神戸大学法学部編入試験合格体験記
1.はじめに
こんにちは、そらジローと申します。令和4年度神戸大学法学部編入試験に合格しました。編入試験で得た経験を徒然なるままに書いていきますので参考にしていただければ幸いです。
2.プロフィール
受験校:神戸大学、北海道大学、筑波大学(政治学主専攻)
合格校:神戸大学 TOEIC:790点 勉強を始めた時期:5月 所属大学:都内私文(偏差値50) GPA:2.75(最大4.00) 出身高校:偏差値60程度
3.編入試験を受けるに至った経緯
編入試験を受けようと思ったきっかけは、まず高校での文理選択に失敗したからです。高校のときはあまり将来のことを真剣に考えておらず、友達が理系に行くからという理由で理系に進んでしまいました。勉強はそこそこしていたので、学習面での苦労はそこまでなかったのですが、受験が近づくにつれて将来が見えなくなってしまい、精神的に限界を迎えてしまいました。
受験直前で文系に転向し、そのまま私立の大学に進学しました。
小さい頃から政治や歴史に興味があり、その興味が大学に入って政治や法学の授業を受ける上で復活し、将来は安全保障や外交政策に携わりたいと思うようになりました。そこで、国家公務員総合職を目指せる環境に身を置きたいと思い、国立大学法学部の編入試験を受けることを決意しました。
4.試験内容とその対策
神戸大学法学部編入試験は①英語外部試験(TOEFL・TOEIC)②法学概論③一般教養が課されます。
①TOEIC
神戸大は800点あればTOEICで合否が左右されることはないと思います(法学部の場合)。
私が最初にTOEICを受けたのは4月です。そのときはほぼ対策していない状態だったので、590点しか取れませんでした。そこから2ヶ月間TOEIC対策をやりました(1日4時間程度)。私は英語が得意科目だったので、TOEIC単語、文法問題対策、問題演習のみに徹しました。知識のインプット(単語・文法)→TOEICの特徴・攻略法のインプット→問題演習という感じです。そして、6月のTOEICで790点を取得し、このスコアで出願しました。 使用した参考書は以下の通りです。 ・TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
・1駅1題! TOEIC L&R TEST 文法特急
・TOEIC(R) L&Rテスト 直前の技術
・公式TOEIC Listening & Reading 問題集 6,7
②法学概論
法学概論は、法学の基礎知識、民法・刑法・憲法の基礎知識から法的思考力を問う問題が出題されます。神戸大学の問題は編入試験を実施している法学部の中で、最もオーソドックスな問題を出題してくれているという印象です。そのため、確立された方法に従って法学編入の対策をしっかりしていれば対応できないことはないと思います。
私が法学の対策を始めたのは5月頃です。編入予備校を利用していたので、予備校の予習復習と法学・民・刑・憲の入門書を基軸として勉強していました。神戸大学の他に北海道大学と筑波大学を受験したので、民・刑・憲の薄い基本書や政治学も知識の肉付けとして利用しました。
③一般教養
一般教養は課題文を読んで設問に答える問題です。記述の現代文のイメージです。
私は現代文が得意だったので、特別な対策はせず、過去問演習のみやりました。かなり難解な課題文が出されるので、対策するとすれば小論文対策というより、現代文の対策をおすすめします。課題文は法学の論文からの抜粋なので論文を読み慣れることも対策になると思います。
5.編入試験までの流れ
5月~6月
この時期の勉強は、TOEIC:法学=6:4くらいでやっていました。私は周りに比べて対策を始めるのが遅かったので、この時期は1日8時間勉強していました。予備校に入った時点で差をつけられているなと感じたのでこの時期は結構頑張っていました。法学の勉強方針としては、「基礎を固める」ことでした。 この時期に使用していたの参考書は以下の通りです。
・現代法学入門(有斐閣双書)
・伊藤真の法学入門-伊藤真の入門シリーズ(日本評論社)
・憲法入門(有斐閣双書)
・民法がわかる民法総則(弘文堂)
・入門刑法学・総論-法学教室ライブラリー(有斐閣)
・法を学ぶ人のための文章作法(有斐閣)
・リラックス法学部(インターネットサイト)
7~8月
6月にTOEICが終わり、7月から勉強時間の全てを法学に注ぎました。この時期から基本書や政治学のインプットにも手をつけました。夏休みということもあって、1日8~10時間は勉強していました。また、志望理由書もこの時期に大半を仕上げました。 この時期に使用していた参考書は以下の通りです。
・演習ノート法学(法学書院)
・刑法Ⅰ総論-NBS(日本評論社)
・憲法Ⅰ総論・統治-NBS(日本評論社)
・憲法Ⅱ人権-NBS(日本評論社)
・政治学(有斐閣)
・よくわかる政治思想(ミネルヴァ書房)
・公務員試験 行政5科目まるごとパスワードneo2
9~10月
9月からは出願準備と過去問演習、今までの総復習をやりました。
出願準備は怠惰な人間にとっては意外と大変です。いろいろな書類を準備しなければならなかったり、お金を振り込んだりとかなり時間がかかります。出願ができずに消えていく人もいるそうです。
過去問演習は、受験校の過去問と予備校の講師が準備してくださった過去問まとめをできるだけやりました。添削に出すのも、仲間と共有するのも億劫ですが、できる限り添削に提出し、仲間と共有したほうがいいと思います。そうすることで自分の弱さが分析できますし、他の意見も吸収でき理解が深まります。
11月 神戸大学、北海道大学、筑波大学の3校を受験
6.編入予備校について
私は編入予備校に通っていました。編入予備校に通わなければ編入試験に受からないというわけではありません。今では、オンラインサロン等で指導や添削を受けられるサービスも充実しています。個人的には予備校に通うことをおすすめします。予備校に通うことのメリットとして、添削が受けられることや情報の得やすさは言うまでもありません。しかし、これらのメリットはオンラインサービスでも受けることがてきます。私が予備校に通うことで得られる最大のメリットは、モチベーションの維持がしやすいということにあると思います。編入試験の対策は、孤独になりがちです。それゆえ、モチベーションの維持ができず挫折してしまう例は少なくありません。私は予備校で仲間を作り、講師やアドバイザーに相談に乗ってもらうことによってモチベーションの維持ができました。
7.編入を目指す上で大切だと思うこと
編入試験合格という目標を達成した今、編入を目指す上で最も重要で最も難しいことは、「継続すること」だと思います。「三日坊主」という言葉があるように何事においても継続は難しいです。私自身、継続は大の苦手ですし、自分の周りの大学生は遊んでいるため、一般受験に比べて誘惑が多く、周りからの圧力も少ないので、勉強を継続することは本当に大変でした。だからこそ、編入を途中で挫折する人が多いのだと思います。
そんな中で私が継続し続けることができた理由は以下の3つに集約されると思います。
①信頼できる仲間ができたこと
②編入の先の目標があったこと
③講師との信頼関係を築けたこと
特に①は非常に重要だったと思います。仲間ができることで客観的な視点が養えるし、程よい強制力が生まれてモチベにも繋がります。これから編入を目指す人には直接でもSNSでもいいから仲間を作ることを強くおすすめします!
最後に
素人のつたない文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。少しでも編入を目指す人のお役に立てたのであれば幸いです。
編入試験は純粋に実力を評価してくれる試験であると思います。私の所属大学は偏差値50の私文ですし、成績もTOEICも特段良いわけではありません。経歴では他の編入受験生には勝てません。しかし、最後まで諦めず実力を上げるために努力したからこそ合格を勝ち取れたと自負しています。編入を目指される方は最後まで諦めず、合格を勝ち取ってください。応援しています。
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