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午後5時の哲学者、彷徨い人

鏡を見つめると、そこに立っているのは、時間に追われる自分だ。50代の生活というものは、若さと老いの狭間で揺れる午後5時のようなもの。太陽がまだ頑張っているけれど、そろそろ影が伸び始める時間帯。その微妙な空気感が、私の心を掴んで離さない。最近、自分の振り回されっぷりに気づいたのは、通勤電車の中だった。誰もがスマホに夢中で、私もその一人。SNS、ニュース、ショッピングアプリ、どれも便利なはずなのに、なぜか心が落ち着かない。「これ、本当に必要なの?」と自問する毎日。それでも、手放せない。多分、私が振り回されているのは時間そのものなのかもしれない。若い頃は時間を駆け抜けることが正解だと思っていた。でも、今の私は逆に「待つ」ことの大切さを感じている。待つことは贅沢だ。何かを急かされる生活から、一歩引いて眺めてみる。それだけで、日常の風景が違って見えるのだから不思議だ。50代というのは、人生の午後5時。仕事は終わりかけているけど、完全に自由でもない。家族の世話、仕事の責任、健康の管理、どれもがほどよく混ざり合って、私を形作るパズルのピースだ。どのピースも重要だけど、どこか不揃い。完璧な絵が描ける気がしない。でも、それでいいのかもしれない。INTJ-Tという性格診断に何度もたどり着く私。分析好きで計画性があるらしい。でも、「T」の部分、感情に引きずられる傾向があることも認めざるを得ない。この不完全さが、私の「午後5時」をさらに味わい深いものにしている。結局、私が振り回されているのは、他人の期待なのか、それとも自分の理想なのか。その答えを探し続ける旅は、まだ終わりそうにない。それでも、夕焼けに染まる空を見上げるたびに、「今日も悪くなかった」と思える自分でありたい。

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