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安倍晴明オニと出会う

 安倍晴明の前に鬼が出現す。怪奇な外見の鬼は髪は茶色で肌が褐色。鬼にしては小柄だ。

「すごい……尊い……マジモンのセーメー様じゃん。超ありがてえ……」

「何をいっているかわからんな」晴明は苦笑した。自身を女学生と呼ぶが、それも不明である。

「して、背中のものは」

「あ、これですか! えっと、平安時代って結構ヤバイって聞いてたんで、服たくさん! ナノマシン! テーザーガン!」

「やはりわからん」晴明は笑った。幼子のようでおかしみがある。「しかし、その平安時代とは?」

「え。だってここ平安京じゃ」

「ここは大安京だが」晴明は外を見せた。上空では多頭龍と犬神が相撲を取り、庭園では小型天狗が働く。先日も晴明は“えるふ”の国を旅し、元老院と会談したばかりである。

「ここ……異世界……」

「案内も兼ねて見回りしよう。ついて参れ」

【続く】

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復路鵜
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