彼女は夢で踊る

相方さんと出会ってストリップ劇場へ行く機会ができました。
ストリップ劇場の存在は知っていましたし、昔は中洲にもありました。
今、福岡、九州に現存しているのは北九州のA級小倉のみとなりました。

A級小倉もコロナ禍の折、オーナーのお母さんの体調が思わしくなく、閉館するという流れでしたが、後継者が見付かり存続できることになりました。
西日本新聞でも残したい文化として沢山取り上げてくださっていました。

ストリップ劇場は現存するところ以外、今後は増えません。
建物が老朽化し取り壊されたら、法律上新しく建てることができないのです。

時代の流れと共に閉館するストリップ劇場
それを映画化した「彼女は夢で踊る」
実在した広島の第一劇場を舞台に踊り子と劇場のオーナーの想いを描いた作品

公式サイトはこちら
http://dancingdreams.jp/

※ネタバレを含みます!ご注意下さい。

第一劇場の社長木下慎太郎とストリップ劇場の社長になる理由となった踊り子サラ、二人の過去と社長の現在が交錯しながら進むストーリー。

踊り子はなぜ踊るのか
慎太郎君(現社長)は、なぜストリップに心を奪われたのか

閉館することを決めたのになんとか存続できる道はないのかともがく社長。
どうにもできない時代の流れに飲み込まれ、翻弄されながらも自分の心の奥底に眠っていた気持ちに気が付く。

取り巻く人々のそれぞれの想いも二人の想いに絡みつつ

踊り子サラが「私は誰からも必要とされていない」と言った言葉には踊り子としての存在価値、承認欲求そして自己肯定感が詰まっていました。

大詰めで幻のサラが慎太郎に言う
「あなたは私のことが好きだったんじゃない。あなたはこの場所が好きなのよ。」

その時に気が付く、社長の本当の気持ちと想い

サラは慎太郎の失恋の傷心を救ってくれた大切な人
「テキーラで胸が燃えるのは昔の恋を燃やしているからよ」

サラと出逢ったことでストリップを知る
サラに出逢わなかったら彼は普通のサラリーマンで終わっていたはず

サラを通して見る踊り子たちの想い

ステージに立つ前のサラが階段の壁に残したキスマーク
そして引き継がれたように沢山の踊り子たちが残して
いったキスマーク

社長が劇場を残したかったのは、踊り子たちが帰ってくる場所だったからじゃないかと思う。

劇場を後にする人びとは「またね」と言う。
「また帰ってくるからね」そんなふうに聞こえる。

彼女たちの輝ける場所
存在意義を与えてくれる
手を広げて迎え入れてくれる劇場

だからこそ、ここを守りたかったんだと感じました。

続けたい理由が分からなかった社長の想い。
サラが帰ってくる場所を残したい
踊り子が帰ってくる場所
みんなで日常を過ごした大切な場所
その場所を残したかったんだ。
ただ好きだけではない情熱と純粋な気持ちに涙が止まらない。
書きながら、今も涙が止まらないんです。
何度でも観たい、本当に素敵な映画でした。

ストリップと聞くと卑猥で猥褻なものだと思われるかもしれません。

1回のショーは約20分
1日3回~4回
1劇場10日間の興行

身体を鍛えていても壊してしまうくらい、それくらいハードなお仕事です。

演目も飽きさせないように、新しい物や時事ネタを取り入れる。

それぞれの踊り子さんたちは自分の個性を活かしたショーを作り上げている、素晴らしいエンターテイメントです。

昔と違い、ストリップ劇場は女性一人でも行けるくらい治安は良いです。

色んな方にこの映画を観て欲しいです。
そしてストリップ劇場に少しでも興味がでたら一度足を運んでみてください。

きっと思っていたモノと違う何かが見えると思います。

ストリップ劇場を文化として残したい。
少しでも協力できたらと思います。





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