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信州まつもとで、集い・学び・つながり合う『ALPSCITY FORUM・MARKET』レポート

「ワクワクする地域を作っていくために自分も何かがしたい!という人たちが集い・学び・つながり合う」をテーマにしたALPSCITY FORUM・MARKETが10月29日〜30日の2日間にわたり、長野県松本市で開催されました。

松本市内の風景

ALPSCITY FORUM開催への想い

ALPSCITY FORUM及びALPSCITY MARKETは、一般社団法人エディションフォー・スタディーズによる企画・運営で実施されました。代表の山本達也さんの以下の想いから開催されたイベントです。

今年の4月から東南アジアを中心に海外生活をしています。戦争も、エネルギー問題も、インフレも、どれか1つでも深刻な大問題ですが、まとめてやってきてしまっています。「コロナ後」は「コロナ前」とは違う。世界は変わってしまった。
久しぶりの海外生活で、そんな実感を強めています。「サバイバル時代」がやってきたのかもしれません。そんな中で、「地域」はますます重要になると思っています。21世紀に中心的な役割を果たすのは、自然環境(アルプス)と都市文化(シティ)とが融合したアルプスシティだと思い、ご縁があった信州まつもとに移住して10年が経ちました。その間、信州まつもとの中の方、外の方含め、「これからの地域」について考え、具体的な行動を起こしている方々に数多く会ってお話を伺う機会を得ました。これから「地域(ローカル)の時代」が加速すると思います。そんな思いから、「ワクワクする地域を作っていくために、自分も何かがしたい!」という人たちが、集い、学び、つながり合うための場所として、「アルプスシティ・フォーラム」企画しました。

山本達也さんのFacebook投稿より抜粋

今回のイベントでは、同じく一般社団法人エディションフォー・スタディーズが運用する、信州まつもとエリアのコミュニティ通貨「AC pay(ALPSCITY pay:アルプスシティ・ペイ)」を決済ツールとして利用いただきました。

信州まつもとエリアのコミュニティ通貨

AC payは、共感コミュニティ通貨eumoのプラットフォームを利用した、地域型のコミュニティ通貨であり、2020年にリリースしました。

国宝の松本城を中心に広がる城下町まつもとは、自然環境(アルプス)と都市文化(シティ)とが心地よく融合したアルプスシティであり、これこそが21世紀の都市の在り方であると説く山本さんが「新しいカルチャーと世界観の創造」を目指し作られたコミュニティ通貨です。

地元になくてはならない大切なお店では、ただ払うのでなく「贈るように払ってみませんか?」という提案のもと、信州まつもとエリアの素敵なお店が加盟店となっているAC payの詳細はこちらをご覧ください。

ALPSCITY MARKET

イベント会場は、松本駅前から徒歩5分程の場所にあるAC pay加盟店の壱山宿場さんで開催されました。江戸時代に旅館として建てられ、その後デザイン専門学校として利用されていた建物を改装して開業された壱山宿場さん。歴史的な雰囲気を残しながら、食事処、ゲストハウス、レンタルスペースを営んでいます。

白壁と黒の土蔵が美しい壱山宿場さん
デザイン学校時のロゴも味があります

ALPSCITY MARKETは、「街の人たちが自然と持っている得意なこと(=ナチュラルな才能)を持ち寄って他の人のために活かしていく」ことをコンセプトとし、開催されました。例えば、音楽が得意な人がちょっとしたライブステージを、裁縫が得意な人が手芸ワークショップを、木工が得意な人が子ども達向けに木工ワークショップを開くなど。マーケットを通じて、信州まつもとならではの美味しい食べ物や飲み物を楽しみながら、様々な人に出会い、豊かな自然や人の魅力を再発見してもらいたい、そしてその間に入る、人と人を繋げるツールとして、お支払いは「贈るように払おう」がコンセプトのAC payを利用いただける場面を盛り込んでいただきました。

AC payは、チャージ後3ヶ月で有効期限が切れる通貨です。しかし、ただ失効するのではなく、有効期限を迎えた通貨のうち7割をユーザーに再配布、3割を地域課題解決に関するプロジェクトに利用されます(コミュニティ通貨毎に再配布の割合と使い道は異なります)。また、ギフト機能を有しており、決済時に定価に対し、ご自身の好きな金額を上乗せしてお支払いすることが可能です。ギフト機能で街の好きな加盟店を応援、有効期限を迎えた場合でも「地域の未来に投資する」ことのできるデジタル通貨を多くの方に体験してもらう場となりました。

AC payでの支払い場面

AC payでの支払いを通じ、加盟店とユーザー同士のつながりが生まれる工夫の一つとして、アプリでは、加盟店毎に、決済完了後の写真・メッセージを設定いただけます。ALPSCITY MARKETで支払うと、以下のようなイベント限定メッセージが!

決済完了後の画面

ALPSCITY MARKETの出店者のうち、加盟店さんの一部をご紹介いたします。

スイーツで贈ることを楽しむ(Sweets&Suites)

eumo加盟店のSweets&Suitesさんは、イベント限定のスイーツを出品。Sweets&Suitesさんはeumo加盟店ですが、今回のイベント限定でAC payでの支払いを受け付け、以下の取り組みを実施いただきました。(※通常、1加盟店1コミュニティ通貨の利用となります。今回はイベント限定での取り扱いとなります。)

マーケット来場者の希望者へ、ハロウィン・スイーツをプレゼントします。ルールは1つだけ。「スイーツをもらった嬉しい気持ちを自分なりに表現してみてください。」どうぞ、難しく考えないでください。「ありがとう」の言葉だけでも構いません。紙やペンを用意しておきますので、文字や数字や絵で表現してもらっても構いません。もしも、良かったらAC payも使ってみてください。感謝の気持ちを地域通貨で「贈るように払う」ことができますし、ソーシャルメディアのようにコメントやメッセージを書き込むこともできます。気持ちには様々なカタチがあって良いと思います。「地域通貨投げ銭」による「ありがとう」の表現も歓迎します。お互いが「贈り合う」とどんな気持ちになるのでしょう?「贈った時」「贈られた時」の気持ちを素直に楽しんでみませんか。

「贈ることを楽しむ」というコンセプトのもと、お菓子のお礼として、必ずしもお金である必要はなく、「ありがとう」という言葉、メッセージ、おもちゃのお金、自由に表現してください。と、「商品の対価=お金」という考えから解放される、とても不思議で、スイーツを受け取った方々が、考え、思い思いの方法で感謝の気持ちを伝えている姿が、とても素敵でした。感謝の表現の一つとして、ACpayでの投げ銭も提案いただきました。

AC payでの支払い場面
「贈ることを楽しむ」ための様々な表現方法

ALPSCITY FORUMでの登壇者、ALPSCITY MARKETの出店者として参加させていただきました。ALPSCITY FORUMでは「複業」「地域通貨」という観点でお話しさせていただき、参加者の熱心な眼差しが印象的で、何かを始めようとされていることを感じます。私自身、応援されたことがきっかけになり、私も応援することが好きになった、という「応援による好循環」をお伝えできていれば嬉しいです。ALPSCITY MARKETでは、複業である「スイーツ」を出店させていただき、投げAC payによりたくさんの応援をいただき、帰ることができました。興味深く、楽しそうに話しかけていただける皆様の笑顔に元気をもらい、今後も松本、長野、を応援していく活動をしたいと強く思いました。ありがとうございました。

Sweets&Suites 西山勇太さんのコメント

西山さんのブログでは、今回のイベントを通じた循環経済についてより詳しく書かれていますので、是非ご覧ください!


「みみず」とおはなししよう(株式会社みみずや)

「『みみず』のいる場が増える」を掲げ、自らもエコシステムの一部として目の前の地域課題に対峙する傍ら、長野県飯綱町で、『みみず』のような生き方をする人が増えるための普及活動を行なっているみみずやさん

eumo加盟店であるみみずやさんは、今回のALPSCITY MARKETでみみずコンポスト観察 & 作成体験のワークショップを開催してくださいました。

みみずや副代表 滝澤さんと、みみずコンポストに興味津々なイベント参加者

さらに、ワークショップへの参加者(みみずコンポスト作成・持ち帰りを通じて、生ゴミ処理に協力いただいた方)にお礼としてACpayをギフトするという「逆ギフト」という取り組みを提案・実践してくださいました(※通常、1加盟店1コミュニティ通貨の利用となります。今回はイベント限定での取り扱いとなります。)

「逆ギフト」を受け取るワークショップ参加者

みみずやでは家庭用ミミズコンポストの出店に初挑戦しました。また、AC Payの「贈るように通貨のやりとりができる」ということの可能性を検証するため【逆ギフト】という形で、来店者の方にAC Payをギフトするという実験をしてみたところ、「貰ったAC Payを使って他のワークショップ参加してきました!ありがとう!」そんなコミュニケーションや、予期していなかった繋がりが生まれました。マーケットとしての出店者と来店者(与える側と払う側)という関係性がほぐれ、本来あるべきコミュニケーションや、エネルギー(お金を含む様々な手段)の流れを根本から考えることができる、とても有意義な機会になりました。

株式会社みみずや副代表/滝澤さんのコメント

ALPSCITY FORUM

ALPSCITY MARKETと同時開催されたALPSCITY FORUMでは、以下5つのテーマでセッションが行われました。

<各セッションのテーマ>
1.デジタル地域通貨が加速させる地域コミュニティの未来
2.Living with Nature!
3.地域の本質の深掘り
4.働き方の未来(複業×地域コミュニティ×地域通貨)
5.旅の未来×地域通貨

フォーラム風景(デジタル地域通貨が加速させる地域コミュニティの未来)

全てのセッションにおいて、「地域の未来」に関する深く・熱い議論が行われました(本フォーラムはアーカイブの公開は行っておりません)。

ALPSCITY FORUM・MARKETでのコミュニティ通貨の取り組み

イベントでは、コミュニティ通貨を使った以下の取り組みを実施いただきました。

  • フォーラム入場チケットのAC pay払い

  • 日本円とACpayでの異なる価格を設定

  • イベント運営費用のクラウドファンディング

フォーラム入場チケットのAC pay払い

ALPSCITY FORUMへの参加は無料ですが、AC payへの一定額のチャージをお願いするという取り組みを実施されました。これにより、会場で販売されているランチ、飲み物、ワークショップなどに参加いただくなど、フォーラムへの参加をきっかけに、多くの方にAC payをご利用いただくきっかけを作ってくださいました。

日本円とACpayでの異なる価格設定

Sabou しがさんの「秋の里山彩り弁当」ACpay払い場面
お弁当の容器は、信州まつもとエリアで伐採されたアカマツで作られたものを使用
お弁当の購入を通して「もっと木を使う社会へのシフト」に向けたプロジェクトに参加できる仕組みです

ALPSCITY MARKETで出店された一部店舗で、同商品における日本円とAC payで異なる価格を設定されました。「Sabou しが」さんのお弁当の場合、日本円払いでは1,100円(1,000円+税)、AC pay払いでは1,000ALP(ALP:アルプ, 1ALP=1円)と、AC pay払いの方が低い(税率分が差し引かれている)金額となっていますが、AC pay払いでギフト(定価の10%)を贈ると、日本円と同額となる仕組みになっています。この価格設定は、山本さんが、多くの方に「ギフトを贈る」体験をしてもらいたいという思いから実施されたものです。

クラウドファンディング

eumoアプリの個人間送金機能を利用し、クラウドファンディングのような形でイベントの運営費用を募り、多くの方からACpay、eumoを贈っていただきました。集まったACpay、eumoは、加盟店へのお支払いや、ボランティアスタッフの方へのお礼として利用されます。※eumoプラットフォームでは、加盟店に対し、商品・サービスの対価のない寄附行為にはご利用いただけません。

今回、初めて、イベント運営費用を「投げALP」「投げeumo」でミニクラファンのような形でご協力をお願いしました。一人でも、二人でも、反応してくれたらいいなと思っていたら、、、、もう、ビックリです。
直接面識のない方含めて、「はじめまして。応援しています」というようなメッセージ付きで、eumoアプリの「送金リクエスト」が次々と。
なんと!!!!今のところ合計で95,678ALPの、あたたかいご支援を頂きました。この場を借りて、心から御礼申し上げます。
「今のところ」というのは、特にお願いをしているわけではなかったのですが、「フォーラムとても充実して勉強になりました。勉強料です」といった趣旨のメッセージとともに、「投げALP」してくださる方がパラパラいらっしゃったから。
マーケットでは、アルプスシティ・コーヒーの販売ブースも出しました。デフォルトで10%の設定のところ、なんと「15.1%」のギフトを頂きました!涙
フォーラムの中で、 西山 勇太さんが「応援されると応援したくなる」っておっしゃっていました。僕も、今、その気持ちがよーーーーーくわかります。AC payの加盟店の皆さま、関わってくれる皆さま、本当に素敵なんです。もう、全力で応援します。そして、自分と関わりを持ってくださっているみなさまに対しても、僕が出来ることは総動員して応援したいと思っています。応援もギフトも、「前に前に」回していくということで!AC payのpayは、Pay forwardのpayでもあるので!地域のための、そこに暮らす人たちの、そこを訪れる人たちの笑顔につながるようなpayになりたくて、AC payは、挑戦を続けていきます!今回のイベントに関わってくださった、すべての方に、改めて心からの御礼を申し上げます!ありがとうございました!

山本達也さんのFacebook投稿より抜粋

コロナ禍で、リアルでの「繋がり」を感じられる場面が少なくなる中、未来の地域のために考え・行動している熱い方々が集い語る場(フォーラム)、活動を応援できる場(マーケット)を通じ、参加者の皆さまそれぞれが感じ・得たもの、期待が上記、個人間送の金額、ギフト率として、数値に現れていると感じました。

共感コミュニティ通貨eumoでは、現在、長野県松本エリアを中心としたAC payを含め、11つのコミュニティ通貨が立ち上がっています。

「地域通貨」というと、行政区域(市町村)で括られるものが殆どですが、eumoでは「地域」ではなく「コミュニティ」にこそ価値があるという考えから、「地域通貨」ではなく「コミュニティ通貨」と呼んでいます。実際に、AC payも展開場所を松本市内に限定しておらず、「信州まつもとエリア」と表現しており、松本市の隣に位置する安曇野市にもAC pay加盟店があります。

その他、「フェアトレード」をキーワードに、全国規模で展開しているフェアトレードコインというコミュニティ通貨もあります。

"大切にしたいものを大切にする"ための一つのツールとして「コミュニティ通貨」の組成・コミュニティへの加盟にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

編集後記

今回のイベントでは、AC payのコミュニティマネージャーである山本さん(実は大学の先生なんです!)のゼミ生をはじめ、共感で集まってくださった方々によって運営されていました。
学生さん達は、イベントのお手伝いの合間をぬってACpayを使ってお買い物をしラリ、フォーラムにも参加されていました。たくさんの人・物に触れ、刺激的だったと笑顔でお話ししてくださった学生さんの笑顔が忘れられません。

イベント前、ACpayでの支払い方法をレクチャー

eumo事務局員も、人生で初めてフォーラムのファシリテーターを務めさせていただいたり、ACpay運用のお手伝いの合間に、ユーザーとしてマーケットを楽しませていただきました!

会場入り口で開催されていた刻印キーホルダー作りは、お子さん連れでとても賑わっていました

こちらの刻印キーホルダーワークショップは、なんと1回200ALP(日本円払いも可)!お店の方から丁寧なアドバイスを受けながら、初心者でも素敵なキーホルダーができました。これはたくさんギフトを贈りたくなりますよね…♡

使えば使うほど味が出る牛革のキーホルダー!

フォーラムでは、事前予約制(人数制限あり)ということもあり、地域通貨に関心のある方や、地域を盛り上げたい!という強い思いを持たれて活動されている、熱い方々ばかりでした。(このフォーラムをきっかけに協業が生まれそうな動きも…!?)

マーケットでは、お子さん連れなど、地元の方々にも多く参加いただきました。「贈るように払おう」というコンセプトを体感できる、様々なアクティビティを企画してくださった山本さん、改めて素敵なイベントをありがとうございました!

フォーラム登壇者・参加者の集合写真(西山さんのスイーツと共に)

eumoでは今後とも共感が循環する社会の実現に向けて活動してまいります。
共感コミュニティ通貨eumoの詳細はこちら。

ALPSCITY payの詳細についてはこちら。

最後までご覧いただきありがとうございました!


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