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ビットコイン ・ 仮想通貨で稼ぐってどうやるの総まとめ(2021年版)

はじめに

皆さんあけましておめでとうございます。ヨーロピアンです。去年好評をいただいた記事の最新版です。「毎年リライトする予定」とうっかり宣言したこともあり、また新しい1月が来てしまったということで総まとめを書きました。

基本的な方針は2020年と極端に変わっているわけではないので重複する文もありますが、点検して加筆修正というよりはできるだけ最新情報と現時点の状況を元にできる限りまっさらな気持ちで文章を書いています。時間に余裕がある方は見比べていただけると面白いかもしれません。

前置きは……去年はそれなりに書きましたが、二度同じことを書いても仕方ないので今年は省略します。気になる方は去年の分の「はじめに」を参照してください。

さて、2020年は大相場となったことで、相場参加者の多くは大なり小なり利益を得ていたと思いますし、桁が1つ2つ違うパフォーマンスを出した方も2018年・2019年よりは多かったのではないでしょうか。
去年の僕のnoteがどの程度影響あったかは分かりませんが、誰かのクリプト投資を始めるきっかけになっていれば……!おそらく投資を始めるタイミングとしては相当良かったことになります。今年も今のペースでいけば大相場になりそうなので楽しみですね。

ではここからはクリプト投資手法の総まとめと所感です。

大型通貨を買って値上がりをずっと待つ

1つ目です。時価総額上位の銘柄を購入し、後は購入したことすら忘れて気絶しておく方法ですね。多少の値下がりで手放したりはしません。長期保有を前提とした投資です。
数年〜数十年レベルの待ちを想定している方が多いので長期投資と呼べなくもないですが、これだけで利回り(インカムゲイン)があるわけではありません。あくまで差益(キャピタルゲイン)狙いとなります。

去年の記事では僕はこのように書きました。

これについて、僕個人の場合は確信を持てるのはビットコイン(BTC)くらいなものなのですが、人によってはこれがイーサリアム(ETH)だったりリップル(XRP)だったりして、信条の強い方々はそれぞれビットコイナー、イーサリアン、リップラーなどと呼ばれます。長期的に何が正解かは誰にも分かりませんし、ETHやXRPも僕が仮想通貨投資を始めた2014年からするととんでもなく値上がりをしています。各々自分が信じたコインをホールドすれば良いという結論です。

これはあくまで2020年の実績値でしかありませんが、僕が長期保有しているBTCの場合は年初価格およそ78万円に対して1年後の価格はおよそ300万円。だいたい3.8倍ほどになった計算ですね。参考までにETHの場合は約14000円→76000円(5.42倍)、XRPの場合は約21円→約23円(1.09倍)でした。

それぞれパフォーマンスにはそれなりの差は出ましたが、これはあくまで長い投資プランの中での1年間の値動きにすぎません。投資スタンスが長期的なものであれば、その中の1年間を切り取って一喜一憂しても仕方ないということになります。これについては去年記事に以下のように書いた通りです。

この手法のいいところはとにかく楽なことです。余裕資金でやる分には仮想通貨を買っている事実を忘れることができますし、チャートを見る必要もありません。トレードにのめり込むと頭がそれいっぱいになってしまいがちですが、この方法なら人間らしい生活を送ることができます。
あるいは、同じ信念で賭けている仲間たちとコミュニティを作ってワイワイ楽しむこともできます。趣味領域にしてしまうのも一つの手だということですね。

さて、特にBTCやETHを保有されていた方はたった1年でかなりの利益を上げられたわけで、これはとても嬉しいことですよね。伝統的な投資では平均して年間+5%ほどで複利運用できればそれなりに優等生とされますから、投資資金が3.8倍になるというのはその約27年間分に相当します。これがクリプト投資の魅力の一つであることは間違いないでしょう。仮に始めた時期が一昨年2019年であればさらにその2倍以上ですから、単純なホールドですら全くもって馬鹿にできないというわけですね。

この投資を始めるのはとっても簡単、国内の業者に会員登録して日本円を入金するだけです!注意点は1つだけ、

板(オーダーブック)取引がある取引所に登録すること

です。残念ながら2021年現在の状況では俗に「販売所」と呼ばれる相対取引での購入は売買スプレッド(見えない手数料)が重くのしかかってくる業者がほとんどです。ほとんどのケースで板取引の方が安く購入/高く売却できますので、比較する必要すらありません。

クリプト以外も含めて全くの投資初心者の方は「板取引って何?」と当然の疑問が出てくると思いますが、是非ググってください。クリプト投資の基本は「ググって解決すること」です。この最初の一歩でググる習慣を獲得するのは大変良いことです。

そして次に、「そうはいってもいつ買ったらいいか分からない……買った瞬間に暴落するのが怖い」と思う方もいらっしゃると思います。実にごもっとも。そんな方にオススメなのが「積立」です!

お給料など毎月決まった収入がある方は一定金額を毎月入金し、その全額を使って購入する、これだけです。ドルコスト平均法とも呼ばれます。
また、取引所が自動積立機能を用意してくれている場合もあります。利便性と引き換えに手数料が重い可能性があるという由々しき問題がありますが、手間を惜しむ場合には選択肢に入ってきます。手動での購入ではついつい価格をチェックしてしまってメンタルに悪い……という方にも向いていますね。

最後に、これは2018年に僕が受けたインタビュー記事ですが……未だに色んなところで色んな方に引用していただいているのを見かけますね。笑
あれから2年半も経ったことになります。当時の予想通り、無事にビットコインは過去最高値を更新することができました。

これまでの数年間のどのタイミングで買っていたとしても全ての人が含み益状態にあります(もちろん積立投資でも結果は一緒です)。これは大変嬉しいことですね。投資をしていて良かったと実感できるのではないでしょうか。

大型銘柄を買って値上がったら手放し、値下がったら買う

要するに相場を見ながら売買することです。単純にホールドしているだけでは下落局面に対処できません。つまり下がりそうな場面では適切な価格で手放し、価格が上がりそうな場面で買いを入れる、いわゆる「トレード」と言った時に多くの人がイメージするのがこれでしょう。

もちろん言うは易く行うは難し、個人差はありますが、いわゆるチャート分析やニュースを追いかけるといった行動を通じてよりアクティブに相場に参加するイメージですね。相場好きの人に向いていて、僕自身も積極的にこのトレードを行っています。

欠点ですが、当然時間が取られます。一方で、相場を細かく見ることで急変事態に対処しやすいです。ということは、レバレッジポジションを組む選択肢が出てきます。現物投資に縛られる必要はなくなりますので、値上がり局面でも値下がり局面でも全く同様に利益を得るチャンスがあります。また現物よりも資金効率が上がることを意味しますので、同じ投資資金でさらに大きなリターンを得られる可能性があります。
また、毎日ポジションを組み替えるデイトレードでは一切マーケットを見ない機械的な長期投資よりもリスクが低いと捉える向きもあるようですね。

繰り返しますが、相場が好きな人向けですあるいは中長期(10年〜)と言わずとにかく短い期間で結果を出したい人や、専業トレーダーに転身したい人もこのようなスタイルを好むはずです。しかし相場をうまく乗りこなすにはそれなりのリテラシー・情報収集能力が必要になります。

また、このようなトレードスタイルではもはやデリバティブ取引は必須で、避けて通ることはできません。しかし2021年現在の状況では残念ながら国内業者で有用なデリバティブ商品を提供できている業者は存在しません。(※個人の意見です)
とはいえいくつかの業者からは金商法一種を取得している・ないしは取得に向けて動いていると発表もありましたし、もしかすると来年には国内でも良好なトレード環境が整う可能性はありますが、少なくとも現時点の規制下ではちょっと厳しいというのが本音です。(正直業者の中の人もそう思ってるんじゃないでしょうか。財務局様、どうか顧客保護とイノベーションのバランスの取れた判断をお願いします……。)
贅沢は言わないけど、少なくとも四半期先物くらいは欲しい。

ということで我々トレーダーが現状を冷静に見るのであれば、まともに利益を追いかけようとすると自然とグローバル取引所にアクセスすることになります。日本の取引所でBTC等の現物を買った後、グローバル取引所に送金してレバレッジ取引をした方が圧倒的に資金効率が良いからです。

ただし、グローバル取引所は非常に自由度が高く魅力的な商品がラインナップされている裏返しとして、規制下にありません。何か分からないことがあれば自分でヘルプを読む、インターネットで検索する、同好の士と情報を交換するなど、トラブルシューティングは自ら行うことになります。
つまり、自分の行いに自ら責任を取れる人向けというのが原則です。しつこいようですが、これがとても大事な点なので……。

ではどこの取引所が良いのか?と聞かれると、様々な優良取引所が日本人の登録を禁止し始めた今、おすすめできる取引所はかなり限定的になってしまいました。
僕はとりあえずBTCCという歴史ある取引所を使っています。ビットコイン黎明期の2012年から運営が続いているのが安心材料なのと、日本語にも対応しています。


国内取引所はブロガーによって比較記事がたくさん書かれてるので、適当に検索するとたくさんヒットします。板取引があるbitFlyer、Zaif、Bitbankあたりがおすすめです。

そんでこれらの取引所に登録して準備完了したとして、何を見ながらトレードするか。去年はbybtにとてもお世話になりました。

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短めの時間軸のトレードに必要なデータは大体網羅されてます。見ている指標は人それぞれですが僕は資金調達率 + 先物プレミアムを大体気にしてますね。あとdepth。細かく説明すると長くなるのでここでは省きます。

去年リリースされたものの中ではCoinPostのiOSアプリもとても良かったですね。何も分からない初心者の方が見るならbybtよりもCoinPostアプリだと思います。

先んじて色々紹介してしまいましたが、当然雰囲気で売買して儲けてる人もたくさんいますし、難しく考えずにまず始めて見るのが肝心だという意見もあります。初めはあまり気負いすぎないのが良いのかもしれません。

大金をかけるのでなければ、まずは習うより慣れろくらいの精神がいいのではないでしょうか。

スキャルピング

数秒〜数分単位でポジションを建てたり閉じたりして数百円〜数千円幅の細かい利益を積み上げていくトレードスタイルです。昔からやっている人は多かったものの、2018年の後半あたりから2019年にかけて爆発的に流行したイメージですね。
逆に去年はあまり聞かなかった気がします。基本的に時間軸が短くなればなるほどに競争が激化しやすいので、既存のプレイヤーが寡占してしまって効率的な市場になってきているのかもしれないですね。

このスキャルピングでは例えば、現在値付近に厚い売り板があれば極短期的に下がり、厚い買い板があれば極短期的に上昇すると見込んで一瞬でポジションを建て手仕舞いする、などの一定のルールを設けて淡々と売買を繰り返します。

時間軸が極端に短いことで相場全体の方向性に左右されにくく、長期の相場見通しをたてることができなくてもある程度なんとかなってしまうところが魅力かもしれません。手法の汎用性が極端に高いことも含め、トレードの中でも異色の存在です。

とにかくやることが明確で実践的であるというのもあり、試行錯誤がしやすいのもメリットですね。また、一応板読みには常にある程度の価格変動説明力はあり、戦略次第でエッジが残されています。これ一本で生計を立てるような方が実際に存在しているのも、つまりはそういうことなのでしょう。

僕自身はbot(後述)でこの戦略を実践していたことがあり、こちらは「高頻度取引」「HFT(High Frequency Trading)」などと呼ばれています。

裁定取引(アービトラージ)

同一のコインが複数の取引所に上場しているとき、その価格差を利用して利益を上げる手法です。

仮想通貨の世界はほとんど一物一価になっておらず、各取引所ごとに微妙に価格が違っているのが現実です。こうした価格の違いを一般的に鞘(サヤ)と呼びます。鞘があるところに裁定取引あり、例えば取引所Aの売り板が取引所Bの買い板よりも安いなんてことは日常茶飯事です。

こういった状況で取引所Aの売り板から現物を購入し、取引所Bの買い板に対して売却することで鞘の分だけ利益を得ることができます。
実際にはA -> Bの送金時間がありますし、価格も常に変動しているからこのような単純な手法が通用するのはよほど鞘が大きいときだけでしょう。しかしこの原理を利用する収益機会は常に存在します。

利ざやは薄いためある程度の原資を必要すること、時にカウンターパーティリスク(取引所にお金を預けるリスク)を取らなければならないことが欠点です。一方で構造上この価格差をゼロにすることは不可能であり、それゆえに利益の源泉が完全になくなることはありません。

僕自身も割合は小さいながらも安定した収益確保手段の一つとして、2016年から一貫して裁定取引を続けてきました。既に4年も続けていますから積み上がった利益は数千万円にのぼります。(※原資もかなり大きいです。裁定取引は利ざやが薄い手法です)

もちろん、今は日本の取引所を使ったBTC/JPYだけの裁定取引はかなり効率化されてきており、国内取引所だけでは満足いく収益を上げることは難しくなりました。海外取引所を組み合わせたり、アルトコインを使ったりしながら上手くヘッジして裁定できる組み合わせを見つけていくのがコツとなります。狭義の裁定取引以外にも、いわゆるレラティブバリューも戦略として取りいれるとより収益源が広がります。

アルトコイントレード

敢えてビットコインではなくアルトコインを狙うことで大きな利益を狙う手法です。過去にはアルトコイン・バブルでたくさんの「億り人」が発生したため、ハイリターンなイメージが強烈に脳裏に焼き付いている方も多いのではないでしょうか。

2020年夏にはDeFiバブル(後述)が発生し、DeFi銘柄と呼ばれる類のアルトコインは強烈な価格上昇を見せました。それらの無期限先物でロングポジションを組むだけで簡単に儲かるというボーナス相場がありました。

大きくレバレッジをかけて相場に臨んだ人はかなり投資資金を増やすことができたみたいですね。(僕自身はそこまでではないです。笑)
アルトコインの売買を左右するのは結局のところ銘柄の「目利き」になるので、基本的には情報収集能力に長けている方向きです。しかし年に何回かのペースでこのような相場環境になることがあります。

数年前まではアルトコインとはBTCを使って買うもの、つまりALT/BTCのペアをトレードするのが常識でした。しかし現在はALT/USDのペアが非常に多く、法定通貨(ステーブルコイン)建てで買うことができるようになっています。これは大きな変化ですね。

また、2021年現在はアルトコインでもデリバティブ取引が環境が非常に充実しています。このため、例えばBTC以外にもDOGEなど「なんでもかんでも上がる」相場の時に「BTCをロングしてDOGEをショートする」などポジションを組み合わせることでクリプト全体へのエクスポージャーを落としつつ、バブルが収束してDOGEがBTCに対して弱含めば利益が出るポジションを組む、などの戦略も考えられます。裁定取引の項で触れたレラティブバリューですね。

イールドファーミング(DeFi)

※初心者には小難しいですので、読み飛ばしてください

2020年に颯爽と登場した(?)新しい収益方法です。今後長期にわたって持続的なものかどうかは微妙に自信がないですが、とりあえず紹介します。

DeFi(分散型金融)と呼ばれるスマートコントラクトで動作するプロジェクトに自らの資金をロックし、利回りを得ることをイールドファーミングと呼びます。直訳すれば「利回りを耕す」となります。日本ではイールドファーマーたちを「農夫」と呼びました。

このイールドファーミングでは自らMetamask等のウォレットを用意し、資金となるクリプト現物を準備して、プロジェクトを理解した上で資金を慎重に扱う必要があります。
取引所でのトレーディングの場合、クリプトをあくまで金融商品として捉えるためにクリプトの技術的理解は実質必要ないケースが多いです。しかしDeFiでのイールドファーミングでは、より剥き出しになったクリプトを扱うことになるのでとにかく技術リテラシーを求められるのが特徴です。

初期のイールドファーミングの分かりやすい例としては、Uniswapを代表とするAMM(Automated Market Maker)で流動性提供者(Liquidity Provider)になることでした。
一般的なAMMでは2種類のトークンを即座に交換することができます。流動性提供者はまるで両替商のように2種類のトークンの在庫を両方提供しておき、利用者が交換するたびに少しずつ手数料を徴収します。こうして利益を積み上げることができるのです。

また、それらのプロジェクトでは運営に関する意思決定を分散させるという名目で次々トークンが発行されていきました。これらのトークンはまるで株式会社における株式のように機能します。つまり議決権を持ち、プロジェクトが得た収益の一部をトークン保有者に還元されます。

その配布方法は主に「コントラクトの初期利用者」をターゲットとしました。つまり、一定期間の流動性提供者などを対象として無償でトークンを配りまくったのです。イールドファーミングのもう一つの側面がこれであり、以前別の記事でこの例えを書きましたが、メルカリで出品するごとにメルカリ社の株式がもらえるようなものです。そりゃ儲かるに決まってますよね。プロジェクトはそのトークン売却益も込みでAPY(Annual Percentage Yield)を表示するため(ひどい煽りだ)、APY 600%!などと景気の良い数字が踊ったものです。笑

僕自身もいくつかのプロジェクトを渡り歩きました。Curveに始まり、Uniswap、Compound、Sushi、Hegicなど……。それらのプロジェクトから大量にトークンを得て、売り捌くことで非常に大きな利益になりました。Uniswapは利用者が多い上に「一度でも売買したことさえあれば金額の大小に関わらず一律トークン配布」という仕組みを取ったため、1アドレスあたり数十万円分のUNIトークンをもらうことができました。複数アドレスを使い分けていた人はいきなり数百万円分のトークンが降ってきて大喜びしていましたね。この事件は「UNI給付金」として農夫たちの記憶に強く残っているはずです。

ところで、去年の記事ではアルトコイントレードの項でこのように書きました。

2020年のアルトコイン取引ではこれまでのような現物取引中心ではなく、デリバティブを組み合わせてさらに高い収益を狙っていくのがメインとなるでしょう。レバレッジが効かせられるため、原資が少ない方にも大きなリターンが狙えるようになりました。ビットコインが増やせればいいので、アルトコイントレードも現物にこだわる必要はなくなったのです。ここが以前までと大きく変化した部分ですね。

要するに値動きによる差益だけ取りに行くならデリバティブがあるんだから現物触らなくていいでしょ、という意見ですね。ところが昨年のイールドファーミングでは結局「ETH現物」の扱いが最も大事になりました。何がきっかけで環境が変わるか分かりませんね。

イールドファーミングについては以前に詳しく書いたので、興味がある方はこちらも参照してください。

現物と先物の鞘取り

※初心者には小難しいですので、読み飛ばしてください

デリバティブの先物商品を利用して、現物と先物の鞘取りをすることで値動きに関係なくほぼ確実に利益を上げる方法です。僕は現先って呼んでます。

例えば先に挙げたFTXやBinanceにはBTCの先物商品が上場しています。これはBTC-0326、つまり3月26日に現物インデックス価格で清算される先物商品ですね。現在値は36377ドルです。

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一方でBTC現物は34602ドルです。

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このように先物の方が現物よりも高いとき、清算日である3月26日に現物インデックス価格で先物商品が精算されるため、この差額の1775ドルは期日に向かって収束する可能性が高く、収束しなかったとしても現物 + 先物ショートの両建てで利益を確保することができます。期日までに収束するようなら現物は売却し、先物ショートはクローズすれば良いです。

このように、現資産(現物)と先物間で価格差がある場合に両建てすることで未来の利益を確保する方法は伝統的な金融商品では一般的なトレード手法です。多少の時間と資金拘束があるため、「利回り」と見なすこともできます。

僕も先物プレミアムが大きくなったときには積極的にポジションを取るようにしていて、不定期ではありますが利益の源泉の一つになっています。

ところで現物価格34602ドルに対して鞘の1775ドルとは約5.13%に該当します。79日間で5.13%の利益が確定するということは年利に直せば23.7%です。この利回りが価格変動に関係なく手に入ると言えばその魅力が分かってもらえるでしょうか。

この手法はまさに「落ちているお金を拾う」と言って差し支えなく、非常に優れているのですが、今の所はBinanceなどのグローバル取引所を使うしかありません。日本の取引所にもいい感じの先物商品が登場してほしいのですが、金融庁の規制もありますのでしばらく長い目で見なくてはいけなさそうです。

IEO(Initial Exchange Offering)

ICOは聞いたことある人があるかもしれないですね。乱暴な言い方をすればIEOはその親戚みたいなものです。

去年の記事ではこのように紹介しました。

2017年のバブルの真っ盛りには一瞬で数百億円を集めるプロジェクトも複数ありましたが、どのプロジェクトも破綻もしくはお行儀の悪い事件が報道され、あまり良い印象はなかったように思います。

その後は米SECの規制や、騙された投資家達がそっぽを向くなどの影響があり2018年にかけて徐々に縮小しました。当時のICOはそのファイナンス手法と構造から言ってダメダメであり、この結末は目に見えていたと言えます。
当時盛んに煽られてそれで運良く短期で儲かった方もたくさんいたと思いますが、今の現状を見ればほどほどに距離をおいておくべきだったと言えますね。

ところが、2019年に再びこのICOが形を変えて流行しました。取引所主導で行うICO、通称IEO(Initial Exchange Offering)です。ただし2017年ほどの熱狂ではなかったので、知らない方も多かったと思います。
このIEOでは取引所がプロジェクトチームを精査し、一定の基準をクリアすることで資金調達を開始することができます。調達のプラットフォームはその取引所です。また、IEO終了後すぐに上場されます。

まあ、簡単に言うとクリプトの世界におけるIPOですね。
日本の株式投資におけるIPOは、「配分をもらうことさえできればかなり高い確率で儲かる」ことで有名です。とはいえ実際にお宝IPOをある程度確実にもらうためには対面証券でそれなりに営業マンと仲良くする(付き合う)ことで裁量配分を受ける必要があり、資金力が潤沢な方(1億円〜)向けと言えます。

IEOでは大した資金がなくても抽選で大体当たります。少なくとも2020年のFTXではそうでした。その分、せいぜい数ヶ月に1回程度でしたが。

定期的に発生するこのイベントに参加することで毎回数万〜数十万円程度の利益は手に入ります。損することはほぼなかったですし、資金が少なくとも当選しますが、逆に言えば資金がたくさんあってもスケールしません。

投資資金がいくらあろうがIEOでの利益は皆大体一緒です。投資資金が小さめの方にとっては大変嬉しい一方、大量の資金を動かしている方にはあまり興味が湧かないかもしれないですね。(僕は落ちてるお金は絶対に拾う派なので楽しんで参加してます)

相対売買業者攻略

仮想通貨の売買業者には二種類存在しており、ユーザ同士の板取引を提供する取引所(これが主流です)、GMOコインやTAOTAOなどの相対売買業者が存在します。
後者は外国為替FXの世界でスタンダードな方式ですね。この方式はいわゆる呑み行為を行っている業者が多く、提示されるレートは各業者によってまちまちだったりします。

そのため、例えばGMOコインでは2017年にbitFlyerやcoincheckのレートを参照して先回りすることで簡単に利益を上げることができました。

今でもできるかどうかは不明ですが、2-way price形式で相対売買を提供する業者には常にこのような弱点が存在しています。それを攻略することで大きな利益を上げることができました。
ただし、ある程度利益を上げたところで大抵アカウントをBANされてしまいます。要するに利用規約上非常に怪しいところがあるということですから、個人的にはオススメできません。

今は単純に国内事業者でカバーを行うのではなく、CumberlandなどのLP(リクイディティプロバイダ、流動性供給業者)を使ってカバーすることが多いのではないでしょうか。僕自身もこういった業者の中の人に何度か接触したことがありますが、こういった業者は世界中の取引所でカバーを行います。そのため2017年に通用したような先回り手法は通用しなくなっていると考えて良いでしょう。

マイニング

去年の記事では国内個人ではほぼ儲からないと書きました。

ビットコインのマイニング業者は苛烈を極めており、最新機材を使い、人件費の安い地域を使ってギリギリという採算基準のようです。具体的にはカナダの一部地域での水力発電、アメリカの風力発電、カザフスタンなど。

そして個人では容易に最新機材を手に入れることはできません。Bitmain社やCanaan社の機材はまず自社が独占的に使い採掘し、その1世代前の機材がお下がりとなって流通します。しかしこのお下がりの流通すらも限られていて、実際に個人が手に入れることができる限界は2世代前(今だとAntminer S9など)だったりします。中国のブローカーを通して入手するために新品だと言い張って送ってきた機材がどう見ても中古品だった、なんてトラブルもよく耳にします。

ところが、2020年はいくつかの業者が海外拠点でのまともなマイニングマシン分譲案件を持ち込んだことと、結果的にBTCが値上がりしたためにそこそこ儲かったようですね。
また、マイニング機材がすぐに償却できるので法人を持っている場合は税の繰り延べを狙いつつ利益を上げるという戦略もあったようです。

今年ももしかしたら同じような状況になるかもしれないですね。

レンディング

誰かにクリプトを貸し付けることで利息収入を得る手法です。貸す対象は信用取引をするユーザーだったり、取引所だったりします。2020年にはDeFiプラットフォーム上での貸付(例:Compound)も広く普及しました。

クリプト界では2016年頃から広まり知られている伝統的な運用方法です。

この手法の最大の問題は預かり手が逃げてしまうことです。これをカウンターパーティリスクと言います。最近では国内でライセンスを受けた業者がこのレンディングサービスを提供し始めたため、ようやく「ガチホ」のお供となることができるレベルにまで安心度が高まった考えています。どうせ売らないなら貸し出して利息を得ようという考えですね。

国内での実勢相場は年率5%といったところで、大体どの業者も変わりません。

一時期はBlockFiという海外のサービスがリクルート社出資などの信用を背景に日本でも有名になりました。当時は高金利をウリにしていましたが、現在はせいぜい6%程度ということで魅力もあまりありません。この程度なら国内業者で運用する方がまだ安心感ありそうです。

その他の海外サービスも大した金利を提供できていません。サービスが変わらないので、わざわざ海外業者を使うメリットはあまりなさそうです。

https://defirate.com/lend/

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注意点としては、この手のレンディングサービスで預けた資産は分別管理の対象にならないケースがほとんどだということです。預け先の業者が倒産した場合の取り扱いがどうなるかは事前に確認しておきましょう。
他人にお金を貸し付けて金利を得る行為がノーリスクであるはずがありません。あなたが得ている金利は単なるリスク・プレミアムに過ぎないからです。

ちなみに昨年は大和証券グループのフィンターテック社によって「暗号資産担保に日本円を借りるサービス」も提供されました。金利を支払うことになりますが、逆に日本円を調達したい人には嬉しい選択肢ですね。

botトレード

botとは簡単に言えば自動売買システムですが、この界隈特有の呼び名だと思います。株や為替の世界だとシステムトレードと言いますが、そこまでカッコつけた大げさなもんじゃないよ、という謙遜も込めてbotという呼び名が定着したのではないでしょうか。

プログラミング能力が唯一の参入障壁となりますが、決められたストラテジーに従って自動売買するプログラムさえ書ければいいわけなのでプログラミングの中では簡単な方です。多分。
僕は本業がソフトウェア技術者ですのでこの辺りのハードルが非常に低く、黎明期から自動トレードを中心にしていました。(もちろん現在もです)

ここまでに紹介してきた内容はほとんど全てプログラミングで表現できる内容ばかりです。つまり同じようなルールで売買を繰り返すのであれば手動でやる必要はなくbotに置き換えられます。それどころか、botであれば「利ざやが小さすぎて人間なら馬鹿馬鹿しくて選択肢に入らない」ようなトレードでも十分ターゲットになりえます。

ちなみに、プログラミング素人だからという理由でインターネット上で販売されているものを購入するのはやめたほうがいいです。それで儲かることはほとんどないと思ってください。
中には優れたものもあるにはあるはずですが、高利益を謳っているbotの中から本物を見分けるのは技術リテラシーのない人間にとっては非常に難しく、お金をドブに捨てる結果になる方が多いと思います。

システムトレードに興味がある場合はUKIさん・Hohetoさんの書かれた記事を読むのが良いと思います。去年も紹介させていただきましたが、今年も引き続きオススメです。

なお、基本的には自分でプログラミングができることが前提なのでそこまで勉強する気はない場合には他の手法をオススメします。正直このためだけにプログラミングを勉強するのはコスパが悪すぎるので、元々何か他にプログラミングでやりたいことがあるか、もしくは既に腕に覚えがある方向けの手法と言えますね。

終わりに

今年はだいぶ端折るつもりで書き始めたのですが、振り返ってみれば全然端折れてなくて結局14000字ですね。相変わらず長くてすみません。

2020年は本当にすごい相場になりました。コロナウイルスの蔓延もあってリアルの生活は全然楽しくないままに一年があっという間に過ぎ去ってしまいましたが、トレードに関して言えば本当に豊作な一年でした。

去年の年始に書いた2020年版の最後では「チャンスが巡ってきた時にようやく動き始めるようでは遅すぎる、やはりいつの時代も勝つのは先行者だと思います」と書いていたんですよね。
果たして2020年は大相場でしたから、相場参加者は平均して大体ホクホク顔だったはずです。もちろんあくまで平均すればの話なので失敗してしまった方もいると思いますが、大丈夫です。2021年はきっともっとすごい一年になります。取り返すチャンスはいくらでもあります!

ということで今年も我々みんなで勝っていこうな!早速BTCが年始から15%以上騰がってるけど!どんな顔をしていいか分からない!息をつく暇を与えて欲しい!

本当に四半期に一度程度しか記事を書かない筆不精者が頑張って書いたので、もし気に入ったらシェアしていただけると嬉しいです。

それでは皆さん、今年も良いトレードライフを!

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