見出し画像

フランス国立図書館“Gallica(ガリカ)”で怪奇幻想文学を検索してみる

Gallica(ガリカ)は、フランス国立図書館が運営する大規模な電子図書館で、ウェブ検索に加えてAndroid・iOSアプリも提供されています。

Gallicaの最大の特長は、全ページ閲覧・ダウンロード可能な資料が非常に多いことです。

まだ十分に使いこなせていませんが、怪奇幻想文学の資料をいくつか検索してみました。


Gallicaでの検索結果

La morte amoureuse Théophile Gautier (1811-1872)

テオフィル・ゴーティエ「死霊の恋」田辺貞之助訳)の原著です。美しい挿画もそのままに読むことができます。
また、Gallicaではテオフィル・ゴーティエの作家特集記事が組まれています。

Le Horla Maupassant, Guy de (1850-1893)

モーパッサン「オルラ」のイラスト付きのバージョンです。

また、オルラの映像化作品もGallicaで視聴することができます。

La Vénus d'Ille Mérimée, Prosper (1803-1870)

メリメ「イールのヴィーナス」です。これらの邦訳は岩波文庫『メリメ怪奇小説選』や『エトルリヤの壺』で読むことができます。

映像化作品も視聴可能です。(「イールのヴィーナス」は56:18から)

Contes fantastiques Nodier, Charles (1780-1844)

ノディエの幻想作品集です。「幻想文学について( Du fantastique de la Littérature)」、「スマラまたは夜の悪魔たち( Smarra ou les Démons de la nuit)」などを読むことができます。

Gallicaに関する日本語資料

東京大学附属図書館アジア研究図書館コラム「世界の図書館から」

Gallicaの概観と簡単な操作方法を記載したコラム。2017年12月1日が最終更新となっているため、UIは現在のものとは大きく異なっている点に注意。

人文学研究の進め方④電子図書館"Gallica"の使い方(ライブドアブログ「文系大学院と進路について」より)

Gallicaスマホアプリの簡単な使用方法を記載したブログ。

「フランス史研究におけるオンライン情報の活用」

山本成生氏によるオンラインデータベースのまとめ。

データベースの活用講座(愛知県立大学)

PDF中、7ページにGallicaの記載がある。記載はわずかだが、各国のデータベースを紹介している点が貴重。

原綴りの確認方法

怪奇幻想文学関連の作家名や作品名の原綴りを確認する際、雨宮孝氏作成の「翻訳作品集成」は非常に有用です。また、Google検索で日本語の情報を調べた後、各言語版のWikipediaで原綴りを確認する方法もあります。

翻訳作品集成」での検索方法

  • 雨宮孝氏の「翻訳作品集成」は、海外の文学作品が日本語に翻訳された際の書誌情報や翻訳者名などを網羅したデータベースです。怪奇幻想文学に限らず、SFやミステリーなど幅広いジャンルの翻訳作品を調べることができます。

  • このデータベースを利用することで、例えば、ある作家の作品がフランス語でどのように表記されるのか、あるいは、特定の作品が過去にどのようなタイトルで翻訳されたのかといった情報を確認することができます。ただし、全ての作品で綴りを確認できるわけではないため注意が必要です。

  • 白水社『フランス幻想文学傑作選』

  • 国書刊行会『19世紀フランス幻想短篇集』

Wikipediaでの検索方法

  • Google検索で日本語の作家名や作品名を入力し、検索結果として表示されるWikipediaの各国語版(フランス語版、英語版など)のページを確認するという方法も有効です。

  • Wikipediaの各国語版は網羅的な記事となっていることが多く、出典も丁寧に記載されているので非常に便利です。(真偽の不確かなエピソードを書き連ね、トリビアリズムに堕する日本版Wikipediaは何とかしてほしい。)しかし、記事によって情報量にばらつきがあり、作品名のリストが無い場合や、そもそも記事自体が存在しないなど、必ずしも欲しい情報が掲載されていない場合もあります。

いいなと思ったら応援しよう!