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浸潤性微小乳頭癌

これが、私の癌の診断名。
どうやらレアなタイプらしい。

浸潤性微小乳頭癌
(Invasive micropapillary carcinoma)

略してIMPC。

病理検査結果説明にて、主治医からはこの癌について以下の旨の説明のみ受けています。
・数の問題で、「特殊型」に分類されている
・少しだけ顔つきの悪い癌
 →通常は抗がん剤を適用する

現在私が持つ確実な情報は、主治医にもらった上記のみです。
が、特殊型というワードが気になって調べてしまった。

浸潤性微小乳頭癌
引用元:第11回京都乳癌コンセンサス会議ミニレクチャー「特殊型乳癌の病理」資料pdf

ソースが信頼でき、素人の私がきちんと理解できる情報の代表格はこのあたりかなと。
医学論文や学会報告はそこそこ見つかりますが、内容を確実に理解し、自信を持ってリンク貼って紹介できるほどではありません。

【私なりの理解】
・乳がん全体の1%程度しかみられない病理型
・非常に早期からリンパ節転移を起こしやすい
 →このため診断時のステージが高くなる傾向
 →ゆえに予後不良傾向(再発多、生存期間短)


以下全て、極めて個人的な所感徒然。

非常に早期からリンパ節転移を起こしやすというところが、とにかく怖い。
私はリンパ節転移が無くて幸運でした。
でも逆に言うと、「非常に早期からリンパ節転移を起こしやすい」以外に怖いところは無いかも…?

比較的まだ新しい分類だからか、とにかく症例が少ない印象。
国内の医学論文や学会報告を見ても、掲載症例が20例越えてたら「多い」と感じる。
が、それだって10年近くかけて集まった総数だったりする・・・。

国外に目を向けると、2019年に「浸潤性微小乳頭癌(IMPC)は浸潤性乳管癌(IDC)と比較して予後に差がなかった」旨が分析発表されていました。
希望の持てる分析…!


ここで分析対象となったIMPCは327例。
国内データに比べれば桁違いに多いですが、比較したIDCは4979例。
本当に症例が少ない。

#この分析だけは後に自分が読み返せるよう、例外的にリンクを貼りました

大規模な臨床統計が無い(見つけられない)以上、目にした少数事例から素人がIMPCの特性や予後を推定することはできない(すべきでない)…と思いました。
わからないことは主治医に聞こう。
そして、ここまで調べて考えた後に思った。

全摘を決断してよかった。

私の場合、生検で浸潤が見つからなかったので、乳房温存の選択肢が無かったわけではありません。
ただ、癌が乳管に沿って胸の4分の1に広がっており、頑張って温存しても美容的には厳しい、という理由で、どちらかといえば全摘を推奨され。
崩れた胸と生きるくらいなら、全て取ってしまって綺麗に再建してもらおうと考え、全摘に踏み切った経緯があります。
だけど病理検査の結果が出るまでは、時折、もう少し早く見つけられたら、美容的にも無理なく乳房温存できただろうか…と考えることもありました。
生まれながらの自分の胸だもの、残せるならば残したかった。
死ぬまで自分の胸で生きたかった。

だけど。

私の胸に巣食っていた癌が、よもやこんなタイプだとわかった日には。
温存はリスキーだろう…
温存して再発に怯えて暮らす方が嫌…
全摘して全て取り去ってしまってよかった…
と、温存を望んだ気持ちはどこへやら。

一瞬にして全摘万歳に宗旨変え。

病理検査結果の説明を受けて、ステージ0疑いのレベルでは、検体の切り口によっては存在しているはずの浸潤部が見つからず、本当は浸潤してたのに非浸潤で確定診断がつく可能性もあるのだということを知りました。
それは、病理検査の不備ではなく現代医学の限界という意味です。
実はステージ1なのに、ステージ0だったと楽観して、この癌の凶悪さ(リンパ節転移率の高さ)を知らずに術後無治療で再発を引き寄せたりしていたら…

想像するだけで震える( ̄□||||!!

全摘が耐え難い現実であることは変わりないです。
だけど、私の最優先にして最大の目標は、元気に生き続けること。
息子が立派な大人になるまで母としてそばにいたいし、親より先に死ねないし、死ぬなら夫と老後を楽しんでからにしたい。
それを確実に達成するために片胸を失う必要があるというなら、それはもう喜んで。
私の人生で1番大切なものは胸じゃない。

もちろん、よもや自分が希少がんと診断されるとは思ってもみなかった…という気持ちもあります。
若年性乳がん患者で、希少がん患者。
どんだけ少数派なの。
ここまでくると、どうして私なの、と思わないでもない。

恐怖だって当然ある。
全摘してホルモン療法して尚、再発したら。
死にたくない。
息子を母のいない子にしたくない。
幼児から少年、青年へ成長する姿を絶対にこの目で見たい。
ステージ1で全摘して、転移すらなくても、そんな気持ちに襲われる。

それでも、IMPCという診断が私の現実。
乳がん疑い判明時から、何度となくこういう気持ちを感じ、受け入れ、越えてきた。
そして、早期発見され最善の治療が尽くされたこともまた事実。
右胸は失ったけど、元気な私がいる。
その恩恵を十二分に享受して、生きて戦ってやろうじゃないか。
とんだマイノリティだったとしても。

IMPCでも早期発見・治療すれば予後良好という事例がここにもいるよ、と発信できる人間になることを目指す。

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優雨
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