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海外獣医学部の留学費用

エストニアに留学する上で最大のメリットになるのが、英語で授業を受けられる獣医学部の中でも学費が低い方であることだ。

エストニアの獣医学部の2023年度の学費は9400ユーロ=約150万(1ユーロ158円換算)となっており、まだ支払えなくもない金額だ。生活費もそこまで高くなく、寮に住めば一人部屋だと光熱費込みで日本円にすると4万ほど、消耗品と食料で月2-3万に抑えられる。合計すれば一年で220万程度になるが、私は学費の大半はJASSOの貸与奨学金(という名のローン)で支払っているので、家族の負担は日本で国立大に進学して一人暮らしするのと同程度になっている。六年間であることを考えると学費と生活費込みで220×6=1320万円、現時点では日本の国立よりは高いが私立よりは安いと言えるのではないだろうか。無事卒業してうまく賃金の高い国で就職することができれば2年ほどで元がとれることだし…。

しかし、1320万用意すれば確実に足りるという保証はできない。値上がりが存在するからだ。私が一年生の時は年間の学費が8400ユーロ(ユーロ135円くらいだったので110万ほど)、家賃2万に食費1万弱で済んでいた。ウクライナ侵攻の後生活費がほぼ二倍に上がった上にとんでもない円安が直撃し、留学費用が6年の間に1.5倍に跳ね上がってしまったので、在学中にある程度費用が値上がりしてしまう可能性があるのは考慮しておいた方がいい。ただエストニアは毎年学費が数万ずつ上がっていく仕様になっているが、国によっては初年度の学費で六年間固定になる学校もあるようなので心配ならそういった大学を選ぶのも手かもしれない。学費が固定かどうかはホームページに記載がないことが多いので、予め大学にメールを送って聞いてみるといいかもしれない。

他国の獣医学部の学費についても知っている限りで書いていく。

日本ではまず留学というとアメリカ、オーストラリアなんかをメインとした英語圏を思い浮かべる人が多い。留学生に人気のある英語圏の大学で医療系の学部に入ろうとすると、高額な授業料を支払わないといけない。例えばイギリスで有名なRoyal Veterinary Collegeだと一年間ほ のファウンデーションコースの学費+年間41500ポンド(現在のレートで760万円)の学費+非常に物価が高いロンドンでの生活費6年分となり、日本の一般家庭の収入では絶対に支払えない金額になっている(ちなみにイギリス人の学費は留学生の4分の1程度)。オーストラリアやニュージーランドも似たようなもので、アメリカでは理系学部で4年+獣医学4年の計8年。留学先を決めようとしていた時に現地に行っていい成績を収めたら奨学金がもらえる、なんて甘い話をする人もいたがただでさえ語学のハンデがあるのに優秀な現地学生との競争に勝って奨学金をもらうのは至難の業である。ちなみに私が調べていた6年前はRVCの学費は5-600万程度だった記憶があるので、ここでも円安や国際情勢によって値上がりしているのが分かる。

非英語圏の国でありながら英語で学べる獣医学部、というのはここ数年でじわじわと数が増えており、最近ではリトアニア、ラトビア、チェコ、ハンガリーなどの名前を聞く。軽く調べた所、2023年時点でチェコが年間7600€、ラトビアが8,000€, リトアニアが1-3年が8,300€で4-6年が9,700€、ハンガリーが12,480€となっている。国名+vetmed+tuition feeで検索すると割と簡単に見つかるので、興味がある人は調べてみて欲しい。国ごとに学費以外にもメリット、デメリットや特色があるので、獣医学部の選び方についてはまた別の記事を書こうと思う。


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