漫画『正直不動産』は不動産屋の裏側を描く。
不動産取引のからくりや不動産業界の悪習を知ることができる。
今回のテーマは『定期借家契約』。
アパートの借主が登坂不動産に電話をかけてきた。
定期借家住宅契約終了のお知らせが届いたと不平を鳴らす。
永瀬が諭すように言う。
借主は絶対に退去しないと怒鳴る。
永瀬と月下が借主のもとに赴く。
借主はいきり立つ。
正直営業の永瀬がまたもや口を滑らす。
果たして退去してくれるのか…
定期借家契約は貸主に有利。
では、借主にとってメリットがあるのか?
高品質物件の家賃が安いことが多い。
先日、タクシーの運転手から聞いた話を思い出す。
「今住むマンションは二重窓なので外の騒音や隣室の物音も聞こえない。
もともと大企業の社宅だったので造りがしっかりしている。
そのマンションは定期借家だったので家賃が安かった。
建て直す予定だったがその後白紙になった。
今でも安い家賃のまま住み続けている。」
まさに定期借家契約の好例。
そこに住み続けられるとはなんて幸運なのだろうか。
最近は定期借家契約のあり方に変化があるようだ。
定期借家契約の中には再契約を前提とする物件もある。
この場合、家賃は高い傾向にある。
定期借家契約と言っても一概に同じではない。
終了型は家賃が安いが期間が満了したら退去しなければいけない。
再契約型は高品質物件に長く住めるが家賃は高め。
借主の目的に合致するならば定期借家契約も選択肢の一つだろう。