![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/64806248/rectangle_large_type_2_c1b17924b1b01da0c9106d07191529cb.jpg?width=1200)
葬頭河総務係補佐
三途の川は広い。留吉が泳いで渡ろうとすると般若の顔で渡し守が飛んできた。
「ちょっと! ちゃんと船に乗る!」
「どうせ順番待ちだしいいじゃん。俺、前世が病弱でさあ、いますごく健康」
「マニュアル通りにしろ。さもないと石積み送りだ」渡し守は川辺で手を動かす少年少女を指さした。賽の河原。親より先に死んだ罰で石を積むが、積まれた石は鬼が破壊していく。
「あいつらが反乱起こしたらどうするんだろうね。石って痛いぞ」
「おだまり! さてお前の来世だが……ミミズか」渡し守は書類をめくる。
「ウソだろ、どうにかならないのか! なんでもするから!」
「おだまり! そういうのは大王の仕事だ。一介の渡し守にはどうにもならん……あ」渡し守は河原を指さした。少年少女はせっせと仕事する。
「あの河原は定期的に鬼が寄るが、鬼って裸足だろう? 石が足の裏に刺さって痛いって苦情が多いんだ。それを減らしたい」
「まずそんな制度やめろよ」
【続く】
いいなと思ったら応援しよう!
![復路鵜](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22468084/profile_3aa6db1174a089c36dd346c1f7649480.png?width=600&crop=1:1,smart)