見出し画像

ドイツの美大に入るためには

日本の美大を卒業後、ドイツの美大で更に学びたいと思ったらまず何をしたらいいのでしょうか?

ドイツの美大は世界的に有名であり、著名な作家を数多く輩出していることや学費が無料なこともあって、毎年世界中から留学生がやって来ます。当時私が所属していたクラスも25人中11人がドイツ以外の国から来ていました。私も卒業してから少し経ち、このテーマに関して質問を受けることがあったので、当時のことを振り返りながら色々書いていきたいと思います。 


1ドイツ語を勉強する
2大学について調べる
3ポートフォリオを作る


1 ドイツ語を勉強する

初めからドイツ語に馴染みがある人はそう多くないと思うので、その場合まずは近くの本屋さんで基礎ドイツ語の参考書を買って自分で勉強してみて下さい。大判でカラフルでイラストがたくさん描いてある本がおすすめです。いきなり文法だけがつらつらと書かれた本を選んで、途中で飽きてしまうといけないので。
それと別に単語帳も買って毎日ひたすら暗記して下さい。少しドイツ語に慣れたらラジオを聞くのもいいです。私は Easy German というラジオを毎日聞いていました。

完全に独学でもいいのですが、私は少しの間学校に通いました。ドイツ語学校に通い始めて少しは話せるようになったら、言語交換パートナーを見つけて週に何度か会うことを強くお勧めします。私はこれで飛躍的に会話力が伸びました。


2 大学について調べる

ドイツの大学で何を学びたいかある程度決めたら、Googleで「 Germany art university 」など入力して調べてみます。多くの大学のサイトはドイツ語で書かれているため初めは圧倒されるかと思いますが、そのうちスラスラ読めるようになるのでめげずに翻訳機を使います。

有名所で言えば、ベルリンやミュンヘン、ハンブルク、デュッセルドルフなどの美大でしょうか。大学の規模は様々で、それぞれ良い点悪い点があります。地方の美大は学生数が少ない為、必然的に担当教授との関係が近くなり、よく指導して貰える一方で、有名なギャラリーなどは町になく面白いイベントも少ないです。娯楽が少ないということは、それだけ自分の作品作りに集中出来るということなので、ストイックな方におすすめです。また、地方の町は家賃が安く、大学の学生たちもすれておらず大抵優しいです。都心の有名な美大はその逆です。


それに関して有名な話があります。ベルリン芸大にはかつて、あの有名なアイウェイウェイが教えるクラスがありました。アイウェイウェイがベルリン芸大の教授に着任したとき、学生たちは、彼に直接指導して貰えると喜び勇んでクラスに申請したものの、蓋を開けてみれば彼は多くて月に一、二度しか大学に来ず、残りの日は彼の助手が学生たちの作品を指導していたという話です。
私はベルリン芸大を卒業したので、周辺環境を加味して都会の有名大学を勧めますが、ベルリン芸大が特にいい大学だとは思っていません。その話は今後別の記事でしたいと思います。


3 ポートフォリオを作る

  ドイツの美大入試の流れとしては、出願→ポートフォリオ提出→実技試験→面接となります。出願した書類に不備がなければその後ポートフォリオを送りますが、このポートフォリオが最も重要です。ポートフォリオの形式は日本と比べてかなり自由ですが、しっかり募集要項を確認して下さい。私は彫刻・インスタレーションクラス志望だったので、画用紙に描いた水彩画4,5枚と、今までに制作したインスタレーション25個の写真に、それぞれドイツ語の解説の紙をまとめたファイルと、パフォーマンスのUSBデータ、ステートメント、そしてアイデアブックを送りました。アイデアブック(落書き帳)はかなり重要視され、その人がどんなことを考えて作品を作っているのかの過程が分かるものなので、絶対に入れた方がいいと思います。こちらの美大では作品作りの過程に非常に注目し、またそれを言葉で長々と説明出来ることが求められます


次回はドイツの美大に合格する確率をグッと上げる裏技のようなものについて書きたいと思います。


ありがとうございます。もっと記事を書きます。