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ホニャララLIVE #015 アネルズあづさ(プロフェッショナルアロマセラピスト)

嗅覚というのは五感の中でも、最も本能的な感覚だという。嗅覚以外の五感(感覚という意味では本来はもっとたくさん存在する)は一度、脳の中の「視床」という場所を通ってから大脳皮質へと届くのだが、香りの刺激は直接大脳に届く。

生後間もない乳児の視力が極めて弱いことは、よく知られている。具体的には生後2ヶ月程度だと、20cmくらいの距離のものでないと焦点は合わず、白黒のみが見えるという状態。それもぼんやりと。

余談だが、20cmという距離はちょうど授乳中の母子の距離にあたる。授乳中には子どもを見るよう促されるのは、このためである。

視覚が確立される以前に赤ちゃんはいかにして母親のおっぱいにたどり着くかといえば、匂いだそうだ。赤ちゃんは母親とそれ以外の人の母乳の匂いの違いをわかるという。本能的というのはつまり生存に関わるということでもある。

香りは人の意識を無視して、直接脳へ届く。

香りは好む・好まないを別にして、直接脳へ届くわけだから、意識したときには既に脳に刺激がある状態だということだろう。言い換えれば、香りを用いて痛みの緩和、メンタルコントロール、その他身体の諸症状のケアが可能だということになる。

そんな「香りというメディア」を用いて、特に女性のサポートをしたいと考え、アロマセラピーの研究と実践を重ねていらっしゃるのが、アネルズあづささん。長い前置きになりましたが、ここに記した嗅覚の話もホニャララLIVEの中で、ふんだんにしてくれています。

感覚で選び、香りを着替える。

アロマセラピーに用いるエッセンシャルオイルには、それぞれに効果・効能があり、ネットで調べるだけでもたくさんの記事が出てくる。「喉の痛みには〇〇」「花粉症には〇〇」「自立神経の乱れには〇〇」という感じ。しかし、香りに対する好き嫌いもあるし、以前は好きでもそれがずっと変わらないわけではない。だから、効果を元に機械的に選ぶのではなく、香りを実際に嗅いで、より感覚的(本能的)に選ぶことが大切だとお話されていた。

これを指して「香りを着替える」とおっしゃっていたのは興味深い表現だ。僕たちは季節や天候の変化で着ているものを変える。その日の気分によっても着るものを選ぶ。同じように香りも変えて良いし、薬ではないのだから、選んで良いということだ。

感覚=sense

以前ホニャララLIVEに来てくださった、漢方薬局の杉本格郎さんも似たようなことをおっしゃっていたし、Yujiさんのやっている石(Power stone)の見立ても通づるところがある。感覚という言葉は英語にすると言わずもがな"sense"という言葉である。

「センスが良い」とはつまり「感覚が鋭い・冴えている」ということ。しかし現代的な生活は感覚を鈍化させるにはあまりある便利なものだ。自分の感覚に自信がないときには人を頼ればいい。あづささんのサロンで実際に香りを嗅ぎながら、自分にあったオイルを、セラピストと一緒に選べばいいというわけだ。

心理効果と薬理効果

香り・嗅覚の研究というのはまだまだこれからという部分が多いという。「目に見えない」感覚というのはなんとも扱い難く、他の感覚に比べると遅れている分野だという。

しかし、アロマセラピーの効果は単に「心理的なもの」ではなく、「薬理効果」があることも最近の研究では徐々に明らかにされている。これはオイルに含まれる成分が身体に作用するというもの。

あずささんは現在、大学の医学博士課程にも在籍中だそう。アロマセラピーというと、ときに眉唾物でみる人もいなくはない。「目に見えない」という点ではYujiさんの活動と通づる部分も多い。そんなある種の「いかがわしさ」をアカデミックな文脈を持ってして、明るくしようとされている。

とにかく今回は一度見て欲しい。(冒頭30分だけでも)

やっていることも、そのやり方も、その邁進する姿勢も、人柄も。全てにおいて濃厚な回となったホニャララLIVEでした。

Yujiさんの指摘も見逃せない。日本語の慣用句にある「鼻持ちならぬ」「花がまがる」「鼻が高い」などを引用しながら、「鼻」という機能についての考察は重要だと言える。

しかし、あづささんとYujiさんを話させるととまんない。

2020年7月18日


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