-The LIVE エーデル- Delightの分析とEverlasting Show to the SHOW!
これまでに開催されてきたスタァライトの舞台、ライブ、イベントの中で私が初めて現地で観たのは 2022年2月の-The LIVE エーデル- Delightでした。
今回は私にとって深い思い入れのある、この舞台について色々と書いていこうと思います。
会場は天王洲銀河劇場。
この1つ後の-The STAGE 中等部- Regaliaからはスピンオフの舞台は上野の飛行船シアターで公演されるようになっていますが、この頃は-The LIVE 青嵐- BLUE GLITTERなども含め銀河劇場で行われる事が多かったですね。(もっとも、シークフェルト中等部が飛行船シアターをホームグラウンドにしている、という見方も出来るとは思いますが。)
個人的には飛行船シアターと銀河劇場は同じくらい雰囲気が好みなので、また銀河劇場でも舞台をやって欲しいなという思いもあります。
さて、今回の題名にしているEverlasting Show to the SHOW!ですが、これは-The LIVE エーデル- Delightの主題歌であったDelight to me!のカップリング曲です。
カップリングですのでこの時の劇中やミニライブでは流れていませんが、開演前の銀河劇場内でBGMとして流れているのを聞いて、その瞬間に「あっ、この曲大好きだ。」と直感したのを覚えています。
その後はDelight ver. エーデル ver.どちらも何度も聴き込みましたがあくまでもカップリング曲であることからライブで聴ける機会は来ないかと半分諦めていました。
しかしこの次に同年10月公演された-The STAGE 中等部- Regalia 第二部のミニライブで聴くことが出来たのには感動しました。
(Regaliaは言うまでもなくストーリーも素晴らしかったのですが、個人的にはEverlasting Show to the SHOW!とメイファン役 竹内夢さんが独唱する劇中歌 King's backを聴けた事の2点だけでも東京まで観に行った元は取れたなと当時感じましたね。)
歌唱メンバーが多い分、Delight ver.の方が音は豪華なのですが、エーデル ver.はCメロ最後の“誰も知らぬ私こそが舞台さ!”で野本ほたるさんのソロが響き渡るのが圧巻で、どちらのverも甲乙つけ難いなと感じます。
もしスタァライトで一番好きな楽曲は何か、と質問される機会があれば私は色々と迷いながらもEverlasting Show to the SHOW!と答えると思います。
(私のnoteマイページのURLはそこから取ったものです。)
そしてここからは-The LIVE エーデル- Delightの舞台に対しての分析、感想を述べて参ります。
舞台版のネタバレを含んでおりますので未見の方は御注意下さい。
◇◇◇
それでは書いていきます。
最初に目を引くのは冒頭の“ファンタジスタ”
スタァライトの舞台版では最初に歌唱シーンを持って来ることが多いように思います。(♯4等の例外も勿論ありますが)
その中でも特に華やかで、力の入った演出と言っても過言ではないでしょう。
(尚、以前に宝塚に詳しい方から伺いましたが大階段だけでなく、黒い燕尾服、羽、“シャンシャン”といったそれぞれの演出が忠実に宝塚を再現したものであり、演出を担当された児玉明子氏は以前に宝塚歌劇団に勤められていたとのことです。
教えて頂いた方にはこの場を借りて改めて御礼申し上げます。)
ご覧になった方はお分かりでしょうがこれには理由があり、終盤まで話が進んでいくと、冒頭の場面は全国高校演劇選手権のオープニングアクトだったんだ。という事が明かされる構成になっている訳です。
実はこういった構成はスタァライトにおいては珍しいのではと私は考えます。
♯2、3、4といったナンバリングの付けられている舞台では基本的に舞台の進行と時系列の流れは一致しています。(♯1 は大変申し訳ありませんがまだ観たことが無く、明確に言えないのですがBlu-rayは以前購入して手元にあるので今度確認してみようと思います。)
それが今作では一転して上述したような描かれ方がされていますし、さらにはスピンオフ同士でも時系列としてはRegalia→Delightという順序になっています。
これらを踏まえると、スタッフの方々としては恐らく特別に冒険したという意図は無いと思いますが、聖翔音楽学園を舞台とするナンバリングの舞台とは少し作劇を変えてみようという考えがあったのではないかと私は推察します。
また、今作はシークフェルト中等部のキャラクターが初登場するという所でスタァライトというコンテンツの中でもなかなかに重要な意味合いも有していたと思います。
中等部の5人、中でも高千穂ステラは今作で初登場した際には外見の雰囲気もあり所謂高貴な出自であることを鼻に掛けたような性格なのかと私は勝手に思い込んでいました。
しかし次回作のRegaliaでそのキャラクターが描かれると素直な人柄で観客が応援したくなるような造形がなされていたため、良い意味で驚いた事を記憶しています。
そう思って今作での登場シーンを見返してみると、柳小春に対して少なくとも台詞の上では失礼な言葉は一切発しておらず、それどころか「私たちは未熟で力不足かと思いますがどうか御指導の程、よろしくお願い致します。」など徹底して謙虚な物言いに終始しています。それは他の4人においても同様で、例えば森保クイナも小春に対して「是非ともこの場で勉強させて下さい。」という台詞がありますし、小春が(雪代晶の言動を念頭に置いて)シークフェルトだけが特別ではないと言った際には自分たちに非が無いにも関わらず「出過ぎた事を申しました。」と中等部の5人が自ら頭を下げています。
ただし柳小春は自分たちから見て上級生かつあくまでも外部の青嵐総合芸術院の生徒であるため礼儀として距離を置いた話し方をしていた事に加え、この場面の直後に聖翔音楽学園の生徒が乗り込んできて小競り合いに発展するという展開の流れを考慮して、敢えてどこか得体の知れない、若干の冷たさを感じさせるような演技(劇中のキャラクターが意図してという意味ではなく、役者さんの演技として)をしていたものと考えます。
それから、私はBlu-rayで2回目以降に視聴する時は定点映像を選択することが多いのですが、その理由としては劇場で観劇しているのに近い臨場感があることに加えて、その瞬間に台詞を発していない役者さんの表情・動きが見て取れるからです。
今回ですとちょうど上記のシークフェルト中等部 対 聖翔音楽学園の擬似レヴューが行われている途中に他のキャラクターが舞台上に登場してきます。
その際、戦いの状況を困惑しながら眺める者もいれば微笑ましく見つめる者もいるというその一人一人の違いが強く印象に残ります。
中でもメイファンがシークフェルト中等部と聖翔の生徒たちを応援するような視線を送りながら歌に合わせてリズムを取っているのが本当に可愛らしくて、このシーンは何度も観てしまいますね。
以上、思いつくままに書きました。
私が勝手に考えすぎている箇所もあるかも知れませんが、こういった分析をする人もいるんだなと他の舞台創造科の皆さんには受け止めて頂けますと幸いです。
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