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レゴで製作するEF65-1000、EF64-0、EF58-61

前回の14系「浪漫」の製作記に続いて3本目の記事です。

よければ前回の記事もご覧ください

前編:(https://note.com/euro5376/n/neb96153179e1)
後編:(https://note.com/euro5376/n/n19940c25b597)

今回の製作記は2022年の8月から2023年の2月にかけてレゴで製作したEF65-1000、EF64-0、EF58-61についての記事です。

初めに各車両の簡単な解説を行うと、まずEF65-1000は1965年から1979年にかけて製造されたEF65型国鉄電気機関車のうちの一部のグループで、寝台特急などの客車列車やコンテナ車などの貨物列車など、広範囲で活躍した番台となっています。
また、その使いやすさから直流電化区間の大半の路線への入線歴もあり、現在でも一部の車両が現役なため身近な車両でもあると思います。
EF65-1000には前期型・中期型・後期型と呼ばれるグループに分ける事ができ、更にそこから派生した様々な仕様の車両が存在します。
今回の製作のモデルとしたのは田端機関区に所属していたEF65-1052号機で、中期型と呼ばれるグループに所属し、民営化直後にパンタグラフがPS17からPS22に換装され、さらに1990年代後半に、一度撤去されたスノープラウを再装着した車両です。
今回は1990年代後半の姿をモデルとして製作しました。

EF65-1000についてのより詳しい詳細はWikipediaをご覧ください

次にEF64-0について説明すると、EF64と呼ばれるEF65の1年前の1964年から製造された機関車の0番台にあたり、他に1000番台の車両も存在します。
今回製作する0番台は、当初は奥羽本線の難所、板谷峠の補助機関車として福島〜米沢間でデビューし、その後は同区間の交流電化やその後の新製配置により、主に中央本線や篠ノ井線などで客車列車や貨物列車牽引などを行い活躍し、2000年代初頭から、老朽化を理由に廃車が始まり、現在ではすでに79台全機が引退済みとなっています。
今回製作のモデルとしたのは高崎運転所に所属していたEF64の36号機から39号機です。

EF64-0についてのより詳しい詳細はWikipediaをご覧ください

最後にEF58-61について説明すると、この機関車は1946年から1958年までの間に製造されたEF58型電気機関車の総数172両の中の1台で、1953年に60号機とともに、製造当初からお召し列車の牽引を行うことを考慮に入れた数あるEF58の中でも、かなり特異的な車両の一つです。
61号機は日立製作所にて製造され、お召し列車は数回のみの牽引に終わった60号機とは対照的に、目的通りお召し列車の先頭に立つことも多く、国鉄時代は基本的に一貫して東京機関区に所属し(龍華機関区、新鶴見機関区所属歴あり)、JR東日本への継承のための田端機関区への異動を経て活躍し、2008年に発見された主台枠の亀裂や客車の減少、機関車の老朽化などから引退し、暫くは東京総合車両センターに保存されていましたが、2022年より埼玉の大宮鉄道博物館での常設展示が開始されました。

EF58-61についてのより詳しい詳細はWikipediaをご覧ください


まずこれらの機関車の製作の構想は前回紹介した14系「浪漫」の製作を決定した時から始まりました。
その中から一番最初に製作する機関車は、初期塗装の浪漫を牽引したことがあり、尚且つイベントで出展することも考えて、汎用性の高い機関車にすることを決め、2020年に候補としてEF65-1000とEF64-0、ED75やDD51、DE10といった機関車を最終的な候補として挙げました。

その後はEF65の前面の試作に取り掛かろうとしたことはありましたが、2022年に浪漫の最終設計が完了するまで、特に設計を進めることも、設計機関車を決めることもしていませんでした。
そして2022年の3月に浪漫の設計が終わり、まもなくパーツの発注を行おうとしていた時に、最初に設計する機関車をEF65-1000に決定し、3月に設計に取り掛かりました。
当初は考えていたEF65の前面の手すりも省略し、シンプルな構造のみで設計を構成していきました。

設計初期の段階でのEF65の顔、手すりは省略している
車体の大部分の設計が終わったEF65、車体の基本部分が決まり、のちに製作する新型機関車はこの設計を広げる形で設計している。

最終的な車体の設計は3月中に完成し、以降実制作まで車体の設計は変えることなく、一旦設計は落ち着きました。
本当は台車の設計も続けてするべきだったのですが、機関車の台車の設計はこの時が初めてで、設計に悩んで手が止まったため、設計完了は5月までずれ込みました。

車体設計がほぼ完成した時の写真、この時はパンタグラフをPS17で設計した
最終的な車体の設計が完了した時の写真、前照灯をより端にずらしてパンタグラフをPS22に変更した
台車も完成して後期型のEF65の設計が終わった姿、実製作でもほぼこの姿からの変更はしなかった

そして7月に、EF65用の必要パーツを洗い出してブリッカーズにパーツを発注し、8月に実製作を完成させました。
製作当時は単4バッテリー、PFモーター2基搭載という形態でした。

ブリッカーズから届いたパーツ、特にダークブルーが足りなかったためダークブルーが多い
製作途中のEF65、解体中の車両のようだ
完成したEF65、後に改造を加えたため現在のEF65と異なる部分が多々ある
EF65の側面、設計の簡易化のために実車と比べてブロワー間の柱の長さが長く見える

そして単機での試運転を行い、2022年の国際鉄道模型コンベンションにLゲージブロックで作る鉄道模型の卓で、14系「浪漫」と共に展示させていただきました。
しかしその結果は散々なもので、EF65のバッテリーが単4使用のものであり、尚且つ液漏れなどの原因からか出力が低く、客車1両の牽引も難しかったため、単機回送以外できないという結果に終わりました。

流石にこのままの状態では、機関車の本来の導入目的も果たせないため、他の8幅の機関車を保有されている方に話を伺い、国際鉄道模型コンベンション終了後にバッテリーを単3使用のものに変更することで、牽引力を上げてこの問題を解決しました。
ただその代わり、本来使用する予定のなかった大型の単3バッテリーを使ったことで、機関車の屋根の一部にバッテリーが露出する非常に不恰好な形となりました。

485系「華」の団臨で車内で撮ったEF65、見えにくいが奥の方にバッテリーと受信機からのコードが露出しているのが見える

牽引力は上がりましたが流石にこの形は不恰好であったため、10月にEF65に小改造を実施し、この時にバッテリーがうまく隠れるように改造し、同時に味気なかったスカート周りも変更しました。

小改造後のEF65
新たに作り直したスカート、スノープラウで分かりにくいがステップを付けたのがお気に入り
バッテリーの位置を下げ、屋根にパネルを用いたことで屋根のバッテリーの露出を完全に無くした

一旦はこの設計に落ち着き、11月の高校の文化祭では3~4両の浪漫を牽引して安定した長時間走行も行い、走行性能も申し分ない設計となりました。

そこから少し経った12月に新たな計画が浮上しました。
それは、新たな機関車の製作です。
EF65もバッテリーを変え、走行を行う展示としては特に問題ない仕上がりになりましたが、単機では6両フル編成の浪漫の牽引はできませんでした。
一度行った牽引力測定では静止状態から加速し、一定のスピードで走行を行うのは5両が限界で、6両フル編成となると静止状態からの加速は不可能という結果になり、6両フル編成を動かそうとすると機関車を2台以上用意するか、客車に動力を付けるかのどちらかの対応が必要でした。
しかし、客車はあくまで客車として運用したいというプライドがあったため、後者の選択肢を見送り、前者の新たな機関車の導入を決めたのです。

この時の導入機関車は見栄え上の理由などからEF65以外、そしてEF65との組み合わせを考慮し、JR東日本所属の機関車にすることを決めて、最終的にEF64-0を製作することにしました。
そして、このEF64の設計から機関車に歩み板の設計を加え、同時にEF65も歩み板を付けた設計へと変更し、12月にEF64-0と、新しいEF65-1000の設計を完成させました。

新たに設計したEF64-0、この塗装の再現はEF62やEF63にも応用していくこととなった

そして12月にパーツを発注し、翌月の2023年1月に2台目の機関車EF64-0が完成しました。
併せてEF65-1000の新設計も製作して遂に浪漫を6両フル編成で牽引する場が整いました。

EF64用にbricklinkから発注したパーツの一部
制作中のEF64、EF65と比べてダークブルーの部分が多い
完成したEF64、EF65と異なる塗り分けであるため新鮮さを感じた
EF64の側面、実車を考慮してEF65より2ポッチ分長くしている
EF64の屋根上、パネルを用いて歩み板を作り細い黒線を入れたことでより実車に近づいたと思う
EF64と改造を加えたEF65、雰囲気が変わったように感じる
EF64とEF65の屋根上、EF65はPS22も設計を変更した

そしてその後の牽引試験で、重連またはプッシュプルの運転形態を取ることで、浪漫6両の牽引が可能であることが分かり、EF64の導入目的も達成しました。

そしてそれから日もあまり経っていない….というかEF64の製作から10日程経った頃に、浪漫を単機で牽引可能な機関車の製作を考え始め、その機関車としてEF58-61の設計を始めました。
EF58-61の作例は過去に先人の方々の作品がいくつかありますが、過去の作例と異なる部分として、EF58-61のため色と呼ばれる色合いにダークブラウンを使用しました。
レゴにおいて、ダークブラウンという色は、あまり供給されているパーツの種類や数があまり豊富でないため、特に8幅の車両の製作には向いていない色です。
しかし、ダークブラウンより明るく、パーツの種類・供給量共に豊富なれディッシュブラウンは、サロンエクスプレス東京などに使用される赤7号や、その近似色に使いたかったため、それらと差別化するために、あえてダークブラウンを使用しました。
ダークブラウンの深い色の方が似合いそう、という気持ちやダークブラウンを本格的に作った車両を作りたかった、という気持ちも大きな要因でしたが…..

とにかく1月下旬に設計に取り掛かり、面倒だった湘南顔以外は割とすぐに設計が進み、時にはダークブラウンのパーツの少なさに、頭を悩ませることもありましたが、1月中には設計を完成させました。
ただ客車と並べた時に機関車の背の高さがかなり目立ったので、すぐに車高を1プレート分下げたのを最終設計として、1月中にパーツを発注しました。
正直ここまですぐに機関車を作るくらいならEF64のパーツ発注を遅らせて同時に発注した方が安上がりだったんじゃ….とも思いましたね笑。

初期のEF58-61、客車との車体の高さにかなり差がある

そして2月の中旬までにパーツが揃い、すぐに実製作開始…..正直機関車1台だけでしたのですぐに完成しました。

完成したEF58-61、ダークブラウンで作ったためシックな車体になった
車体側面、この機関車の象徴的な姿であるお召し牽引時の磨き出し装備で製作した
屋根上、パンタ周りの一部を除いて全て黒で統一
車体中心部分の台車、実車ではこの3軸が動力軸となっている。
EF65、EF64、EF58-61の3並び、旧東京機関区や田端運転所のよう
各機関車のパンタグラフ、本来ならEF64とEF58のパンタは別形状だが、レゴでの再現上同じ形となっている

EF58-61は当初はPFモーターを4基使い、浪漫を単機牽引することを想定していましたが、実際牽引試験を行うと、中間のモーター2基に車重が伝わらず、激しい空転を引き起こすことが分かったため、モーター4基での浪漫の単機牽引は諦め、代わりに他の機関車との重連や、プッシュプルで浪漫6両牽引を行うことにしました。


ここまで長くなってしまいましたが、レゴでのEF65,EF64,EF58-61の設計・製作の紹介は以上としたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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