酸素
昔、大阪の「有名な占い師」称されている人に占ってもらったことがある。
その人に言われたことの一つに「貴方は男性からパワーを吸い取る人間だから、男性のいる環境で生きなさい。もし女子の友達をつくる時は、男っぽい要素のある友達の方が貴方はいい。」というものがあった。
これを言われた時、自分が途方もなく男たらしな気がして、あんまり心地よくはなかったが、自分の人生を振り返ってみてストンと納得してしまう不思議な感覚を味わった。
そして、いま。
私の職場は男性が多い。そして勤務している女性の大半は男性の要素が強い。
とてつもなく私は息がしやすいことに毎日驚いている。占いの通りなのだ、正しく私が選び取り楽しんでいる今この時間は。
女ぶる必要も、男っぽく振る舞う必要も無い。ただ「自分」として生きることが許されている。
男女問わず、才能や個性に煌めく先輩たちに囲まれて、自分が先輩たちに抱く感情が好意に近いのではと錯覚するほどに職場を愛でている。
残業が日に日に膨らんでも、自分の実力が理想に追いつかなくて悔しさを感じても、自分のパートナーがなかなか見つからなくても、親から理不尽な押さえつけられ方をしても、私は人生の大半を息が出来る環境で生きられている。
こんなにも幸せなことがあるのだろうか?
こんなにも幸せで過ごせてしまっていいのだろうか?
鼻を冷たい風につつかれながら、全身に駆け巡る酸素の輝かしさを大切に帰るとしよう。
過去の自分よ、ありがとう。