちが悪いほどモテる」という噂があります。簡単な話、手に入れたいものが手に入らない環境の人間ほど、より貪欲に自分の欲求を交渉するからですね。

悪い意味で緩すぎて育ちが良すぎると、おいしい飯は自動で出てくる、好きな玩具は両親が察して与えてしまう、そばにいて欲しいと言わなくても両親が傍で愛を注ぐ。言われるままに塾に行き、言われるままに努力して、言われるままに公平に評価される。

それでも幸せな家庭であることに間違いはないですが、そんな状況は現実の凶暴な社会では実は稀です。(何の因果なのか幸福というのものも万能というわけではないのです。)

他人からの評価はアピールしなければいけないし、職も貪欲に求めていかなければならない。愛が欲しいときにそれを表現する自信もない。空から美女が降ってと何となく「ご縁でマッチングする」と思っている。それが非モテの行動力を削いでいる問題なのです。

海外でもZ世代は交渉が下手。

また、英語コンテンツで恐縮ですが、人間の「交渉力の下手さ」の加速はなんと海外でも見られる現象です。現代のアメリカでも「賃上げ交渉を若者がしなくなった、賃上げ交渉をする前に転職する。」という傾向が起きているらしいです。

そして、賃上げ交渉をするにしても「これだけ上げろ、でなければ辞職する」という凶暴な"Take it or leave It"を最初から行って、信頼関係を壊してしまうわけです。

「私はこれからこんなことを追加で貢献しますので、賃金を上げていただけますか?上げなくても大丈夫です、今の仕事を続けるだけです。」という穏当なステップがないというのです。

これって、ちょっと不貞腐れた感じの交流なのですよね。

玩具を手に入れたい時に表情や指差しで伝えようとせず、自分で与えられなかったからと「いきなり泣きわめく」(初手から最終手段)子供と似ていると感じている次第です。

当たり前にテクノロジーが交渉力を破壊している。

これはZ世代が人生の初期からとても優れたテクノロジーに漬かっていることも原因です。生まれながらデジタルネイティブなこの世代はテクノロジーによって、原始的な人と人の交渉ができなくなっている世代でもあるのですよね。

昔の取引、つまり、人と人の対面取引では駄菓子屋のおばさんに「おまけを頂戴」と交渉する面倒なガキがいたわけですが、現在は、アマゾンもヤフオクもシステム側で決めた値段を指先一つの意志決定で行うわけです。

もともと、市場取引には取引コストというものが存在して、その中の一つが交渉コストなのですよね。本来は労力と時間を要し、取引する際に交渉を毎回していては労力が大きすぎるので、テクノロジーでその交渉を迂回したわけです。

超単純化すれば「他店の方が安いんじゃないの?」という交渉をアマゾンはアルゴリズムで並び替えして最低価格を表示して交渉をスキップさせたわけです。(一方、おすすめ商品はサーチコストの削減、評価システムはコンプライアンスコストの削減)

ここで問題が起きるわけですよね。生活必需品でほぼ交渉が必要なくなってしまったので、交渉をするスキルも誘因も育たない。

セックス、恋愛、または賃上げ交渉など、人生で重要すぎる取引では、コミュ障とコミュ強者に交渉力の格差が生まれてしまう。そこは、技術でスキップできないので、さらに技術に逃げていく。その結果として転職サイト、ヤリモク婚活アプリ、エロサイト、三次元に入っていくという循環を起こすわけです。

交渉は「始める」のが難しい。

さらに話を複雑にしていることは、大人の世界には「社会衝突を避ける」心理があるのです。親が優しければ玩具を欲しがっても悪い子だとは思われないのですが、大人の世界ではどうも「交渉した時点で自分が悪者みたい」という心理が働きます。

これは、子供も同じで親が厳しくて「良い子はいろいろ欲しがらない」という価値観を吹き込むと欲しがることに原罪意識を持ってしまうのですよね。

出典:朝日新聞

でも、これは大きな勘違いで、交渉すること自体は悪ではないのですよね。無理難題な交渉をして引き下がらないことが悪なのですよ。しかし、これは非常に分別が難しいことになります。

リスクを取って行動することを慣習として常に練習しないと要所で発揮できないのですよね。

Z世代は非常に素晴らしい交渉迂回の技術に漬かって育ってしまった分、技術が挽回できない交渉コミニュケーションでもしかして退化してしまったのでは?と思うこの頃です。

孤独が社会問題となり、地域共同体も衰弱し、そして、コロナで自宅待機が長くなって、人と人との交渉コミニュケーションがさらに減ってしまった今、これからの世代が陰キャにならないようにどのように育てていくのか、なかなか悩ましいものがあります。

そして、怖いのは全世代の交渉コミュ障化ではなく、技術の発達による交渉コミュ力の圧倒的な格差が生まれるのではないか?といういつもの話ですね。

"All the Jocks Stand up!"(陽キャども立ち上がれ)と言いながら銃乱射したアメリカのようにならなければいいですね。コロンバイン高校銃乱射の件です。

Eric Harris (18) and Dylan Klebold (17) marched into the library of Columbine High School yesterday with guns and pipe bombs, demanding that "all jocks stand up. We're going to kill every one of you,"

(エリック・ハリス(18)とディラン・クレボルド(17)は昨日、銃とパイプ爆弾を持ってコロンバイン高校の図書館に行進し、「陽キャ全員立ち上がれ、お前ら一人残らず殺してやる 」と要求した。)

https://www.theguardian.com/world/1999/apr/21/usgunviolence.usa

要求があるなら、穏便に交渉しましょう。いきなりキレ散らかすのはナシにしましょう。

コミニュケーション取らない、交渉が下手な人間、別にそのまま消えてしまうのではなく、0か100かの極端な交渉になってしまうリスクがあるのですよね。

と、いつも、穏便な話題で終わらない悪猫ノートでした。


引用元:ポプテピピック https://twitter.com/bkub_comic/status/1303670581288603649

前回ノート

https://note.com/evilneko/n/ne42984fba5a9

`


いいなと思ったら応援しよう!