fripSide 20th Anniversary Festival 2023 -All Phases Assembled- supported by animelo 感想記事
この記事は、fripSideのライブに1回も参加したことがなく、2期3期さえもろくに追わず、ただ、1期が、それも大して聴けていない、でもfripSideが大好きで仕方がない初心者のオタクが、ライブを振り返りながら書きます。そのため、大いに不正確な点がありますが、ご了承ください。
わたしは、fripSideが大好きだ。とくに、spiral of despair,save me again,hurting heart,Red -reduction division-,before dawn daybreak,magicaride,libration crisis,the chaostic world,crescendo,escape,Bright Days,fortuna on the Sixteenth nightがすきだ。
fripSideのことをよく知らない方には、意味わからない単語の羅列だろう。解説すると、fripSideの1期がすきなのだ。(fripSideには1期/2期/3期があり、それぞれボーカルが違う。今は3期が現役である。)
今回のライブは、すべての期が集結する20周年ライブだった。ほんとうに、わたしは涙が出るほど、このライブに参加したくて仕方がなかったのである。
しかし、チケットの抽選に外れた。膝から崩れ落ち、悲嘆に暮れる日々を送っていた。
ところが、である。本番の数日前に、2期ボーカルである南條愛乃さんが、コロナウイルスに罹ってしまう。ライブは中止となり、再抽選が行われる。
わたしはこのチャンスを逃すまいと、ファンクラブに加盟した。(これまで加盟していなくて、ごめんなさい。)2回目のチャンスは、無事当選となった。
来る日も来る日も「その日」を待ち続けたのである。歓喜はそれだけひとしおであった。
そうこうしているうちに、数日前になった。神妙な顔をして、コンビニでチケットを発券した。
前日の夜、わたしは全く寝られなかった。あまりの興奮に、である。小学生のように、眠れなかった。曲を聴きまくり、テンションを上げて、「予習」をしていた。わたしは普段、好きな曲しか聴かないので、知らない曲が多く、再発見も多かった。やっぱりfripSideは最高だ!そう確信して、なんとか眠りについた。
翌朝。わたしはオタクではないよう最大限に考慮した服を着て、ばちばちに髪を整えて、90キロ先の果てにある会場へ向け、出陣した。
ぴあアリーナMMは遠かった。なにせ、わたしが住む街はつくば市で、アリーナはみなとみらいである。往復5時間。そんなの痛くも痒くもなかったけど。
たっぷりの軍資金を携えて、高鳴る鼓動を抑えながら電車に乗った。
横浜に着く。見たこともない景色が広がっていたが、そんなものは無視して会場に赴く。
会場に近づくにつれ、なぜか「オレンジ」の服を着た人が目立つようになった。わたしはその度に、にやにやとしながら、歩き続けた。
途中、喫煙所に立ち寄り、仰天する。喫煙所のあった商業施設に、オレンジの集団が、異彩を放っていたのであった。心強さを感じるとともに、その異質さには参った。喫煙所にいたおじさんに話しかけて、ライブの注意点を聞き取り、物販に並んだのであった。
fripSideのファン層はおじさんばかりだと思っていた。しかしながら、想像以上に、女性も若者もいて、安心した。わたしの服が心配になったが、見返せば見返すほど、オレンジ色のネクタイが輝いていたのであった。
物販の列は長く退屈であったが、心は高まり続けていた。労働で稼いだ3万円をすべて捧げ、大量のグッズを買い漁った。至福の時が、永遠に押し寄せてくる。感動の1日は、これでもまだ終わっていないのであった。
やはり、好きな人にお金を貢ぐのは、よい。そう確信した。そのせいで、今も金欠なのだが、そんなこと、どうでもよい。好きだから、ね。
その後、入場待機列に並び、いよいよ席に着く。初めて来たライブ会場は、当然のことながら熱気に包まれていた。いよいよかと思い、少し切なくなった。終わってほしくないと、心から願ってしまった。
17時になった。fripSideだな〜と思わせるサウンドで、ライブは開始された。
初っ端、hurting heartのピアノアレンジが流れる。わたしはこの時点で、勝利を確信する。あまりにも、"理解"っていた、からである。
そして、神がこの世に降臨なさる。naoさん(なおすん)であった。わたしは、もう、死んでもいいと思った。隣のジジイも、お兄さんも、どうでもよかった。ただ、この目に映っている事実が、至上の幸福であった。望んだものが、いまここにある、それだけでよかった。
そんな感嘆に浸りながら、数曲こなす。わからないなりにペンライトを振っていたその時、忘れるはずもないギターの音が聴こえた。そう、紛れもなく、spiral of despairの、あのイントロであった。
わたしはこの曲が、世界でいちばん好きだ。
その曲が、ライブで、生で、ほんとうに、流れてしまったのである。涙が目に溜まり、溢れそうになった。ただ立ち尽くし、呆然とした。ほんとうに、披露されるなんて、思ってもいなかったからだ。
spiral of despairは、PCゲーム「痴漢専用車両」の主題歌である。この時点で、すでにまずい。加えて、2期3期でカバーもされていない。(spiral of despairは1期曲である。1期の曲は、ある程度だが、2期3期でカバーされている。)わたしはこの曲が好きで仕方がないが、ライブでは聴けないだろうと諦めていた。それが、なんと、聴けてしまったのである。
いまも、書いていて、涙が止まらない。感動が、今でも思い出せる。衝撃だった。
立ち尽くしているうちに、spiral of despairが、通り過ぎていった。
ボルテージが最高潮に上がっている中、次の名曲が押し寄せてきた。save me againであった。わたしはこの曲も好きで、もう、絶頂が、止まるところを知らなかった。とにかく、幸せの最頂点にあった。fripSideも20周年だし、わたしも20歳。全てが完璧だった。勝利を掴んでいた。
そのあとは、naoさんのMCを聴き、感嘆に暮れた。人生でもっとも、確実に、しあわせな数時間だった。
Red -reduction division-では真っ赤なペンライトを振り回した。もう、時が、過ぎていく感覚さえもなかった。わたしが、世界でいちばん幸せな人間だと、そう確信できた。
そのあとは、もう、覚えていない。
セットリストを確認しながら振り返る。なおすんのあとは、angelaさんとのコラボがあり、3期の曲を聴いた。Dancer Performance Time(要するに休憩時間のことである。)に流れたspiral of despair -resurrection-に驚愕したりした。そのあとはまさかの!ほんとうにまさか!fripSide NAO project!が歌われ、これもまた大興奮で迎えた。
そのあとは2期曲が流れ、最後は1期2期3期で大合唱をして、アンコールを迎えた。
たったの4時間だった。もちろん、ペンライトを振って、ジャンプしまくる身体は疲れ切っていたけれども。
ほんとうに終わって、会場の照明がついてしまう。この瞬間、死よりも悲しい感情が押し寄せてくるとともに、極上の快楽が流れ込んできて、しばらく立てなかった。
嫌々ながら会場を後にする。「家に帰るまでがfripSideのライブだから!」家に帰り、カバンいっぱいのfripSideの匂いに包まれ、頭がぐしゃぐしゃになる。
いまでも、思い出すたびに、情熱が止まらない。
好きって、しあわせだし、うつくしい。
次になおすんを聴けるまで、生きていたいと、そう願った。
ああ、何度でも言おう。fripSideは最高だ!いつまでも!(3264字)