【感想】ネクスト・ゴール・ウィンズ

2023年　イギリス・アメリカ
監督　タイカ・ワイティティ
出演　マイケル・ファスベンダー
　　　オスカー・ナイトリー
　　　カイマナ

あらすじ

2001年、ワールドカップ予選史上最悪の0-31の大敗を喫して以来、１ゴールも決められていない米領サモアチームに、次の予選が迫っていた。破天荒な性格でアメリカを追われた鬼コーチ、トーマス・ロンゲンが就任し、立て直しを図るが、果たして奇跡の１勝は挙げられるのか！？ 実話をベースに『ジョジョ・ラビット』『ソー：ラブ＆サンダー』のタイカ・ワイティティが、全ての“負けを知る”人々にエールを贈る、感動と興奮のスポーツ・コメディドラマ。

公式サイトより

感想

原作のドキュメンタリーを事前に見てたんですけど、これがもうめちゃんこ面白い。まさに事実はは小説よりも奇なりを地でいくような物語になっていて、笑いあり涙ありの情熱スポコンものなんです。これをあの『ジョジョ・ラビット』のタイカ・ワイティティ監督がどう料理するのか、とてもワクワクしながら劇場に足を運びました。

そんで見た感想といたしましては、ぶっちゃけ期待はずれな感じです。ハードルが高過ぎたってのもあるかもしれませんが、そんなの抜きにして普通のスポーツドラマとして見ても、平凡で味のない映画となっていました。これなら原作をアマプラで見た方が100倍良い。

まず根本的なところなんですけど、映画全体からなんとなく低予算&短期間で作成されたような雰囲気が醸し出されています。全体のストーリーラインにしても編集の技術なのかもしれませんが、なんか締まりがないような。世界的にも著名な監督だと思うので、スポンサーがつかない、なんてことはないと思うんですけど、本当にこれ、やる気出して作ったのかなと疑問に思うところばかり。

特に肝心のサッカーシーンはスピード感も迫力もないし、本当に草サッカーの試合をカメラで撮ってるだけのような映像でした。リアル志向といえば聞こえはいいんですけど、見ていて純粋にワクワクしません。

あとはキャラクター。主人公はあとに置いとくとして、本作の第二の主役と言っても過言ではない選手・ジャイヤ。第三の性を自認しつつも男子サッカーの代表として試合に出る、とめちゃくちゃ美味しいポジションなんですが、いくらなんでも酷使し過ぎだと思います。この映画を見た人は思い返してほしいんですけど、ジャイヤ以外の選手って誰か覚えてますか？　私は誰も思い出せません。

原作でももちろんピックアップはされてるんですが、ここまで露骨ではありませんでした。きちんと他の選手のエピソードも描いています。もしかしたら監督はサッカーって11人でやるスポーツなんだと知らないのかもしれません。ジャイヤとモブキャラ10人のチームなんて、そりゃ薄っぺらく感じますよ。

そんでもって1番の問題点は主役であるトーマス監督のエピソード。別れた妻と職場の上司がイチャイチャしてるという、本筋とは全く関係のない話が割と多めの尺で流れます。原作の方はもちろんそんな話はなく、どちらかといえばお互いを支え合う仲の良いパートナーみたいな描かれ方をしていたので、なんでそれを改変してしまったのか、全く理解ができませんでした。

サッカーのスポ根ものを見に来たはずなのに、中年たちのドロドロした関係を見せられて、その上そのエピソードも大して面白くない。この辺りが自分の中ではかなり評価を下げたポイントになりました。

あんまり貶しすぎるとあれなので、良かったところ。コメディシーンについては、小気味良くそれなりに面白かったです。あとは、ラストでオリジナルの監督や選手たちが出てくるところは少し感動しました。はい。良かったポイント以上です。

まとめ。初めにも言いましたが、わざわざこの映画を見るくらいなら原作見ましょう。めちゃ面白いよ！な映画でした。

以上、未だなお忙し過ぎて更新できません。週一くらいでは映画見たいでーす。お疲れ様でした。

視聴：劇場