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レゴで製作する14系改造和式客車「浪漫」前編(車両設計編)

今更ながら2年前の2022年5月に製作した14系和式客車「浪漫」のブログを書いてみることにしました。

はじめに今回紹介する車両のモデルについて軽く説明すると、浪漫は1995年11月にそれまで活躍し、老朽化や設備の腐食化が進んでいた12系改造和式客車「白樺」の置き換え用に、長野総合車両所に所属する14系客車6両を改造して誕生した車両です。
編成の両端に密封式展望車、中間車1両がサロンカー、その他は4人用のテーブルが並ぶお座敷仕様の6両編成からなっていました。
青函トンネル・関門トンネル対応の発電機を搭載していたため、本州に限らず北海道や九州、四国にも度々足を伸ばし、非常に広範囲での活躍を見せました。
当初はダークブルーとゴールドの塗り分けでしたが、2000年のリニューアル改造でダークブルーの色をピンクに近いワインレッドの色へと塗り替え、2007年まで活躍しました。
今回の製作では2000年までの初期の塗装を再現しました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/浪漫_(鉄道車両)

Wikipediaのページ、実車のもう少し詳しい詳細、写真についてはこちらをご覧ください。

この車両の製作の構想は2020年に浮上し、当初は車幅は6幅で製作することを考えていましたが和式客車の車内を再現するために8幅へと拡張することを決め、2021年にレゴをパソコン上で組み上げる事ができるstudioというソフトを使って、手始めにお座敷車のオロ14をそれっぽくなるように組み立ててみました。
車体の塗装はコストやパーツの豊富さなどの観点から外部塗色をダークブルーとダークタン、屋根上は旧灰(後に新灰に変更、この時の設計時点では灰色・茶色に新旧があることを知らなかった)で設計していました。


初期の頃のオロ14、車長やクーラーの形状、窓割りが最終的な設計と異なる

しかしこの設計では同じ車長で12系客車を設計した時に窓割りがぐちゃぐちゃになることから、12系客車でも14系客車でも違和感のないような窓割りとなるスケールを追い求めた結果、幌間の長さが56ポッチというスケールに落ち着き、これ以降はこのスケールを基本とした車両設計を進めていくことにしました。

決定したスケールから設計したオロ14、先ほどの写真の設計から変わった点が見受けられる

次に取り掛かったのが両端のスロフ14の設計でした。
まずは展望車の形を内装に干渉しないように設計に落とし込む、という作業から始めました。
浪漫の展望車はオリエントサルーンやふれあいみちのくといった他のジョイフルトレインに比べると、単純でレゴ的に作りやすい形状でしたので、スロープやウェッジ・ラウンドプレートやヘッドライトを用いた横組み→縦組みの変換などの基本的な操作のみですぐに形になり、反対側のスハフ14の面影を残す車掌室部分も貫通扉部分を0.5ポッチ突き出す形にしてヒンジプレートで3枚の折り妻の形になるようにして設計しました。
そして側面にある浪漫のロゴはマゼンダ、ミディアムブルー、白を用いて作りましたが、実際のロゴと比べて横に引き伸ばされた形となったので配色が同じだけの全く別のロゴのような雰囲気になりました。いつかリメイクしたいですね。
車内は実車の色合いから可能な限り乖離しないように、しかしレゴで作りやすい色を使い、椅子の部分は旧茶の4079にしましたが(のちの新茶に変更)それ以外は大体実車と同じような色を採用しています。

展望室部分の窓が実車と比較して縦に大きくなったように見えるスロフ14
展望室の車内、実製作では床をダークタンから新茶、壁を旧茶からタン、扉を旧灰からダークレッドに変更した
車内の設計、この辺りは旧茶を新茶、旧灰を新灰に変更した以外はほとんど設計変更なく実製作に移った

そして2021年の4月頃には大体全ての車両の設計が完了したのですが、この辺りで誤って設計データを消してしまい、それが原因でやる気もほとんど失せてしばらく設計から離れていました。
因みにですが、この後2022年の2月に旧色を新色に変更する際にもデータを消して一から作り直しているので結果的に合計で4回くらい一から設計し直したことになります。

そして少々時間軸を戻した2021年の年末に、Twitterに投稿していた設計の写真やレンダリングした写真、他に設計していた12系客車の設計データなどを基に設計に取り掛かり、新たにサロンカーのオロ14-803も設計して「浪漫」6両全車を翌年の1月に完成させました。

完成してTwitterにあげた編成画像
スロフ14とオロ14の連結面、展望車付きジョイフルトレインでは見慣れた連結方法だった
作り直しと共に新しく設計を考えたサロンカーのオロ14-803
スロフ14の側面、発電機部分は全検直後のつもりで灰色に塗ったが、実車は青函トンネル通過を考慮して大部分が大型の発電機カバーで覆われている(後にそのことに気付いてカバーを装着した)
サロンカー車内、当初は壁にダークブラウンも使っていた。

追加で車内を14系オリジナルのままに、浪漫での夜行運用を考慮して車体塗装を浪漫と同色に塗り替えたオハ14-62を設計しました。
使い勝手が悪いので実製作はしていませんがいつか作ってみたい車両です。

オハ14-62を入れてレンダリングした画像、手前から3両目が該当車両
オハ14-62、元々浪漫のオロ14とあまり差異はないように見える
実際、塗装変更以外はおそらく全く手を加えられなかったため、出入り台が2箇所あり、埋められた窓がないのが特徴
車内、実車のモケットの色は不明だが、youtubeに上がっていた映像から推測して旧濃灰を用いた

そしてこの設計から必要パーツを選び、bricklinkでパーツを買おうとした時に灰色や茶色に旧色があり、旧色では存在しない・または極端にコストが高いパーツを使用していることに気が付きました。
最初は旧色を新色に塗り替えようと考えていましたが、途中で一々塗り替えるのが面倒くさくなり、一部を改修する(と言っても車内配置の変更はせず、もっぱら車内の配色の変更のみ)ついでに再び車両を一から設計しました。
そして3月にいよいよ最終設計としておおよそ一年半に及ぶ浪漫の設計を完了させました。

最終設計の浪漫、色が新灰になったことで検査上がりの実車の雰囲気に似たように思う

そしていよいよパーツを発注、そして組み立て…..
と続けたいですが長くなったのでここまでを前編として、後編で実製作の時についてまとめたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。


追記:後編書きました。(https://note.com/euro5376/n/n19940c25b597)

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