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【読書】子供に伝えたいお金との向き合い方
バリバリ仕事して金持ちになって、良い車とか買いたい、と子供が言い出した時に、親としてなんと言えばいいのか?お金の稼ぎ方ではなくお金との向き合い方を教えてくれるモーガン・ハウセルの書籍。
要約
金稼ぎのテクニックではなく、金に正しく向き合うための考え方をまとめた一冊。
金持ち/richと富裕/wealthyは違う。真の幸福と金稼ぎではなく、金含め人生の手綱を握る事。
少し哲学チックなお金の本。特に若い時分に読んでおくとよいかも。子供が大きくなったら薦めようと思う。
1.本の紹介
著者はベンチャーキャピタル「コラボレーティブ・ファンド社」のパートナーでウォール・ストリート・ジャーナル紙の元コラムニストのモーガン・ハウセル(Morgan Housel)。
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本のタイトルは「the Psychology of Money」(2020年刊行)。邦訳あり(「サイコロジー・オブ・マネー」)。
ネットには著者の動画が結構な数アップされているが、どれも長い。唯一見つけた短めの動画は下記。
2.本の概要
通常のマネー書籍とは趣向が異なる一冊で、金稼ぎのテクニックではなく、金に向き合う方法に関して掘り下げる内容になっている。
誰をリスペクトし、誰を忌避するかよく考えること。なぜなら成功者のサクセスストーリーは甘く聞こえるが、それは個人の才能や努力だけの賜物ではないから。個人レベルの成功・失敗ではなく、統計的なパターンと傾向を見よ。
最も取得するのが困難なフィナンシャル・テクニックは、足るを知ること。コンサバに聞こえがちだが、資本主義は人の欲と嫉妬を掻き立てるシステム、金や投資は食べ物と同じで、必要以上に追い求めるとリスクがある。そして金や富は、稼ぎ出すことよりも、キープすることが難しい。
幸福とは、金でも家でも名誉でもなく、自分の人生の手綱を握ることにある。自身の自由と独立と自立を担保するためのツールが金。著者が息子に送った言葉が秀逸だったので抜粋紹介
You might think you want an expensive car, a fancy watch, and a huge house. But I'm telling you, you don't. What you want is respect and admiration from other people, and you think having expensive stuff will bring it. It almost never does - especially from the people you want to respect and admire you.
金持ち/richと富裕/wealthyは異なる。富は目に見えない財産であり、使われなかった収入である。富は人に選択肢や柔軟性を与えてくれる。柔軟な選択肢を持つということが、競争社会を生き残る術となる。富を築くには、自分が満足する生活レベル以上の支出をしないで貯蓄すること。

自分も含め人とは変わる生き物。変化に応じて、サンク・コスト(例: 学部時代の専攻など)を無視して自分のプランも変えていく必要あり。
3.コメント
面白い。
資本主義社会は人々の欲望と嫉妬を掻き立て競争させるシステム。人は他と自分を比較し不満を洩らす。だからこそ、足るを知るが重要、といった感じのメッセージ。アメリカ人らしからぬ言葉がだが好感がもてる。
結局、自分より稼いでる人、大きな家にすんでいる人、いい車にのっている人、比べたらきりがない。私の夢だった職業についている人もそう。まだ両親が元気な人羨ましい。結局となりの庭は青く見えるように出来ている。特に金になると、嫉妬心は一段と膨らむ。
そんな不平等な世の中で自分がなすべきことはなにか。幸せになること。そのためには自分の人生の手綱を握る。そのためには、お金とも正しく向き合わねばならない。richではなくwealthyになる、そのためには金を稼ぐことが全てじゃない、しっかりsavingしてコツコツ投資が大事、という著者に同意。
私自身の過去を振り返ると、若い時に買ったバイクや車は悪手だったな、大学院留学に金を使ったのは良かったなとか思う。
ある程度裕福になれば、金以外の事に時間を使う余裕が出てくる。「the good life」でも指摘されていたが、人との関係を大事にすることが大事かなと思う。周りを幸せにすること、大切な人との時間を大切にする事。お金や仕事には時間を投資しすぎない、などと思った次第。
最後に一言
少し哲学チックなお金の本で、特に若い自分に読んでおくとよい一冊。お金って大事。でもどう大事なのかは誰も教えてくれない。子供が大きくなったら薦めようと思う。
本記事は、あくまで私がポイントだなと思った部分のみ書き出しまとめているだけです。この概要記事がきっかけとなり、この本に興味を持っていただけたら幸いに思います。
併せて、他の記事もご覧いただけたら幸いに思います。