フォロワーシップを意識する
フォロワーシップという言葉がある。
よくリーダーシップと比べられるような言葉であるが、僕はフォロワーシップという言葉が好きで、割と意識している。
しかし、それゆえにデメリットのようなものも感じているので、それについて書こうと思う。
フォロワーシップとは
リーダーシップと比べた時に見ると、端的に言えば「右腕」のような存在。
しかし、右腕となると一人だけなのかって思われるかもしれないが、メンバー全員が右腕になるような意識を持つことをイメージしてもらうといいかもしれない。
リーダーへのサポート
問題解決への積極的な貢献
組織の効率性を高める
などなどを考えて行動することがフォロワーシップの意識付けの一歩となる。
これは、誰でも始めることができ、誰でもどのタイミングからでも始められるのが利点だと思っている。
リーダーシップというのは、ある決められたミッションに向けて、チームをリードするという役割がある一方、フォロワーシップは何か特定のミッションがある訳ではない。
その時その時の状況に合わせて、その状況に対するミッションを短期的に解決していくことが求められる。
そして、決して自分がリーダーではないということなので、周りをよく見るスキルも必要とされる。
フォロワーの種類
フォロワーには五つのフォロワーが存在していて、それぞれがそれぞれの意味合いを持つ。
模範的フォロワー
リーダーの方針を正しいと判断した場合には積極的に取り組む
孤立型フォロワー
積極性に欠けるが、鋭い批判力を持ち、組織の問題点を指摘する
順応型フォロワー
リーダーに順応であり、定められた業務を推進していく力がある
消極的フォロワー
批判も積極性も低く、モチベーションを向上させるためのアプローチを必要とする
実務型フォロワー
中立的なフォロワー。業務範囲のことは的確にこなし成果を上げることができるが、業務範囲となると関心を持たなくなる
フォロワーシップを持った仕事について
上記フォロワーの中でも、特にフォロワーシップとして必要なものは
模範的フォロワー
順応型フォロワー
になってくるだろう。
基本的に、フォロワーはプロジェクトの中で自分が主体になることはない。
主体になるのであれば、それはリーダーになり、自分の意識を変える必要がある。
では、フォロワーシップは何をするか。
まず、意識すべきはリーダーを立たせるということ。
つまり、リーダーが「これをやる」という目標を立てたら、それに対してより具体化するための建設的な批判を行い、方針が固まれば一生懸命な取り組みを行うのである。
それを行うにあたり、自分自身の中で主体性を持たせる必要がある。
なんだ、そんなことか
と思った人もいるかもしれない。
たしかに、言葉にすると簡単そうに見えるし、一般的によく言われるような綺麗事に聞こえるかもしれない。
しかし、これは結構難しい。
一般的な批判とは違い、独自の視点を持って、多角面からの批判ができないといけない上に、それによってリーダーの意見が変わったら柔軟に対応を変化させていく必要があるからだ。
必要なスキル
一般的な批判と違うというのはどういうことか
批判するためにもスキルが必要なる点が異なる。
一般的な批判というのは感情のままに批判をすることだろう。
しかし、ここでの批判というのは、どういったことが考えられて、どういったことをしなくてはいけないかといった将来に向けての意見を、リーダーとは違う視点で見れるスキルが必要となる。
もしかしたら、リーダーは最短距離でそのミッションをクリアしたいとある方法を提示したとする。
しかし、なぜ最短距離でなくてはいけないのか、その手段は本当に目的達成のための最短なのか(急がば回れという言葉もある)、最短にするためにはどういう材料を必要としそれは今足りているのか。
技術的な見方だけでなく、それこそチームのメンバーのこと、もう少し目線を広げて組織的なところ、お金のこと、顧客のこと。
それらを全て総合的に見て考える必要がある。
当然、自分には足りないところも出てくるだろう。
リーダーの方が視野を広く求められる場合が多くあり、フォロワーとなる人は業務上、必然的に視野が狭くなるので、どうしても視野を狭めるしかなくなってしまうからだ。
しかし、その中でも主体性を持って、多角的に見るという意識があれば、リーダーが見落としているであろう観点を突くことができる。
そのためにも、多角的に見るというスキルが求められる。
デメリット
これは完全に個人的な感想であり、特にこれがあるからどうだというものでもないのだが、やはりリーダーシップと比べた時のデメリットも感じることが多い。
ざっくりと以下に挙げてみる。
プロジェクトに対する主体性が持てないので動きにくい(人によってはストレスに感じることもあるだろう)
なかなか人から評価されるようなポジションではない
具体的なスキル向上の方法がある訳ではないので、スキルとして何をすれば身につくのかが分かりにくい
モチベーションが保ちにくい(上記の理由から、続けていくことが難しい)
こういったデメリットや苦労は、僕も常に感じていて、将来EMなどになった暁には、上記に真摯に向き合うフォロワーにも目を向けられるような人になりたいと思っている。
しかし、リーダーシップと同様、求められるスキルの共通項としてどうしても「コミュニケーション」というのは欠かせないものになる。
これは誰でもいつでも意識することは始めることができるので、もしフォロワーシップを発揮するとしても、リーダーシップが必要となるとしても、どちらに対しても価値をつけやすいところになるだろう。