天覧競馬で思い出すミルコ・デムーロ
今年秋の天皇賞は、久方ぶりに天覧競馬となることがわかったそうだ。
ここでも印象的に使用されているこの写真が11年前ということにも驚くのだが、もちろんこの頃の天皇さまは、現上皇さまであるということにも時代の流れを感じるのである。
しかし、この最敬礼にはいたく感動した記憶がある。
さて、これで思い出したことというのは、以下の内容である。
競馬については、競馬法(特に今回は競馬法制定100周年を記念してのことだそうだ)に規定されているが、その細則は「日本中央競馬会法」によって定められ、更に「~施行令」「~施行規則」「~施行規程」によって定められている。
その中、日本中央競馬会競馬施行規約 第120条は以下の通りである。
(後検量)
第120条 到達順位が第7位までの馬の騎手及び特に裁決委員が指定した馬の騎手は、当該競走終了後、直ちに負担重量の後検量を受けなければならない。
2 前項の規定により負担重量の後検量を受けなければならない騎手は、騎乗したままで検量所に行き、馬場取締委員の命ずるところに従って下馬しなければならない。
3 馬の負傷、疾病その他やむを得ない事由により、騎乗したままで検量所に行くことができないときは、馬場取締委員の許可を受けて、下馬して検量所に行くことができる。
4 騎手が死亡したときその他やむを得ない事由により検量を受けることができないと裁決委員が認めたときは、第1項の後検量は、省略する。
5 第98条の規定は、後検量について準用する。
cf)
(前検量)
第98条 前検量は、騎手及び当該騎手の装具(むち及び帽を除く。次条第3項において同じ。) 並びに鞍(付属具、鞍下毛布、ゼッケン(番号ゼッケンを除く。)を含む。以下同じ。)の重量を総計したものを計量して行わなければならない。
つまり、これに照らせばミルコ・デムーロ氏の行為は、当然審議対象となるわけである。
事実、過去のインタビューでこのように発言している。
--その後、裁決にも…。
めっちゃ怒られた!「ミルコ! ルール知ってますか!? 下馬ダメ!」って。「知ってましたけど、今日は特別だと思ってしまいました…」って言ったら、「ダメ!!!」って(苦笑)。
でも、いい思い出です。天皇陛下の前で勝てるなんてなかなかない。ホントに忘れられない日ですね。
ここでいう決裁とは、決裁委員のことで、競馬の着順など公正に係る事務を行う人のことである。
日本でそもそも賭け事は禁止であるが、そこで競馬法という法律を作り、これを許し、公平公正であることを担保した上で、行われることであるためであろう。
(これは、運転免許などの免許も同様である、免許を携帯することでそもそも禁止事項であることを許すという観点では同様である)
ただし、実際にこれが審議対象となったということが示されているのは、調べた限り以下のニュースだけであった。
いずれにせよ、これが不問になったことはケチがつかないという点でも良いことであろう。関係者は安堵したに違いない。
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