『文化は孤立しない』と掲げるイタリアの「プローチダ島」
イタリアに、
『文化は孤立しない』
と掲げる「プローチダ島(Procida)」という島があります。
2022年の"イタリア文化首都"にも選出された島でして、
カラフルな景観と独特な文化など、
ユニークな観光資源に魅了され、特にヨーロッパ諸国から訪れる人が多い場所。
観光地にとって、
"文化と経済の両立"
は中々難しい課題ですよね。
個人的にも昨年の2021年の日本を巡る機会が多く、
特に西日本の地方都市を直接現地で視察してきましたが、
京都のように規模が大きい文化都市ですと、
文化財が多すぎて、
その維持にお金がかかりすぎてしまい、
観光客から宿泊税を徴収しても
市の財政は赤字状態になってしまう場所もあったり。
(景観の都合上、東京や大阪のような高層オフィスビルやマンションが建てられないので相対的に税額が少なくなる)
また、一般的な地方都市の場合、
独自な街並みや文化が残る場所を壊してしまって、
・駅前に大きな駅ビル
・イオンが乱立
・飲食店もチェーン店ばかり
といった形で、
10年くらい前の東京や大阪の都市モデルを後追いし、
結果どこも同じような風景になってしまうパターンが多いなと感じました。
地元に住まわれている方々には便利ですが、
観光地としての魅力は大きく半減してしまい、
国内や特に海外観光客から見ると、
"その都市を訪れるユニークな理由"
を失ってしまって、
結果、インバウンド回復など長期的な視点で見ると損をしてしまってる都市が多いと感じます。
逆に、
・岐阜県の白川郷
・埼玉県の「小江戸」でブランディングした川越市
・熊本県の阿蘇
あたりの観光地は、
コロナ前は海外観光客からも人気が高く、
バランス良く成功していたモデルの1つでした。
また違った面で見ると、
先ほどの京都を始め、沖縄、バルセロナ、ベネチアなどについては、
"Over tourisim(オーバーツーリズム)"
といって、
『観光客が増えすぎてしまうことで、
地元の住民の生活や自然環境・景観等に支障が出てしまい、
結果訪れる観光客自身の満足度も低下してしまう状態になる』
という問題も発生してしまうため、
観光マーケティング視点で見て、
プローチダ島は、
・独特な観光資源のブランディング
・観光客の誘致またはコントロール
・地元の住民、自然環境への支障
といった視点で、
どのようにバランス良く成功しているのか?
これからの観光都市モデルのトレンドとして、
一度視察してみたい場所です。
●プローチダ島(Google Map):