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現金給付による消費促進は社会を元気にする


 YOUUBERのDaiGo氏が生活保護者やホームレスには生きている価値がないという内容の話をし、「優生思想だ」と批判が高まっている。多額に収益を得る人に価値があり、低収入の人たちには価値がない、というようなエリート的な傲慢な病的心理の表れだ。納めた税金がそのまま次年度の予算となるわけではないとか、頑張っているいないにかかわらずすべての人には生存権がみとめられているという基本的にな認識が欠けているなどDaiGo氏の発言には様々な論理破綻があるが、ここでは、消費をすることが十分価値があるということを明記したい。
「生活保護受給者が贅沢するのはおかしい」という論調はよく日本の中で散見される。年収200万円で働いている人よりも、生活保護をもらった方が楽に家賃などが払えて生活ができるのでずるい、という発想だ。発想を個人単位でみて、その優劣を見比べるとそのような発想になる。しかし、視野を社会全体に広げてみるとどうだろうか。

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日本銀行が2021年に発表した消費活動指数をみると、消費者動向はコロナ以前2015年を100として、コロナ後に85まで下がり、2020年末に一度94まで戻るも2021年8月には92と停滞している。一部パスタやチケットなどネットショップを活用した巣ごもり消費が増えているものの、外出して行う消費は全く伸び悩んでいる状況だ。
 日本の問題は「消費をする贅沢を一部の人たちがしている」ということよりも「全体的にお金を使わない。社会にお金が回っていかない」ということに問題があることがわかる。誰かの消費は誰かの仕事を作っているのだ。2020年の国民全員10万円給付は消費を後押しした例を見てもわかるように、お金を再度給付することが必要だ。たとえそれが生活保護の受給者だとしても消費をしてくれることは社会全体を活性化させる善行だと認識するべきだろう。実際には生活保護受給者は生活に最低限の収入となるため、現状の収入にプラスして給付するベーシックインカム、国民全員10万円給付の持続化給付金のような制度が消費を伸ばすだろう。実際に現金給付を4回したアメリカでは、4月から先月までのGDP=国内総生産は、前の3か月と比べて6.5%の伸びとなり、GDPの規模が感染拡大前の水準を超えました。GDPのおよそ7割を占める個人消費が11.8%と大幅に伸びたほか、設備投資も8%伸びました。ワクチン接種の広がりで経済が復活したほか、200兆円規模の現金給付を含む大胆な経済政策の効果が如実に表れた結果だといえる。
一方日本は、総額73兆円のコロナ経済対策費を用意したが、また企業や個人への支援策も事務手続きと応募・審査が厳しいものが多く、コロナ経済対策費のうち30兆円を使い切れなかった。単純にこの30兆円を全国民に配ったとするなら、赤ちゃんからお年寄りまで皆に25万円を給付できる。再度の10万円現金給付や、持続化給付金のように広く多くの市民に給付を行い、消費を促進することが一番の解決法である。

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