今日の私に至るまでに

ASIAN KUNG-FU GENERATION。

社会人になってから、仕事のことで思い悩んでくさくさしていた時期。そんな私を見かねて、会社の先輩がアジカンのライブに誘ってくれた。

はじめての生の音楽に衝撃を受けた。
体に電気が走る、みたいな感動があった。
両手を振り上げ、一緒に歌い、そこそこ泣いた。
2時間過ぎた頃、腐った気持ちなんてどこかに吹き飛んでいた。
その後様々なライブやらフェスやらに足を運ぶようになる、人生の分岐点とも言える出来事だった 。

そして今日。
またその先輩に誘われて、恵比寿はLIQUIDROOMへ。
ブランクありまくりのアジカン。準備不足の自覚しかない。

でも音が鳴り出せば、体の内側に染み込んだ音楽が、いとも簡単に共鳴しだした。
よくよく知った曲だ。リズムだ。何度も繰り返し聴いてきた。
あの頃、この歌詞に救われた。
あの時、この音に震えた場所が心の在りかだと知った。
ぽろぽろとあふれだす過去の記憶と、今現在の私が受けとる、初めましてのような感激の連続に、視界がチカチカして、楽しくて楽しくて大笑いして、やっぱり少し泣いた。

一度、ライブのお誘いを断っていた。
父のことがあって、その頃東京にいるかどうか先が読めなかったから。
先輩は、そういうときこそ先に楽しみを持つことが大事だ、と言ってくれた。ダメになったら断ってくれていいからと。すみっこにしゃがみこんだような私を、するりとひっぱりあげてくれた。

このひと、そういうところがある。
私の人生で重要な指針を示してくれる、パワーのあるひと。
今の会社に勤めて良かったなと思う出来事の、ダントツ第1位だったりする。

ほんとうにありがとございます。