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『OO-ct. ──ノー・カラット』における対比とSHHisの美しさ

※本記事はアイドルマスターシャイニーカラーズのイベントコミュ『OO-ct. ──ノー・カラット』のネタバレを含みます。



皆さんこんにちは。アイドルマスターシャイニーカラーズ、遊んでいらっしゃるでしょうか。そして、先日追加されたSHHis初のシナリオイベントのコミュ、『OO-ct. ──ノー・カラット』はご覧になられましたでしょうか。最高でしたね。それと同時に最悪でした。これは誉め言葉として使っています。

今回はそんな『OO-ct. ──ノー・カラット』の中でも特に印象的だった、「想いや友情」と「努力や実力」の対比といった描写にスポットを当てていろいろと感じたことや思ったことを書いていこうと思います。


女子高生のコマか、工学部のコマか

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まずはこちら。天井社長とはづきさんが事務所でドキュメンタリーを見ている場面です。町おこしのためコマの大会に出場する女子高生たちを追ったドキュメンタリーですが、そこへ有名大学の工学部が立ちはだかります。そして勝利したのは工学部チーム。

ここでは「想いや友情」といったものが「努力や実力」に打ち負かされている瞬間が描かれています。

想いの乗ったピアノか、ただただ上手なピアノか

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そしてこちら、とあるピアノコンクールでの一場面です。これは先ほどのコマの場面とほぼ同時並行で語られています。

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このコンクールはどうやら過去に美琴が出場していたもののようです。おそらく幼少期?

美琴は幼少期からパフォーマンスに対しての理想が高かったのか、常にレベルの高い演奏を披露していたことがうかがえます。しかしこのコンクールで最優秀賞を手にしたのは「天国にいるミャオのために弾きます」とあいさつをした別の生徒でした。

先ほどのコマの例とは反対に今度は「想い」が「努力や実力」に勝った場面が描かれています。どうしても我々は緋田美琴のことを知ってしまっているので少々やるせなさを感じてしまいますね。
しかしこの「想いや友情」を応援するべきか、「努力や実力」を応援するべきかという問いについては、天井社長が言うように答えを出すのは中々難しいです。

そしてパフォーマーはどちらで勝負するのが正しいのか。これにも明確な答えは出てこないでしょう。しかしSHHisは間違いなく「努力や実力」で勝負するユニットです。美琴は最高のパフォーマンスを求め努力することを続けていますし、にちかも努力に努力を重ねしっかりとスキルアップしてきました。「実力派ユニット」という評価を受けていることがその証拠でしょう。


メンデルスゾーンとホーム・スイート・ホーム

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メンデルスゾーン、正確に書けば『メンデルスゾーン無言歌集第3巻 Op.38 5. イ短調』というこの曲はコミュの序盤からたびたび登場しています。ちなみに『情熱』という副題もあるようです。(少しだけ調べました)

この曲はショッピングモール内に設置されているピアノから自動演奏によって奏でられています。失敗することはもちろんなく、途切れることなく旋律が流れ続けています。

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片やこちら、『ホーム・スイート・ホーム』は美琴とにちかがスタジオで練習するシーンで登場します。リハーサルでの出来事を経て、2人の関係性に何らかの変化が起ころうとしている非常に重要なシーンです。

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この曲はにちかにとって家族との幸せな時間にまつわるエピソードに深く絡んでいます。「あの頃」と想いを馳せるシーンがあることからも、この当時の記憶は幸せに満ちていることがうかがえます。もしかするとにちかがアイドルを志す1つの大きな要因ですらあったかもしれません。

メンデルスゾーンの『情熱』と『ホーム・スイート・ホーム』を比較してみると、先ほどの「想いや友情」と「努力や実力」の対比と重ね合わせることができます。

メンデルスゾーンの『情熱』は「努力や実力」側に分類されるでしょう。この曲は自動演奏によって奏でられており、そこに「想い」のような要素は絡んでいません。また、ピアノができないにちかでも主旋律を弾く描写のある『ホーム・スイート・ホーム』よりは演奏の難易度も高いでしょう。

一方で『ホーム・スイート・ホーム』はにちかの思い出の1曲であることから、「想いや友情」側に分類されると考えられます。演奏の難易度はそれほど高くないものの、家族との幸せな思い出がつまったこの曲はにちかだけでなくSHHisにとっても大切な意味を持つようになります。


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エンディングのこのシーン。SHHisの2人がショッピングモール内の自動演奏ピアノの方へ向かいます。自動演奏のスイッチを切り、美琴が弾き始めたのは『メンデルスゾーン無言歌集第3巻 Op.38 5. イ短調』。

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それを聴き感服するにちか。しかし美琴の言うようにこの曲を弾けるということが人を感動させることに直接つながるかどうかは分かりません。機械による自動演奏でもこの曲を奏でることはできるのですから。

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そして次に美琴が弾き始めたのは『ホーム・スイート・ホーム』。これににちかも加わり、2人の連弾が始まります。私はこの瞬間に演奏されているこの曲はSHHisの2人にしかない唯一無二の意味を持っていると感じています。にちかの家族との思い出、スタジオでのやり取り、そしてコーラスの演出のヒントにもなったこの曲。2人にとってはとても意味のある曲だといえるでしょう。

本当にこの場面は素敵だな、と思うんですよね。「実力」で勝負するユニットであるSHHisにも「想い」のようなものが全くないわけではなく、そしてそれを蔑ろにするわけでもない、という美しさが伝わってきます。
そして単なる「仲良しユニット」でもない。アイドル業としてみた時に、コンテンツになるような関係性ではないかもしれません。しかしそれでも2人の間には確かに2人だけの結びつきがある。そんなことを感じさせてくれる素敵なシーンだと思います。

いやーこれでめでたしめでたしですね。これからSHHisの幸せそうな姿がもっと見られるとなるとワクワクが止まりませんね。




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おわりに

と、いうことで終わりです。「対比」というところに注目したつもりでしたがいかがだったでしょうか。というかSHHisそのものがにちかと美琴の対比構造みたいな面もありますが…。
でもまあとにかくこのコミュで一番心に残った「SHHisのユニットとしてのスタンスと2人の関係性の美しさ」みたいなところについて書くことができて満足です。

初めはコミュの頭から終わりまで順になぞって書いていこうかなとも思ったんですが、だんだんとゴチャゴチャしてきて自分の書きたいことを見失いそうだったので、自分が一番素敵だなと思ったところを中心に書きました。ちゃんと書ききれてよかったです。

にしても最後にあんなことして…。シャニマスは俺をどうするつもりなんだよ。今回はにちか視点でずっと話が進んでいたこともあり、美琴がにちかやSHHisのことをどう思っているのかというところは中々見えづらかったかなーと感じています。にちかは今回でかなり心境に変化があり成長が見えたと思うので、次は美琴の番でしょうね。次…、いつになるんでしょうか。あと斑鳩ルカさんも救ってほしい。私はアイドルマスターシャイニーカラーズを信じています。

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