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オーストラリアの看護師がなぜ医学部へ?

こんにちは、Eurekhaです。日本の医学部に合格し、来春の新生活までアパート探しなどの準備をしております。

私はオーストラリアの病院でずっと看護師としてやりがいを感じ、永住権も取れたし、収入も安定しており、充実した生活を送っておりました。それなのに、、、、

そんなYouは何しに日本へ?

ですね。まず、日本の医学部ということより先にとにかく

『医学部に行きたい!!』

と思ったきっかけがあり、それは

オーストラリアの病院で働き始めてからの

先輩看護師の言葉、そして一緒に働いた

医師の言葉でした。

元々国際医療に関わることを志し、臨床経験を積んで国境なき医師団の看護師として活躍することを考え、オーストラリア看護学部に進学しました。国境なき医師団の看護業務は看護スタッフのシフト管理や教育指導と言った内容になるため、病棟の看護婦長などの管理業務経験が必須になります。または、ナースプラクティショナー、看護教育者、認定看護師言った資格も有益です。

よって、自分はそれを目指して新人看護師、医学生のプレセプター役や主任業務を積極的に兼任し、臨床と大学院での勉強を両立していました。しかし、何かと婦長のポジションまでの道のりが厄介なのに気付き始めました。。。大体、婦長になる人は、

政治的に優位な立ち振る舞いができる人でした。

振り返って考えると、自分の所属していた病院に限る話であり、他の病院は違ったのかもしれませんが、元々病院長が親戚家族にあたるだとか政治的根回しがないと看護管理職に任命されないという背景があり、なかなか急性期医療病棟の看護婦長にまではなれない現実がありました。それに悩んでいたところ、とても尊敬しているあるインド人先輩看護師さんと夜勤で組んだ時に言われたんです。

「Eurekha、私たちアジア人看護師は、ここでのキャリアップはこれ以上無理よ。あなたはまだ若いし、ここにいてはだめ。もっと外を試した方がいい。」

なんとなく言ってくれた言葉だったんだと思いますが、私は真剣にその言葉を受け止めました。また、国境なき医師団で活躍される看護師さんのWorkshopをWeb上で拝見した際に、印象に残ったアドバイスがあります。それは

「もっと高度な技術を身につけてから国際支援に参加してほしい。ミッションは現地の医療者が自立して現場を指揮できるようになることだから。それを確立させるためには現地の人に有益な技術を教えられるような人でなければならない。ただのボランティア精神では困る。」


な、なるほど、と思いました。しかし、このまま今の職場で一生懸命逆上がりしても、これ以上のスキル向上の機会アジア人の私に与えられることは無いだろう。先にオーストラリア人に与えられるのが優先され、自分に廻るのを待っていては何年かかっても足りない。今の職場にいては、日本人であることが全く生かされず、むしろ不利に働いている。先輩に言われた通り、

外にアンテナを向けもっと必要なスキルを得よう。

と思い始めました。それと、

看護管理職になってしまうことへの違和感。

を感じていました。とにかく急性期医療の現場では看護師の判断力や指揮力が試される現場だったので、ベッドサイドの臨床看護師が大活躍できました。実際に私も、一次、二次蘇生や特定薬剤の処方と投与を能動的に実施できる許可を取得していたので自分の力で直接患者を救える仕事にとてもやりがいを感じていました。

医療職としてのやりがいを失わないまま、病院以外でも活躍できる医療人になりたい。

それは何も国境なき医師団の看護管理職や看護教育のキャリアに限られるわけではないだろう。と考えるようになりました。こんな風にキャリアに悩んでいたところ、ある日、とても感じの良いオーストラリアの女性の後期内科研修医の方に不整脈の患者さんに処方されたお薬で私の方から知見を共有させて頂いたことがあり、

『そこまで関心を持ってる看護師は少ない、あなた医学を勉強したらいいよ。』

と言われました。その時は「医師」と言うワードは頭になかったのですが、その言葉がずっと心に残ったのです。自分の職場でこれからのキャリアを悶々と考える中で、「医学を学ぶといいよ」という医師からのアドバイス、何気なく言ってくれた言葉でしたが、常に殺伐とした医療現場での医師からの褒め言葉は心の中でキラリと光るものでした。そんな彼らみたいになりたい、そんな彼らのもっと近くでお仕事したい、そんな憧れへと変わっていき、

「医師になりたい。」

と思うようになりました。

医師になればより高度な技術を用いて能動的に、主体的に患者の救命に臨めることができるし、活躍の場が病院以外に広まりそう。

そう確信し、医学部を目指すこととなりました。ここで日本の医学部に行くことを決めるのですが、それには訳がありまして、それについては後でまた話そうかと思います。さて、私の入学する医学部では、

①海外臨床留学

②米国医師免許の取得

③国際学会で研究発表

を支援してくれるそうで、国内外で活躍する医師の養成を始めている大学なので願ったり叶ったりです。まず、言えることは、

私がオーストラリアで看護師をしているだけでは、このような機会を得ることはまずできなかったでしょう。

先人たちのアドバイスを聞き、医師になろうと決意して良かったと思いますし、アドバイスをしてくれた、先人達への畏敬の念が湧いてきています。実際に私は「医師になったら良いよ」と言ってくれた女医さんに推薦状をお願いし、彼女は承諾してくれました。このような先輩方のアドバイスに感謝し、これから医術の習得に励むのはもちろん、研究室に所属して学生のうちから研究のお手伝いをしたいと思っています。せっかく、医学部に入れるのだから、医学生じゃないとできないことに従事したいと思ってます。

さて、ここまで読んでくれてありがとうございました。

次回は、

「豪州医学部受験より日本の医学部受験を選んだ理由」

について書こうと思ってます。

Eurekhaでした。

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