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分譲マンションを賃貸するには?~初めての方向け 収支計画の立て方解説~
「リフォームにいくらかかるか」
「収入はいくら見込めそうか」
「何年で元手を回収できそうか」
初めて持ち家(マンション)を賃貸に出す場合、最も気になることは、これらの「お金」に関する部分かと思います。
そこで賃貸経営を金銭的に見積もることで収益のシミュレーションができるよう、収支計画の立て方を解説していきます。あとから、こんなはずじゃなかったとならないよう、正確な収支計画を立てていきましょう。
❶資金計画
チェックポイント
□ リフォーム費用「現金」or「ローン」
□ 住宅ローン残高の有無
□ 月額返済額の計算
資金計画として、最初に「リフォームにいくらかかるのか」、また支払いは「現金」か「借入」をするのかを検討していきます。
借入の場合は、返済額と収支のバランスやご希望のローン商品が投資用物件のリフォームにも利用できるかどうかも確認しましょう。
返済計画では既住宅ローンの残高・返済額も忘れずに計算に入れましょう。
賃貸することによって、住宅ローン金利や返済額は変わる可能性もありますので、事前に金融機関へ確認しておくといいかもしれません。
シミュレーション条件①
・福岡市内、築20年、3LDKの分譲マンション
・査定賃料:家賃 15万円、駐車料 1万円
・リフォーム見積り:60万円(現金支払い)
・住宅ローン残高1,000万円(月額返済額8万円)
続いて、収支の内訳・金額を確認し、資金計画と収支計画のバランスを見ていきます。
❷収支内訳の確認
チェックポイント
□ 「家賃収入」と「入居関連費用」の確認
□ 「ランニングコスト」の確認
ここでは、家賃収入の部分に目が行きがちですが、借り手が決まった時に発生する「入居関連費用」についても把握しましょう。
礼金等は「収入」、仲介業者へ支払う広告手数料は「支出」になります。特にリフォーム費用を借り手からの敷金礼金での回収を検討していると、広告手数料の支出で思わぬマイナスになりかねませんのでご注意ください。
「ランニングコスト」にも注意が必要です。
分譲マンションには管理費・修繕積立金等の所有者が支払わなければならない費用が発生します。正確な収支計画を立てるために、毎月発生するコスト、年に1度発生するコストを全て洗い出しておきましょう。
シミュレーション条件②
家賃収入
・査定賃料:家賃 15万円、駐車料 1万円
入居関連費
・礼金30万円、広告手数料▲15万円
ランニングコスト
・ローン返済額:▲8万円/月
・管理費、修繕積立金:▲2万円/月
・駐車料:▲1万円/月
・賃貸管理手数料:▲8,000円/月
・固定資産税、都市計画税:▲15万円/年
・火災保険料:▲1万5,000円/年
※支出は▲の表示しています。
❸収支シミュレーション
チェックポイント
□ 「月間収支」
□ 「年間収支」1年目・2年以降
□ リスクに備え、現金を積み立てる
それでは、実際に「月間収支」と「年間収支」をシミュレーションしていきましょう。
ここでポイントとしては、設備故障リスク*や次回の空室リスクに備えた準備金の積み立てもシミュレーションしておくことです。この積み立てが安定した賃貸経営につながります。
*物件の設備修繕等は貸主(所有者)の負担。
シミュレーション結果
・月間収支:4万2,000円
・年間収支:1年目48万9,000円、2年目以降33万9,000円
リスクに備える準備金の例
・設備の修繕・リフォーム費用:30万円
・空室期間の借入金返済・諸経費支払(2ヵ月分):23万6,000円
考察
・1年目の収益48万9,000円はリスクに備え貯蓄しておくのが無難です。なるべく早期に貯蓄を済ませ、想定外の出費に備えましょう。
・2年目以降~退去までの年間33万9,000円が実収益となります。
・リフォーム費用等の元手の回収に必要な期間も忘れずに検討してください。福岡のファミリー物件の平均入居期間は約5年と言われています。借り手の入居期間内に元手の回収ができるよう、リフォーム内容や家賃設定を逆算で再検討することも大切です。
◆住宅ローンの借入がない場合◆
今回と同条件で、仮に住宅ローンの借入がないとすると、年間収益が120万円以上となります。『相続』等で借入のないマンションを取得した場合は、特に賃貸での運用を考えてもいいかもしれません。
そのほか、所得税等の税引き後の実際のキャッシュフロー(現金手残り)や「減価償却費」等を利用した節税効果なども余裕があれば計算しておくよいでしょう。
今回は収支計画の立て方を解説してきましたが、収支計画はあくまでもシミュレーションです。住み替え、買い替え、転勤、相続など不動産を賃貸する理由は各所有者様の置かれている環境や背景によってさまざまです。現在置かれている状況やご事情に合わせて、都度、柔軟に収支計画を組み直していくことが重要です。