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逆噴射小説大賞の自作そして備忘録
メキシコへようこそおかえりなさい。
逆噴射小説大賞2018が終了しました。みなさんお疲れ様でした。
わたしは途中で搭乗しているドローンが墜落したり、ユニコーンのホーリーガスに苦しめられたり、三途の川に放り込まれたりとさまざまなアクシデントが発生しましたが、どうにか生きてこの文章を書けています。みんな、実力者だなあ……まだまだ井の中の蛙です。もっと筆を強めたり色の幅を伸ばさなければ。
今回提出できた作品は14作。逆噴射小説大賞が開催された辺りに「なにか出してみるか……」と考えていた心象から見ればなかなか上出来です。目印も兼ねて、今回提出した作品を振り返りたいと思います。
1:葬頭河総務係補佐
極限状況からのリバイバルを書きたい、と思っていたらスタート地点が三途の川になりました。極端って大事。
最初は奪衣婆(三途の川を渡る亡者から服を剥ぎ取る妖怪)を守銭奴にして、服マニアにして、武器マニアにするか……と考えていたのですが、いろいろあって渡し守に出てもらいました。
賽の河原で石を投げるくだりは、実は過去作でちょっと書いています。
過去作はこちら→石投げ
2:棺桶営業
ドローンがあるんだから乗ったり住んだりできるのでは? という発想からの一品。SFというよりは近い。
搭乗用ドローンに引きこもれば家にいながら海外にいけるのではないか? その前に空中警察に止められるのではないか? そもそもそんなドローンが乱立してたらそこかしこで事故るのでは? 鍵が開かなくなったら空中埋葬では?
もっとドロドロした感じに書いていければと思います。
3:安倍晴明オニと出会う
和風と見せかけてまさかの異世界! というトンデモ感を出したかった。
このオニ、多分風水とか物忌とか知らないでこの世界に来たな……!
でも安倍晴明ならどんな状況でもクリアしそうな気がする。だって安倍晴明だし。スーパー陰陽師だし。
4:ニャンニャンウォーズ
ネコ+超能力。かわいい生き物が戦争するってスゴイ。
おそらく〈キャッツアンドドッグス〉辺りから着想を得た作品。
しかし外国人を描くと比率がかなりロシア系になる不思議。好きなの?
5:たとえ死が私を歩もうとも
ホラー導入。モンスターがマンホールや茂みから出てくるのは名作『IT』を思い出します(映画観てない)。
ITだとKKKの辺りと爆発した鉄工所のところが好きです。
6:アブダクション・アブダクション
別バージョンから改稿しました。ヒーローは遅れて暴れるもの。
異星人の造形を考えるのはワクワクします。角はもちろん、折りたたみ式の翼とか入ってるとタノシイ。男と女の区別はどうつけるか。
7:ファミリア・ファイアリング・ファミリィ
別バージョンから改稿した一作。別バージョンだと姉は二人ぐらいでしたが、今回の改稿にあたって大幅に増築しまして八人ぐらいになりました。もっと増やしてもいいかもしれない。
姉妹で世界を牛耳りあってるとか、ロマン溢れません?
8:パラレル・レース・ロイヤル
バトルロイヤルより長距離レースのほうが収入が見込める……ビジネスチャンスではありませんか? 人々。
聖なるものってあまりガス使わない印象なので、今回はユニコーンに使ってもらいました。魔法少女にも暴れて欲しかったのですが字数制限。
9:ミスター東洋と俺
パルプといったら探偵だろう! と思っていたら依頼人のほうが強そうに見える。
ストーリーを牽引するには人物造形大事と気付かされる一作。
依頼人はおそらく王族……カネに物を言わせて彼女と結婚しようとするが、拒否られて急にハンドメイドのアクセサリを作り出す……そんな感じ。
10:バディ・ノーバディ・マイバディ
このジョン強い(確信)。
ジョンは無意識に色気を振りまいていますが、自覚なし。猥雑はやめて!
だがパンチが一級品なおかげで主人公は自分を取り戻したり暴力の香りも戻ってくる。
11:ファンタジイ・オブ・ザ・デッド
エルフ+ゾンビとか面白いやん? と書いた作品。完全に道程がホラー。
『World War Z』みたいなつくりにしたいのですが、開幕噴射でそこまで持っていけるかどうか。
WWZだと映画監督のエピソードや豪邸立てこもりエピソード、最後の人々が次々移り変わるシーンが好きです。つらい。
12:出会いの未確認のオレンジ色の
人は宇宙服と恋愛できるのか(真理)。
なんか……愛情と恋愛とそういうのがあればできるかもしれない……!
そういう切実な思いが込められた作品。なお呼吸の関係でヒロインはあまり服を脱がないので、主人公は宇宙服と手をつないだりデートすることになる。
13:トライアド・アサシン
「とにかく緊張感とスピードに溢れた奴を書きたい」で発射した作品。
ヘルメスは人格が三つに分割されたため、知覚の変化に伴い一人称も変容した。
核搭載歩行戦車が出てくる作品の世界線じゃないですか? と聞かれたら沈黙せざるを得ない。
おそらく作中時間では一時間以内に決着がつく作品。
ちなみに付近では原潜や空母が待機しており、二十分以内に爆撃される設定です。
14:デザート・ネクロ
砂漠……そうだ遺跡を出そう……ラクダもいるな……それなら行商人は欠かせない!
タイトルは『デザート・ビューティ』(お察しください)をもじった奴にしたいと思いその辺にしました。褐色ってロマンじゃないか!?
以上です。このプラクティスを通してわたしにはかなり発見がありました……キャラとか……400文字でストーリーを見せろ……作品と自分は別なので恥ずかしがらないでどんどん宣伝して虚無の沼から抜けろ……虚無にハマっても作品を出し続けろ……恒常インプットの大切さ……思いつく時に書き溜めておけ……数字に一喜一憂するな……遊ぶのは書いてからだ……タイトルに気を遣え……一行目にインパクトをぶつけろ……
他作家の作品にも唸らされること多数。流されるのがイヤで投稿中はあまり読みませんでしたが、他作家を読んでいると「このアイデア・世界作りは思いつかなかった」が山程あるので勉強になりますし、歯をキリキリさせて「くやしい……おれの文章はちっぽけだ……どうしてあんな感じにできないのだ……スパッと書けるようになりたい……」と思うことしばしば。noteにはすごいやつや面白いやつがたくさんいる……それはたいていの想像を超えている……
しかして、わたしはこの危険と飢えと渇きにまみれたメキシコでサバイブしなければならない……それはあなたも同様だろう。お互いに向上し、力をつけ……水を見つけて生き残り……武器を手にし……縁があればまた会いましょう。
《終わり》
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