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病理検査結果説明・ステージ確定(術後34日目)

病理検査結果の説明を受けまして。
診断とステージが確定しました。

「じゃあ結果を説明しますね〜」と言って主治医が見せた画像は、摘出した私の右乳房。
薬液に浸かったからか、乳頭は黒っぽく、皮膚と乳腺組織は茶色く変色していました。
画像上は5mm間隔くらいで線が入っている。
この線に沿って乳房をスライスして詳しく検査したのだそう。
病理検査結果説明の際に摘出した自分の胸を見せてもらったというエピソードを、乳がんサバイバーの先輩方のブログで何度も拝見していたので、これが噂のー!!と好奇心丸出しになった私。
全摘したからには見たかったよね、やっぱり。(どういう心境)

【病理検査結果】
浸潤性微小乳頭癌
ステージ1
リンパ節転移なし
静脈・リンパ管侵襲なし
核グレード:不明
エストロゲンレセプター:陽性
プロゲステロンレセプター:陽性
HER2:陰性
MIB-1(増殖能):20%
サブタイプ:Luminal AとBの境目

【主治医からの結果説明備忘録】
・予想通り癌の範囲がかなり広く6cmに渡っていた
・そのほとんどが非浸潤癌だったが、浸潤癌(2mm)が2ヶ所見つかった
・浸潤が2mm、転移も脈管侵襲もないことから、ステージ1となる
→術前想定からステージアップ
・浸潤部は、浸潤性微小乳頭癌という癌だと判明
→これが特殊型に分類されるやや珍しい癌で、少しだけ顔つきの悪いタイプ
・浸潤部が小さ過ぎたため、癌の悪性度を示す核グレードは判定できず
・エストロゲン/プロゲステロンレセプター陽性なので、女性ホルモンをエサに増殖するタイプ
・増殖能20%で、増殖能力が低い⇔高いのちょうど中間にあたる
・これらを踏まえ、サブタイプはLuminal AとBのちょうど境目あたりと考える。境目程度でしかない、とも言える
・癌の範囲やタイプを踏まえると、やはり全摘してよかったと思う

【今後の治療についての説明備忘録】
・術後治療については、癌のタイプを考慮すると、再発/転移防止のためホルモン療法を10年間やった方がよい(女性ホルモンを抑制する経口薬10年、卵巣機能を抑制する注射5年)
→微小乳頭癌は、通常であれば抗がん剤を適用する癌
→だけど優雨さんの場合は、浸潤が小さい上に全摘したし転移もなく、抗がん剤を使った方が長生きできるという根拠がない
→優雨さんには、抗がん剤治療はやりすぎと考える
・ホルモン療法中は妊娠/出産ができないが、第二子出産希望もあると伺っている
→2年後または5年後のタイミングで休薬して妊娠/出産にトライする選択肢がある。もしくは、今すぐトライして産んでしまうか
→2年後/5年後でも36歳/39歳、経産婦だし十分に可能性がある。ただ個人の価値観も大きく関わってくるところなので、要相談

【主治医と私のFAQ】
Q:全摘且つ転移無しなので、理論上は今ある癌は取りきれたと理解している。その上で、再発防止とはどういう意味を持つのか?
A:再発の恐れがあるとしたら、右胸の皮膚や胸壁。あとは、左胸に今回とは全く別の癌が発生する可能性もゼロではなく、それらを防ぐ目的がある。
Q:ホルモン療法に関して、経口薬の方は大体理解しているが(妊孕性自体への影響はない)、注射の方は妊孕性を低下させることなどあるのか?
A:それは…むしろ逆で。卵巣機能を抑制して卵巣を保護するので、逆に機能は守られる。抗がん剤治療をする方が、治療後に排卵機能を復活させるために、抗がん剤の前にこの注射を打ったりするくらい

大体、こんな感じでしょうか。

また主治医からは、「検査結果として浸潤は2mmだけれど、これは検体を切った断面から判断したもの。見えていないところを含めると浸潤5mmという可能性もある。逆に、切り口によっては浸潤が見つからず非浸潤癌の診断になり、ホルモン療法もやらなかった可能性もあった。」というお話もあり。

私の中にあった、とにかく早く手術して、ステージ0で決着して、あわよくば術後治療無しでいけたら…という野望。
叶えばラッキー、叶わなければ残念。
単純にそう考えてきたけど、本当にそうなのかな。
ステージ0で決着していたら、乳管の中に潜む癌が実は特殊で増殖能力の高いものだったなんて判らず、守ったつもりの自らの未来を危険に晒す可能性もあったんじゃないのか…?
何だか、あまり単純なことでもないのかな…と感じ始めました。

ステージアップは残念だけれど、わずかな浸潤部から、私の癌が特殊型で増殖能力高めであるという事実を知ることができた。
それが未来のための術後治療に繋がると考えれば、悪かったけどよかったとも言え、胸中とても複雑。

最善を尽くして検査をしても、必ずしも癌の全貌が確実に正確に判るわけではない。
これが今の医学の限界なのだなと思いました。
それは決して、絶望した、というニュアンスではありません。
検査結果=病気の全てとは限らない。
だからこそ、良くも悪くも不確定要素があるという想定の下で、冷静に、戦略高く、病気に立ち向かう必要があると思った次第です。

そのためには、まず私自身が冷静である必要があるし、正しい知識を身につけなければいけない。
そういう自分であるために、家族をはじめとする周囲の支えも不可欠。
あとは何より、最前線で癌と対峙してくれる主治医との連携・信頼。

まとまらない思考の中で、徒然にそんなことを考えました。

ステージ1且つ全摘なので、今すぐ何か深刻な事態が迫っているとか、そういうことではないけれど。

ホルモン療法については、第二子希望との兼ね合いとそれに係るご家族の意向もあるでしょうから、次の診察で方針を相談しましょう、と先生が言ってくれました。
次の診察までに、いろいろ考えなくては。

命が守られて、今時点で抗がん剤治療が不要で、元気で、それだけで十二分に恵まれているんだけど…それでも…と思ってしまう高望みな自分もいる。
腰を据えて考えるべき時が来てしまった。

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優雨
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