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Be Place 二人にひとりです、が
居場所探しの遊牧民は
●統計によりますと・・・
65歳から69歳までの働いている人の割合が二人にひとりだそうです。ちなみに70歳から74歳は34%ですから三人にひとりが働いているってことですね。75歳以上は10人にひとりなのでこれは置いておいておくとしても65歳以上の就業率は25%で四人にひとり。世の中では65歳からを段階別に初期中期後期をそれぞれにつけた高齢者と呼んでいますので日本の老人は元気に働いていて素晴らしいといった分析かと思えばまったくそうではありません。
逆に、日本の総人口に占めるこの高齢者の割合がほぼ30%ということらしいので働かない高齢者の存在に「お疲れ様でした」というあたたかい視線どころか、できればもっと働いて国に頼らず若い世代の負担も減らしてあげなさいといったニュアンス満載です。そこまで極端でなくとも働かないことが何やら後ろめたくなりそうな気配ですね。
全就業者に占める高齢者の割合が13%なので労働者の10人にひとり以上は高齢者。まあ、統計というのは顔が見えないのでどこまで信用すべきか判断が難しいところですが働く高齢者が増えてきていることは確かでしょう。産業別だと「卸売業・小売業」、「医療・福祉」に多いとのことですが、これって自営業の商店主、介護職などだったりするのでしょうか。身近で多く見かけるのはマンション管理人や警備員の人たち。69歳までは何とかなりそうですが70歳をこえると身体的につらい職業でしょうから、三人にひとりの高齢労働者の方々はいったい何をなさっているのでしょうか。
●マジョリティがいつしかマイノリティ
必要に迫られて働く高齢者、思うところがあって働く高齢者。こういった方々は巷でよく言われるリタイアシニアの「迷える居場所探し」には入りません。好むか好まないかは別としてすでにその働く場所が「居場所」になっています。職場が「自分の居場所」なんてとんでもないと思う方もいらっしゃるでしょうが社会問題ともいわれる「孤立」化はクリアしています。でも「孤独」なんですよと言われてもそれはもはや心の問題ですから、社会との接点を持っていることでそこが「居場所」のひとつにはなっています。居心地悪くてもね。
さて、「迷える居場所探し」の遊牧民とは。現在の年金制度や企業の雇用実態からすると65歳以上からがリアルな年齢集団といえるでしょうか。傍から見ると無理に働かなくてもなんとかなるといったように恵まれたイメージを持たれているかもしれませんが二人にひとり、三人にひとりと同世代が働くようになってくると少し分が悪い雰囲気も漂ってきました。
切実な事情で働くことを余儀なくされた同世代高齢者からみれば「居場所探し」なんて贅沢でひとりよがりな甘えだよと思われても仕方ないことで、これまでは居直るぐらいの気持ちを持って、人知れず社会の邪魔にもならずに個人が納得できるBe Place(そこが場所になる)を求める旅なんだと正当化してきましたが、どうやら同好の士が半分になってくるといっそう気持ちをしっかり持って臨まないと世間の目が厳しくなってきましたね。人口比率では高齢者増といわれるやっかいな集団の、そのなかでも少数派になってきました。まさしく僕って何?です。
●健康に老成しよう
人によって「居場所探し」といったテーマに悩み始めると心の病になりかねませんが、同世代のなかで二人にひとりとどんどんマイナーな存在となり社会的に抑圧されてくるとより一層拍車がかかってくるでしょう。
しかし、働けといわれてもそんなに人生の最後の最後までは無理です。適度な健康は大切なのでウォーキングや散歩ぐらいは必要ですが気持ちぐらいは老成しても良いのではないでしょうか。
今なお頑張って働いている同世代の人もいつかは役目を終えるときが来ますから、そのときの心の在り方、居場所の持ち方のノウハウを先んじて得られた先輩としておだやかに待ちましょうか。まあ、その考え方もひとつの居場所「Be Place」になるかもしれません。
●同好の方々に、合言葉を
先人の残した言葉を都合よく拝借
・馬の耳に念仏
・馬耳東風
・暖簾に腕押し
・糠に釘
・知らぬが仏
・泰然自若
・我田引水
さて、ちょっと散歩にでも行きますか・・・。