肝試しで幽霊に出会った・・・
さて前回コピペしとこうと書いた幽霊に出会ったらしき話。
※何しろ数十年ばかし昔の事なので記憶曖昧の部分多々あり。その辺の部分は適当に脚色ありです。 大まかには間違ってないので話の本筋には問題ありません。
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わたしが小学5年生の春休み、従姉妹の家で肝試しをしようという事になった。
集合住宅地を抜けるとすぐ正面に中学校があって、その裏手に資材置き場がある。資材置き場の奥はだだっ広い空き地になっていて、その向こうに一段高く線路が通っている。
車二台がぎりぎりすれ違える道路を挟んで反対側には高校がある。野球で有名な高校で何度か甲子園にも出場した事があるまあまあ名の知れた高校じゃないかと思う。
おじはその資材置き場に「良く出る噂」があるんだ、とお決まりの肝試し前の怪談話を始めた。
さて、肝試しは子供の数計4カ所にお金の入った缶を置いてくる。
それを一人で取ってこれたらそのお金はお小遣いとしてゲット出来るというもの。
まずは住宅街を抜けた中学校の正門横。ここは300円。ここが2個
そして線路の手前の土手に700円。資材置き場に1000円。で各1個。
かれこれ30年ほども前の事で、わたしは11歳、従姉妹のAちゃんは10歳、わたしの妹は7歳、従兄弟のB君は確か9歳かな。
お小遣いも貰ってなかったし、ここはどうしてもゲットしておきたい。
本当は資材置き場に行きたい所だったのだがさすがに怪談話を聞いた後では怖くてわたしは線路を狙うことに。妹とB君は正門前。Aちゃんは果敢にも資材置き場を狙うことになった。
妹はびびりながらも何とか300円ゲットして一番に戻って来た。
二番手、B君はびびりすぎてリタイヤ。
で、次がわたしの番。
ところで話は変わるが、以前わたしが住んでいた家で幽霊らしきものを見たことがある。
あくまでもらしきもので、本当に幽霊だったかどうかは疑わしいのだけど、二間続きの和室があって、その手前の和室には父と母が、もう一方の和室にはわたしと妹が寝ていた。
わたしたちが寝ていた和室にトイレがあって、わたしはトイレ側にいつも寝ていた。
わたしが寝る側には箪笥が一竿と本棚がある。
暑い夏の日、風通りを良くする為に両親の寝ている和室とわたしたちが寝る和室の間のふすまはあけておいた。
夜中、トイレで目が覚めたわたしはふと本棚の方に視線をやった。
すると大きな男の人が本棚の前に立っていた。
お父さん何をしているんだろうと当たり前の様に思った。家に男性は一人なのだから。
「お父さんトイレ?」
呼びかけても答えない。ふとお父さんにしてはすらっとスリムな事が気になってぐっと頭の角度を変えて隣の和室を見た。
両親は隣の和室でちゃんと眠っている。瞬間、全身ぞわっと寒気がして本棚に視線を戻すとそこには何もなかった。
何しろ小さい頃の事なので覚えてないが、きっと前の晩とかに怖い本とか映画を観たのか、或いは何かを見間違えたのか。
本棚はガラスの扉がついているタイプでその反対側は小さな洋室があって玄関側に向いた窓がある。
当然洋室との境の扉も全開だった。カーテンは閉めていたけど洋室にある何かがガラスに映っていたのか……
ちょっと余談が入ったが幽霊らしき物を見たことがあったので、どうしても資材置き場には行きたくなかったというわけである。
でも考えてみたら、線路は資材置き場に通じる路地の前を通って行くわけだから幽霊が資材置き場だけに縛られているのでない限り出会う可能性はゼロではないわけだ。
何しろそうたいして頭も良くない小学生の行動なので……
で、びびりながらも出発。住宅街は結構電気がついていて明るい。人の話し声とかテレビの音とかきこえていたのだろうと思うがそんなに怖くないじゃんと思った記憶がある。
住宅街を抜けた場所にある中学校正門前は皓々と外灯に照らされていてとても明るかった。
川沿いを少し歩くと中学校と高校に挟まれた線路に向かう道が現れる。
ここも意外な程に明るかった。高校は丁度道に面してグランドとたぶん部室に使われて居るのだろうプレハブの建物とがある。グランドのライトが点いていたのでかなり明るさがある。(なんかどこかわかってしまうかも?)
線路付近は少し薄暗い感じはしたが見通しが良いので恐怖心がなくなった。
軽快に歩いて線路に向かう。鼻歌まで出てきそうな勢いだった。
丁度資材置き場にさしかかったところで、人影を見てさすがに一瞬氷つく。
が、犬の散歩中の男性だった。
白いポロシャツに白い半パンという出で立ちでひょろっとした人だった。
犬も真っ白。相手が会釈したのでこちらもぺこっと頭を下げて「こんばんわ」と言った。
頭を上げるとその男性も犬もいなかった。
頭を下げていた時間なんて知れている。せいぜいが5秒かそこらだろう。
しかも男性が立っていた場所は資材置き場へ続く路地の手前だが資材置き場は路地の奥でそのT字路はどこも隠れる場所さえない空き地。電柱さえなかった。溝は20センチくらいの浅さで幅も同様くらい。人が隠れるのは絶対に無理。もの凄い勢いで走って行ったなら何か足音とかわかる筈だしほんの5秒程度で姿が見えなくなる場所まで移動するのは無理。
もうまじでおしっこちびるかと思いました。
それでも欲というのはすごいもんで、ぎゃあーーと叫びたい気持ちを抑え込んで可能な限り全速力で線路まで走り缶を掴んでまた全速力で家まで戻りました。
その間前しか見れなかった。両脇を見ないように必死で視界を狭めて(そんな事可能かどうかわかんないけどいわゆる火事場の馬鹿力?違うか・・・)息も絶え絶えに帰宅した。
というお話。気のせいかどうかは本人にもわからない。
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