「レースクイーンフェチ」誕生秘話(後編)
前編に引き続き、私が撮影・運営している「レースクイーンフェチ」レーベルが誕生したきっかけや経緯を語ろうと思います。
※私が撮影した画像の著作権は放棄しておりません。盗用・二次利用・無断販売等は堅く禁止します。
玉石混交の同人ダウンロード界隈
どんなジャンルでどんなコンテンツを作ろうかと、ネットのダウンロードサイトを巡って情報を集めました。gcolleを始めとするインディーズ作品が集まるサイトも調査していたのですが、2018年10月当時、盗撮ジャンルが非常に盛り上がっていました。
レースクイーン盗撮ジャンルはそれこそ1990年代から存在するのですが、サーキットは遠方で情報も少なく、展示会で撮影するにしても高性能な業務用ビデオカメラが主流で、昔は制作者はかなりマニアックな業者のみでした。
それが今やスマホカメラの性能が著しく向上し、カメラ機材自体も小型化し、1人カメラ1台の時代が到来するに至って、(やろうと思えば)誰でも盗撮して、それを匿名で販売することまでできる時代となりました。
東京オートサロンや大阪オートメッセといった誰でも入場できる展示会で
イベントコンパニオンを盗撮するのは、従来は販売するのが目的の、ある意味で業者カメコばかりだったのが、今の時代ではそれこそ「ちょっと盗撮で小遣い稼ぎしてやろう」というような軽い気持ちで盗撮してくる素人カメコが大量に発生していたのです。
いくら性能が上がったとはいえ、i-phoneなどのスマホカメラはイメージセンサーが非常に小さいので高感度に弱く、暗所では非常にノイズが多く劣悪な画質になります。それ以前に、スカートの中にスマホを突っ込むような盗撮では、被写体に光が当たっていないのでそもそも真っ暗闇。単にスマホで撮っただけなので、手ブレしまくり。まともな映像なんて撮りようがありません。事実、ダウンロードサイトのマーケットに並んでいるのは、手ブレだらけ・ノイズ塗れでとても視聴に堪えない代物ばかり。しかも高圧縮で低画質。容量を見れば分かりますが、映像時間に対してデータ容量が極端に少ないのは動画サイズが小さい(例えば480pSDサイズだと、720×480ピクセル)うえに、ビットレートも非常に低くて画質も劣悪。約3分間のムービーが500円の相場で売られているのですが、どう見ても「ゴミ」ばかりです。
しかし、それが売れていたのです。
驚きました。
誰が見ても「ゴミ」動画なのに、買う人が一定数存在していたのです。
考えられる理由としては
・自分で盗撮するのは捕まるリスクが高すぎるので、他人が撮った盗撮映像を観たい
・もしかしたらエロい映像が入っているかもしれないという想像、期待感
しかしながら、購入者がガッカリしていることはほぼ確実です。不鮮明で低品質な画質、しかも尺は3分間しかないのです。(みなさんも気を付けましょう。ダウンロードコンテンツを購入する際は、収録時間とデータ容量のチェックは必須です。2,000円くらいの値段を付けておきながら、データは数MBしかない=収録時間は数秒間しかない、という詐欺紛いの手口も横行していました)
(gcolleにて配信中の『レースクイーンフェチ#070 ムービー版 1/4』の容量表記。フルHDサイズ11分23秒・ビットレート15Mbpsの高画質動画なので、データ容量は軽く1GBを超える。)
イベント盗撮の弊害
私はこの粗末な盗撮映像が溢れる現状に、激しい危機感と対抗意識を感じました。なぜなら、展示会などイベント現場で盗撮するのは明確な迷惑行為であり、そういう悪質な輩が数多くいるから現場環境がどんどん悪くなっているのです。
(展示会場のインテックス大阪。画像はwikipediaより。)
盗撮者が多いからイベントで撮影禁止ブースが増え、注意されても盗撮を止めない人が居る場合はコンパニオンの出番を減らす。盗撮対策としてしゃがんでの撮影を一括禁止するなど、イベント来場者への規制が大幅強化。特にビデオ盗撮者は長時間動かない為、通行妨害やイベント進行の障害を誘発するので、主催者やメーカーからブースを請け負う運営会社は即時の対策を迫られることとなり、「原因はイベントコンパニオンのせいだから、とりあえずイベントコンパニオンを表に出すのは止めよう」という対策が打ち出されてしまいます。
盗撮カメコのせいで、イベントではどんどんコンパニオンを撮る機会が大幅に減少しているのです。レースクイーン・イベントコンパニオンを愛する者として、盗撮カメコは明確な「敵」なのです。
(写真は東京オートサロン2018より。本人了承の元で撮影した画像をトリミング、加工処理してイメージ画像にしました。当方ではイベントでの盗撮・迷惑行為は行いません。)
イベントコンパニオンの女の子たち本人に聞くと、全員が盗撮カメコに対して気分を害し、そして強い怒りを覚えています。(男性盗撮カメコが想像しているより、彼女たちの怒りは凄まじいです)
当然、イベントコンパニオンたちはスカートの中に露出対策としてオーバーショーツ(いわゆる見せパンツ)を穿いていますが、イベント業務を妨害されて勝手にスカートの中を盗撮され勝手に販売される。しかも自分には1円も入ってこない。女の子たちが怒るのも無理ありません。
「撮られても減るもんじゃないし」
「エロ撮影されるのも仕事のうちでしょ」
「撮影されて実は喜んでるんじゃないの?」
こんな風に軽く考えている男性もいることでしょう。しかし現実は違います。イベントコンパニオンたちにインタビューすると、返ってくるのは
「最低最悪」
「迷惑すぎて殺意を覚える」
「吐き気がする程気持ち悪い」
こんな反応です。喜ぶどころか、盗撮を許容してる女の子は1人もいません。この現実を見据えるべきなのです。
「合法的な盗撮」という発想
ここで私は考えました。逆転の発想です。
勝手に撮られるのではなく、事前に打ち合わせすることで嫌悪感を無くす。ノーギャラで撮られるのではなく、(それこそイベントコンパニオンで働くより割の良い金額の)ギャラをきちんと渡す。元より見せパンツを穿いているくらいなので、きちんと了承を得ていればローアングルで撮られても問題は無いのです。
質の良いモデル=分かり易く言えば、可愛い女の子が出演。照明もきちんと当たっていて鮮明、高画質で収録時間も長い。高品質で「合法的な盗撮映像作品を制作・販売することにより、迷惑業者と低品質盗撮作品が駆逐されるのではないか。それにより、イベント現場の環境改善に繋がり、少しでもイベントコンパニオンの役に立つのではないか。
2018年11月、「レースクイーンフェチ」誕生
こうして無法な盗撮へのアンチテーゼとして誕生したのが、「レースクイーンフェチ」レーベルです。諸注意文にもしつこいくらいに明記してありますが、盗撮やつきまといを推奨するのではなく、盗撮者を掣肘し迷惑行為を減らす目的も含んでいます。
2018年10月に試行錯誤ながら撮影開始。翌2018年11月にはダウンロード販売開始。目論み通り反響は大きく、販売数は短期間で急上昇し、不安定ながらも制作は軌道に乗せることができました。
(記念すべき第1作目『レースクイーンフェチ#001』。大枠こそ決まっていたが、まだ細かい部分は決まっておらず、当時は撮影中にモデルと話し合いながらの進行だった。)
そして、もう1つの目的
そして、「レースクイーンフェチ」レーベルには、もう1つの目的もあります。
「子供たちに夢を与える」という大義名分は、世の中に受け入れられています。それこそメディアに大きく取り上げられ、助成金が貰えたり、たくさんの賛辞を受けることができます。
確かに「子供たちに夢を与える」というのは素晴らしい目的だと思います。
しかし、自己責任が主張され、非正規雇用が溢れ、夢も希望も見いだせないご時世。夢と共に生き甲斐も見失ってしまった、おじさんにも夢を与えたい、と思うのです。
それこそ、「子供に夢を与える」のと同じくらい「おじさんに夢を与える」のも世の中に必要で、素晴らしい目的だと思うのです。
レースクイーンを愛する1人として
1990年代以降、ハイレグレオタードで颯爽と登場したレースクイーンは輝いていました。現在はおじさんになっている年齢の男性は、レースクイーンに憧れ、欲望を感じ、畏敬の念を持っていた方も多いことでしょう。おじさん世代が懐かしい憧憬と熱い想いを感じる、美人で、スタイル抜群で、可愛くて、セクシーで、憧れの「レースクイーン」。我々が愛するレースクイーンというジャンルを再び盛り上げていこうではありませんか。
今回は堅くて真面目な長文になってしまいましたが、製作者のレースクイーンへの愛情と切望を感じ取って頂ければ幸いです。
これからも「レースクイーンフェチ」レーベルをよろしくお願いします。
レースクイーンやイベントコンパニオンの女性に幸あれ。
レースクイーンを愛して止まない全てのおじさんたちにも幸あれ。
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