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コロナ渦で改めて思う、配偶者が官僚であること
私の夫は官僚です。
私自身は一介の人事職ですが、会社の事業が中央官庁とも関わっているため、積極的に夫の仕事の話を聞くことはしていません。
万一、家庭内で利益相反でも起こしたら大事件なので。
ただ私自身も実は国家公務員を目指していた時期があったため、官僚の仕事の概要は理解しているつもりです。
災害や疫病など国家に有事が起きた時、その有事の最前線に赴くのは、自衛隊・医療機関・地方自治体の職員といった方々が多くを占めます。
今回のコロナ禍然り、こうした方々のご尽力には感謝と敬意しかありません。
それに対し、官僚は最前線には赴きません。
その代わり、霞が関にて緊急事態に対応するための法整備や政策調整/実施を担い、国を動かすための陣頭指揮を取っています。
人によりけりではありますが、基本的にこの時、官僚本人に家族のこと気に掛ける余裕はほぼありません。
2011年に東日本大震災が発生した時、私達はまだ結婚していませんでした。
なので今回のコロナ禍が、夫と家族になって初めて直面した「国の有事」です。
昨年の3月頃、夫から「ここから仕事がヤバイことになる」と言われました。
「通常1年かけてやる仕事を10日で形にする、それを繰り返す。申し訳ないけど、家のこと全然できなくなる。」
遂に、そういう時が来たかと思いました。
それ以降、8月頃まででしょうか、激務慣れしていた私も見たことがないような壮絶な激務が繰り広げられるようになりました。
短く見ても、1日15時間は勤務していた…
金曜は30時間近くぶっ通しで勤務して、土曜の午後に帰宅する。
そのまま家でも仕事。
COVID-19に感染するより先に過労死するんじゃないかと本気で思ったり。
体調や精神面に変化がないか、私は常に様子を窺う有り様でした。
当時、私自身の仕事状況も、落ち着きとは掛け離れていました。
リモートワークの制度は既にあったけれど、全社員在宅勤務は史上初。
それに伴う各種制度や勤怠管理の緊急運用。
急増する社員からの相談への対応。
加えて、保育園も休園になりました。
同時期に夫も1日おきに在宅勤務になったりはしましたが(1日おきって意味ある?と思わないでもなかったが)、彼が仕事をしながら息子の面倒をみるなど、聞くまでもなく無理でした。
ので、私が子連れ在宅勤務。
web会議に乱入する息子、電話してると寄ってきて一緒に話しちゃう息子。
お散歩のために業務を抜け、ごはんの支度のために業務を抜け、お昼寝(寝かしつけ)のために業務を抜け。
上司・同僚がこの状況を快く受けれてくれたことだけが救いでした。
家事、育児、激増する仕事、前代未聞の子連れ勤務、夫の心配…全てを背負って暮らす私自身にかかる負担も結構なものでした。
だけど夫に対して、「もっと家のことやってよ」「どうして私だけ」と言う気にはなれませんでした。
…聖人君子じゃないので、思ったことはあったけど。
…心の声がほんとに口から出たことがなかったかは、怪しいけど。
だって、夫が(官僚が)頑張らなければ、この国は終わってしまうから。
最前線で戦っている方々のためにも、指揮を取る側が倒れることは許されないから。
たとえ過労死と隣り合わせの働き方だったとしても。
頑張ってもらうしかない。
令和を生きる妻として、会社でダイバーシティ担当とかもやってる身としては、本当にほんとーーーーに複雑な心持ちもあるのですが、それでも何度考えてもやはり、夫が官僚としての職務を全うできるよう出来る限り支援するしかないと、そういう結論にたどり着きます。今は。
有事の時、夫は、私達を守ることはできません。
私達のそばにいることすらできません。
あまり悪い想像をすると不安になるけれど、有事の際は、私が息子を守り2人で生き抜く覚悟を常に持っていなければならないと、最近改めて思っています。
病気で入院した身で何ですけど。。
国の政策を見ているといろいろ思うこともありますが(児童手当の話とか、思うことしかない)、夫が信念を持って官僚として働く以上、イチ妻としてはもう、それを応援する他ないです。
どうか身体を壊さず死なずに務めを全うして、老後は2人で穏やかに過ごしたいと願いながら。
そして、イチ官僚としての夫の信念と努力が実る国家であってほしいと、切に思います。
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![優雨](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148903995/profile_828702b2f2e046f4381e05e540772a75.jpg?width=600&crop=1:1,smart)