胸の奥
6月頃からフリースクールのボランティアに行くようになった。行き始めて少し経つと夏休みになって閉まっていたが、夏休みを終えて再開した。久しぶりに子供たちに会えて嬉しかった。
そこに来る子供たちはみんな何かを抱えている。僕が何かを抱えているように何かを抱えているのかもしれないし、もっと重いものなのかもしれない。きっと思いと思っている。
ある子供は昼夜逆転の生活になっていると言った。その子は昼になってフリースクールにやってきて、明らかに眠そうだった。
気が使える優しい子だ。そしてしっかりしている。なんで学校に行ってなくて、なんで生活習慣が悪いのか疑問だった。朝起きれない子はいるだろう。夜眠れない子もいるだろう。学校に行きたくない子もいるだろう。別に学校に行かないことが悪いことだとは思わない。僕にはわからない何か。家庭環境や彼のことをもっと知りたいし力になりたいけど、どこまで踏み込んでいいのかわからない。家庭環境がよくないことは知っている。でも何がどうよくないのかはしらない。僕に家庭環境を変えることは難しい。でも彼が抱えている何かを解く力添えを少しくらいはできるんじゃないだろうかとも思っている。
彼は何を抱えているんだろうか。
少し話は変わるが、一昨日『両手にトカレフ』を読んだ。一日で全部読んでしまった。胸の奥がじんじんと痛み、ページを捲ることをやめられなかった。
イギリスの話で日本に生きている自分には少し遠いような感覚だったが、世界にはこんな環境があって日本にもあるんだろうと思った。フリースクールの子供にも何か通じることがあるのかもしれない。そう思うとまた胸が痛んだ。
自分がいかに恵まれているのか。それを後ろめたく思う必要はない。恵まれてない人の力になりたいとは思うが、対等ではないと言っているようで難しい。でも恵まれている人は分けるべきだと思うし、少しでも世界を広げることはするべきなんじゃないだろうか。