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MyGO!!!!!シリーズにおける各キャラクターの「達成条件」について

2025年1月現在、放送中のアニメ「BanG Dream! Ave Mujica」だが、いまとんでもなくアツい

そもそも2023年6月放送「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の分割2クール目として放送されている本作。筆者はMyGOはチェックしておらずAve Mujica1話が初見だったのだが、とんでもない展開を見せられてその時点で十分面白かった。「なんか前作のキャラ出てるし一応ちゃんと見とくか・・・」ぐらいの軽い気持ちでMyGOに手を出したが、そうなればもう終わり。1クール分を一気見し、インタビュー記事や考察を読み漁り、ゲームのストーリーにまで手を出した。

このアニメの何にここまで惹きつけられたんだろう。
筆者はそれを、本作におけるキャラクターの説得力ミステリ感にあると考えている。

じゃあ、説得力ってどこからくるものなんだろう。
それは、「各キャラに明確な達成条件のようなものが設定され、かつなぜその達成条件を満たさなければならないのか」が視聴者にわかりやすく丁寧に説明(もしくは巧妙に暗示)されているところにある。

目的地がなければそもそも迷子にもなれない。あてもなく歩くのはただの散歩(=日常アニメ)だ。

『一緒に、迷子になろう』

『クラスに馴染みたい』『居場所が欲しい』『人間になりたい』。
言葉にするとなんでもない悩み、他人から見たら大したことない悩みでも、本人からすると大きなトラウマによって生み出されていて、「こんな過去があったらそりゃこう考えちゃうよな」という共感が本作にはあふれている。わかるよ~。わかってあげられるよ~。

だからこそ「なんでこいつはこんなことすんの?」ってところがあるとめちゃくちゃ目立つ。ここで、犯人の存在しないミステリが成立する。こんなアニメ作ってるやつらが何も理由なくこんなことさせるはずがないという気にさせられる。真相が知りたくなる。続きが見たくなる一因はこれだろう。(あとはクリフハンガーな引きのうまさとかまだまだ魅力がある。)

ミステリなら「推理」するしかない。これはネタがバレていない今しかできないことで、今しか味わえないライブ感がある。

バンドアニメだけに

そこでとっかかりとして考えられるのが、先ほど述べた「達成条件」だ。(ミステリ的に言い換えれば「動機」が近いが、微妙にニュアンスが違う。「目的地」とか「ゴール」とかの意味合いのほうが近い。)
なんのために行動しているのかがわかれば、その行動自体の説明がつく。

と前置きがかなり長くなってしまったが、本記事ではAve Mujicaにおける各キャラの「達成条件」を筆者なりに推理し、まとめたメモみたいなものをただつらつらと載せていく。(MyGOでもやりたかった。どうして見なかったんだ当時の俺)

※以下、がっつりネタバレを含みます。見てない方はぜひMyGOとAve Mujica最新話まで見てからどうぞ。








a. 豊川 祥子(とがわ さきこ、オブリビオニス)の場合

我、忘却を恐れる勿れ

発言全部ブーメラン系お嬢様

かかわるものすべてを壊してしまう、そういう星のもとに生まれた女。そもそもの元凶かつ最後まで動機が語られなかったため、当時の視聴者のヘイトを買っていたことは想像に難くない。が、それもMyGO最終話のラスト数秒たった一言で一気に印象が逆転したと思われる。(あそこで1年以上待たされるって、やってることやばない?)

Ave Mujica1話にておおよその過去(動機)が暴かれ、いまさら推理もなにもと思いきや、まだまだ謎が残っている。

以下、筆者が考える達成条件は二つ。

1.CRYCHICを「忘却する」こと

「忘れる」というよりかは、思い出しても問題ない状態になるまで回復する、みたいなニュアンスが近いか。

これに関しては語るまでもない。

MyGOによる春日影を聞き、もうあの頃には決して戻れないことを痛感し、深く傷いた結果初華に泣きつく。間違いなくAve Mujica結成のきっかけの一つだろう。我、忘却を恐れる勿れの言葉をまっすぐに解釈して、CRYCHICを忘れるために新たなバンド活動を始めたと考えるのが自然な考えだ。

もどして

だけどちょっと考えるとおかしな点がある。

そもそもクソ親父を支えるために家飛び出してバイトと学業と親父の世話で時間なくなった結果バンド辞めてんのに、なんも解決してない状態でまた別のバンド組むのおかしくね?
というか忘れるだけだったら別にバンドじゃなくてよくね?

バンドリなんだからバンド組むのは当たり前だろ!っていうのは簡単だけど、それじゃ芸がない。『バンドの記憶はバンドでしか消せませんわ!』とか考えた可能性はあるけど、ちょっと根拠が薄い。むしろ音楽が嫌いになるのが自然だ。現に燈なんかは最初バンドを組むのを拒んでいる。

そらそうよ

バンドを組む必然性がプラスで欲しい。そこで次だ。

2.クソ親父のトラブルをなかったことにする(「忘却させる」)こと

祥子がバンドを組まなければならない理由。それはクソ親父に関係することだろう。わざわざCRYCHICを犠牲にしてまでクソ親父を取ったのに、その親父のことを放置して新しいバンドを組むとは考えにくい。どちらかというと、親父のためにもなるから組んでいると考えるほうが自然だ。

いきなり武道館公演やってるところも関係がありそうだ。有名になる、その必要が祥子にはあった。つまり、金、知名度、もしくはそれに準ずるものが必要なんじゃないか。
(いやいや、いくら武道館アーティストといえど、160億近い金を稼ぐのは並大抵のことじゃないだろ。と考えて、アーティストの年収を検索してみたら、テイラー・スウィフトが世界1位で年収約200億らしい。祥子、世界に羽ばたけ。)

(洋楽疎い俺でも聞いたことあるな・・・)

MyGOの8話時点で、祥子が初華に対して何かを相談した後、場所が変わって豪邸から出てくる描写が存在している。その直後にそよりんと会っているが、別に会うだけが目的なら豪邸に寄る必要がない。何かしら別の特別な理由があったはずだ。

このタイミングで、おじい様と取引を交わしたんじゃないだろうか。親父を家に戻すための取引を。(有名バンドになり、親父をそれに関わらせて一生をかけて金を返すとか、なんでもいい。もっと想像を超える何かだと思う。たぶんなんでもするとか言ったんだろうな。)

ん?

初華に対してAve Mujicaのボーカルになることを持ち掛け、ある程度算段が付いたうえでおじい様と話をつけた、と考えると辻褄が合う。その取引こそAve Mujicaを存在させなくちゃいけない大きな理由なんじゃないだろうか。

いろんなものを傷つけ壊してきた祥子にはもうAve Mujicaしか残っていないのだ。

だけど、そんな彼女に対し、ゲストはどんな結末を望むのか。

制作側からのメッセージとしか思えん。俺らのせいか???

とりあえず疲れたのでここまで。ほかのキャラはまた次回。睦ちゃんとにゃむちはいけそうだけど、ほかの二人はまだまだ情報が足りない。

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