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#イールの千字百本ノック 24日目 潜在犯矯正施設

 冒頭に宣伝を。YouTubeチャンネルを始めました。ご視聴とチャンネル登録・拡散をぜひよろしくお願いします。下記に、記念すべき初動画を載せています。

 昨年のハロウィンの時に、渋谷で「ジョーカー」の仮装をしました。その時に撮った映像です。

 話は大きく変わります。わたしは今、潜在犯がセラピーと投薬を受ける矯正施設に来ています。ここでは、潜在犯の病質を抑える薬が投与され、医師によるメンタルケアが受けられます。

 わたしは、コンサータ、いわゆる弱い覚醒剤を服用し、社会への復帰を目指しています。ですが、その覚醒剤も効果は薄く、今日もしっかりと予約時間に10分遅れて施設に到着しました。メンタルケアの順番待ち時間に、この囚人日記を書いています。

 現代社会における潜在犯の増加は大きな社会問題になっています。施設の駐車場はいつも満車寸前で、駐車にさえも難儀する次第です。もちろん予約、とくに初診には多大なる待ち時間が発生します。比較的混雑していないと評判の施設であっても、初診は2週間待ちです。口コミの良い施設にもなると、1ヶ月、ひどい場合は半年待つことさえも要求されます。その間に自ら死を選ぶ潜在犯もいることでしょう。もっとも、社会にとっては、潜在犯が死を選び、自発的にこの世を去ってくれるほどありがたいことはないのです。この矛盾こそが犯罪係数やシビュラシステムのおそろしいところです。

 わたしが通う施設は、分院や別院を持つ大型の矯正施設です。それゆえに、きわめて事務的で、それでいて丁寧な受付と、医師によるカップヌードル・メンタルケア(3分診療)が提供されます。

 診療はじつに雑多なもので、さながら潜在犯を矯正する工場のように、スピーカーから名前を呼ばれ、3分で診察室を回転寿司していきます。

 より丁寧なメンタルケア、専門の資格を有するセラピストによる矯正治療には、別途で金銭を請求されます。その割には効果が出ないことを、わたしは前通院していた矯正施設で思い知ったのです。それ以来、薬剤による治療を選択しましたが、薬剤もさしたる効果はありません。どちらも気休めにしかならないのです。「病は気から」という格言が響きます。

 今日のレシピは、エビリファイ1mg+ミルタザピン15mg+コンサータ36mg+ルネスタ2mgでした。もっとも欲しかったのはコンサータで、これだけをもらいにきているようなものなのです。これ以外の薬は、プラセボのようなものなのでした。

 終わりのない矯正の日々が続きます。いつか、この施設を出られる日を夢見て、今日もまた眠れない夜を過ごすのでした。(1079字)

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