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Hotel K5

瀬戸内に住んでいる友人が用事があって来京するというので久々にお茶することに。聞けばホニャララLIVEにゲスト出演していただいた本間貴裕さんが手がけたHOTEL K5に宿泊しているというので、みてみたいこともありそこまで会いにいきました。K5はカフェやバーが併設された地域密着のマイクロ・コンプレックスですから、お茶も食事も館内で楽しめます。しかもどれも個性的な店ばかりです。

11時までならば朝食が食べられるということで、ラストオーダーギリギリに行ってブランチ的な感じにしました。僕はホテルの朝食が大好きです。僕は普段朝食をとらないのですが、ホテル滞在時の朝食は確実に頂きます。ビュッフェなんてあろうもんなら興奮がおさまらない。

でも最近気づいたんですけど、ビュッフェにときめいてみるものの結局選ぶものはいつも同じなんですよね。パンに美味しいバターにソーセージがあれば良いみたいな。時々気まぐれに粥とか食べるけど。K5の朝食はバターが絶品でした!

ちなみにこの友人というのがまたパワフルな人物で、映像制作の現場でプロデュースやら海外からの制作チームのコーディネートやらをやっていたのですが、久しぶりに会ったら瀬戸内でホテル業に携わろうとしているというのだからびっくり。軽やかな転身。本心は知らんけど、僕からみてすごいなと思うのは全く臆することなくこういう大胆なことをやってのけるところ。K5関連施設でホテル業の勉強をしているらしいのです。

それでなのかなんなのか、理由は結局よくわからなかったのだけどなんかK5を見学させていただける流れに。ホテルスタッフの方にアテンドして頂き、スイートルームからスタジオタイプのお部屋までぜーんぶ見せていただきました。

K5が入っている建物は築100年近い旧第一銀行別館をフルリノベーションしたもの。現代建築では少なくなったとても重厚な作りをした建物です。デザインはスウェーデンのデザインチーム、CLAESSON KOIVISTO RUNEが手がけたそうですが、北欧のセンスによる日本人の美意識を再解釈したかのようなデザインは、とても居心地がよかったです。僕ここで自分の仕事したい。

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スイートは天高が5m近く(5m以上?)あるのでとても開放的です。それでいて木の質感、和紙のランプシェード、畳のスケールのラグなど日本人が身体感覚で覚えている表情が随所に現れるので、安心感をえらえる空間でもあります。海外からの利用者にとっては日本的に映るんじゃないかな。デイユースも可能だそうですからお誕生日とかにどうですか?

廊下だけみると和風の旅館っぽくもある。でも床のタイルはとても北欧らしいスタイル。

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どの部屋にも個性があり面白かったです。それぞれの部屋をイメージしたレコードとターンテーブルが設置されていますから、音楽を聴きながら旅や仕事を楽しむこともできます。

「お・も・て・な・し」というと、なんか懇切丁寧に対応することのような勘違いを生みがちですが、おもてなしは英語だとhospitality(ホスピタリティ)。hospitalityの語源はhost(主人)やhospital(病院)と同じラテン語のhospes(ホスピス)だそうです。巡礼中に怪我や病気をした人を治療することから転じたそうですが、それは単に優しくすることではありません。hospitalityの基本はhostが示すように、主人と客とを線引きすることから始まります。茶席の亭主と客の関係の方が正しいおもてなしなんだと思います。亭主はサービスの提供者ではありません。亭主にもしっかりと意図があるわけですね。

K5はとてもホスピタリティの高い施設だと思います。それは前述の通りスタッフの皆様の親切な対応がそうさせるのではなく(もちろん親切なんですけどね)、自分以外の誰かの場にやってきたということを強いく感じさせてくれるるからです。誰かがセレクトした小説なんかも置いてあったりして。

デザインやサービスの完成度の高さは、利用者に迎合するのではなく、自信を持って自分たちの空間にゲストを迎え入れるためのものなのだろうと思います。旅とは本来そういった普段の居場所ではない空間や時間を味わうものだと思いますから、K5で過ごす時間は旅を豊かにしてくれるでしょうね。

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ところで、宿泊してないんだから体験したとは言い過ぎですね。でもまぁ滞在したフリはしてみた(させられた)けどね。

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