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物上げのチラシを見ても助平心を出してはいけない

漫画『正直不動産』は不動産屋の裏側を描く。

不動産取引のからくりや不動産業界の悪習を知ることができる。


今回のテーマは『物上げ』。


大オーナーのマダムが賃貸物件の管理契約を打ち切りたいと言い出した。

その物件を売るつもりで他の不動産屋と専属専任媒介契約を結んだらしい。

永瀬と月下はマダムのもとへ向かう。

物上げって不動産用語で、まだ売り物ではない土地や建物の持ち主を口説き落として、売り物件として仕入れることですよね?

正直不動産

物上げとは押し売りならぬ押し買いのこと。

もちろん、物上げってのは成約までの難易度が高い。

だが、その分利益率が高く、旨味がある。(中略)

そもそも売り主が売るつもりのなかった物件なんだから、ライバルはいないし、両手取引になる可能性が限りなく高い。

正直不動産

売主をその気にさせて専任媒介契約か専属専任媒介契約を結ぶ。

レインズに登録して他の不動産屋から照会があっても嘘をついて断る。

これが囲い込み。

その間に自分で買主を見つけて売主と買主の両者から仲介手数料を得る。

これが両手取引。

こうして不動産屋は2倍の仲介手数料を狙う。


チラシやDMを撒くのが物上げの初動。

物上げのチラシ

最近、こんなチラシが投函される。

高値でも買いたい買主がいるかのように思わせる文面だ。

しかし、家を探している買主なんていやしない。

不動産屋が売り物件を漁っているだけ。


それを知らずに高値で売れるかもと助平心を出してはいけない。

高齢者に強引に契約を迫り、安価で住宅を売却させたり、自宅を売却した後に、家賃を払って自宅に住み続けられる、いわゆるリースバックの契約を強引にさせたりする。(中略)

気弱なオーナーが長時間軟禁状態で説得され、持ち家を売ってしまったなんて話だって聞く。

正直不動産

怖い思いをして持ち家を買い叩かれるのが落ちだ。


基本的に、不動産は相場価格で売買するもの。

相場より高値で売れるなんて話には裏があるとしか思えない。

相場より安値で買えるなんて話も然り。

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