Winnyを開発した金子氏の遺志は今も受け継がれている
映画『Winny』
2ちゃんねるでファイル共有ソフトの開発を宣言する。
電動ベッドに横たわりながらプログラミングを続ける。
1か月ほどでP2Pを利用したソフトを作り出し公開する。
それがWinny。
匿名性と効率性の高さで注目を集めて利用者が急増する。
匿名性の高さを逆手に取って違法なアップロードも急増する。
2003年11月、Winny利用者2人が著作権法違反の容疑で逮捕される。
2004年5月、ソフトウェア開発者が著作権法違反幇助の容疑で逮捕される。
それが金子氏。
警察による人質司法、裁判での証人尋問へと物語は盛り上がる。
弁護団は証人尋問で人質司法を暴いたかに見えた。
2006年12月、一審で罰金150万円の有罪判決を受ける。
罰金の多寡なんて問題ではない。
ソフトウェア開発者が有罪になってしまったことが大問題。
金子氏と弁護団は戦い続ける決意をする。
2009年10月、二審で無罪判決を勝ち取る。
2011年12月、三審で検察の上告を棄却して無罪が確定する。
金子氏に著作権法違反を幇助する意図はなかった。
金子氏は将来重要になる技術を研究するためにWinnyを開発したと語る。
その研究のためには多くの参加者が必要。
それゆえファイル共有ソフトという形を取ったのかもしれない。
2013年7月6日、金子氏は急性心筋梗塞で亡くなる。
金子氏は逮捕されたことで7年半もの時間を奪われた。
そしてこれからという時に時間を永遠に失った。
10年後の現在、愛媛県新居浜市であるサービスが開始された。
タグを持つ子どもや高齢者の位置情報を把握して家族のスマホに通知する。
タグからメッシュネットワークを通じてスマホまで無線通信する。
メッシュネットワークの一部が壊れても影響なく通信を続ける。
そう、このメッシュネットワークはP2Pを利用している。
このネットワーク技術はSkeedという会社が開発したもの。
そしてSkeedはあの金子氏が仲間とともに創業した会社なのだ。
金子氏の遺志は今も受け継がれている。
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