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Finally Free - 英検1級合格体験記 第2部 一次試験分野別対策法(語彙問題)

第2部 一次試験分野別対策法(1.語彙問題)
一次試験はリーディング、ライティング、リスニングの3技能が問われる。
まずは語彙(大問1)の対策方法について記す。



2-1-1.はじめに

英検1級に挫折する人の中で一定の割合がこの大問1(語彙問題)で心が折れるという。
曰く、
・単純に覚える量が多い
・ネイティブでも分からん単語ばかり
・接頭語・接尾語でも推測できん
などなど。

ひょっとすると英検1級受験者が味わう最初の壁かもしれない。
さながら日露戦争で旅順要塞に立ち向かう日本のようである。

とは言え、こんな単純な問題もそうないのでは?と思う。
つまり、知っていたら解答できて、知らなかったらお手上げ、という至極シンプルな問題が大問1である。
(注:問題の性質としては単純だけど、解くのが簡単というわけではない)

逆に考えると、覚えてしまえばいいだけの話である。
じゃあ、どうやって?というのが気になるポイントのはず。
以下、説明していきたい。

(なお、使用する教材は王道である「でる順パス単」で、筆者は2017年12月に購入した。2021年6月に5訂版が発売されたが、4訂版の方が良いとの声をチラホラ聞く。
以下は4訂版に基づく内容である)

2-1-2.基本方針/ステップ

基本方針:単語に出会う回数をとにかく増やす
Ⅰ.短期間で繰り返す
Ⅱ.派生語・対義語を見つける
Ⅲ.画像検索する
Ⅳ.語源・接尾語・接頭語を絡める
Ⅴ.問題を解く
Ⅵ.似た単語を整理する

基本方針:単語に出会う回数をとにかく増やす

合格した今だから言うが、筆者もまた単語学習には頭を抱えた
振り返ると、やはり単語に何度も触れる・出会うことこそが習得への道のような気がする。

狭い意味では後で説明する短期間での単語帳の繰り返し、広い意味では長文を読んだり、聞いたりして単語に触れることが記憶への定着を生む。

真なる王道は多読によって文中でどう使われているかを知ることと言われる。
ただ、多読による単語習得には膨大な量の文章を読む必要があり、そもそも分からない単語が多いと文章を読み切れないことを踏まえると、単語帳で試験に必要な語彙を身につけておくのは有効だと思う。

Ⅰ.短期間で繰り返す

これは関正夫氏が動画で語っていた方法の実践でもある。
例)1日400個の単語を覚える(見る)
→6日間継続
→これを5サイクル続ける

1ヶ月で単語帳を5サイクルしよう、という試みである。
無論、6サイクルになろうが、10サイクルになろうが数は大いに越したことはない。

この方法で一定の割合は覚えられる。
ざっくり半分ぐらいであろうか。

サイクルが増える毎に
全く分からない
→あれ知ってるような?
→多分、これだろう→これのはず
という感触を得ることができた。

とは言え、これだけでは不十分である。
少なくとも筆者はそうだった。

数サイクル目でも覚えられない単語が多々あり、不安に駆られた。
困ったな。
そこで次の方法を取り入れることにした。

Ⅱ.派生語・対義語を見つける

パス単を短期間に集中して取り組んでいると気付くことがある。
どうも似た単語を前に見た気がする
実際、この感覚は勘違いではなかった。

具体例を見てみよう。(カッコ内の数字はパス単の番号)
・confiscate(0003)~を没収する
この訳の下に名詞:confiscationと記されている。
そして、confiscation(没収)は1051で掲載されている。

他の例を抜粋すると
・exhort(0054)/exhortation(1139)
・demean(0116)/demeanor(0294)
・rebut(0132)/rebuttal(1718)
・extinction(0235)/extinct(1208)
などなど。

これを発見すると掲載されている2400項目が幾分か減ることに気付く。
1つの動詞を覚えれば、その名詞や形容詞は似たものなので、各々で覚えるよりもまとめて覚えた方が効率は良い。

同じ感じで対義語もセットにできる。
・expedite(0044)/impede(1498)
・repatriate(0139)/expatriate(1540)
・implicit(0697)/explicit(1261)
などなど。

さらに同義語についてもまとめてみるのも良いと思う。
・conscience(1629)良心
・scruple(0376)良心の呵責
・qualm(0959)良心の呵責
・compunction(1087)良心の呵責

このように派生語、対義語、同義語をまとめてしまえば、幾分か覚える量が減る。
各々で覚えるよりもまとめてしまう方が効果的だった。

ということで、サイクルを回しつつパス単に書き込みを加えていく作業はオススメしたい。

余談ながら、筆者は通常、参考書やテキストには線を引いたり、マーカーで印をつけることはしないが、この語彙学習だけは例外だった。
線を引く、などの作業は極端に言えばページのほぼ全てに線を入れてしまうという本末転倒が起きかねないから避けている。ただ、この辺については個人の自由なので各自が信じるようにすればいいと思う。

なお、類義語のまとめは以下のページがかなり充実している。

Ⅲ.画像検索する

以上を駆使してもなお覚えられない単語はある。
特に具体的なものでなく抽象的な概念を表す単語はなおさらである。
そんな際は画像検索を使おう。

グーグルで単語を画像検索してみよう。
すると、「あ、こういうことね」と腑に落ちるものが多い。
イメージから単語を覚えるのはなかなか有効であった。

ネットでの拾い画像:unabashedly=臆面もなく

注意点としては商品名や映画・ドラマのタイトルになっている単語もあること。そういう場合は「単語+definition」などで検索すると、望む画像が出やすい。

筆者は検索した画像をスクリーンショットし、単語画像のフォルダを作成した。
(最終的にフォルダには545項目の画像が入った)
これも定期的に見ることで触れる回数を増やすことに繋がり、記憶の定着に寄与したと思う。

また、生成AIで画像作成するのも良いかもしれない。
とにかく文字だけでなく視覚を使うのは良い方法だった。

Ⅳ.語源・接尾語・接頭語を絡める

これはひょっとすると派生語・対義語と同じ分類に入るかもしれない。
とは言え、語源を知ることは単語学習の1つの手段である。

「英単語の語源図鑑」によれば、「最も効率的な英単語の覚え方は、語源学習によるものである」と断言されている。
筆者もこの本を購入して2回ぐらい読んだが、「あくまで補助の1つ」と捉えるのがいいのではないかと思う。

というのも、語源からイメージするのは悪くないが、場合によっては遠回りになることがある。
例を出そう。
tend、tens=伸ばす、向ける
・attend:a(~の方へ)+tend(伸ばす)
・extend:ex(外に)+tend(伸びる)
・contend:con(共に)+tend(伸びる)
・pretend:pre(前に)+tend(伸ばす)

このような感じでイラスト付きで解説されていて分かりやすい。
しかし、これらのレベルはもう直接覚えてしまっているものが多いため、都度語源に意識を向けるのは余計に覚えを阻害することもある。

ただ、パス単の学習にも応用できる。
例を置いておこう。
vert=曲がる
・subvert(0103)~を覆す/sub(下に)+vert(曲がる)
・avert(0107)~をそらす/a(離れて)+vert(曲がる)
・revert(0723)復帰する、戻る/re(元へ)+vert(曲がる)
・divert(0787)~をそらす/di(分離して)+vert(曲がる)

加えて接尾語・接頭語を知っておくことも、単語習得の良い足がかりとなる。

例えばirreparably(0675)修復できないほど、という単語を分解してみよう。
repair→repairable→irreparable→irreparablyと変化する。
元のrepairからは接尾語ableがつき、さらに否定を意味するir、副詞化するyがつく流れである。

特に長文問題ではさらに未知の単語に出会うことがしばしばである。
この未知の単語に対して、接頭語・接尾語の知識があれば知らない単語もおよその意味が推測できる点で力を発揮する。

なので、知っておくことに越したことはない。
必須ではないが、極めて重要なサプリメントと言えるかもしれない。

Ⅴ.問題を解く

ここまでのプロセスを粛々と取り組みつつ、実際に問題を解いてみよう。
パス単にも例文は載っているものの、実際の問題(もしくは対策問題)を解くと、「あ、この単語はこういう風に使われるのか」と、かなり腑に落ちることが多かった。

また、問題の性質上、正解の単語が別の表現で書かれている点でも勉強になる。
例えば、次の問題を見てみよう。
Despite being accused of serious crimes, the defendant looked on (impassively) throughout her trial. Many people were disturbed by her lack of emotion.
(2019年度第3回)

ここではimpassively:無表情で、がlack of emotionという形で言い換えられている。
全ての語彙問題が言い換えではないものの、別の表現になる問題は多い。
その点で実際に解くと、単語の性質・意味合いがより浮き彫りになると思う。

加えてパス単の日本語訳だけでは正解に結びつきにくいものもある。
例えばincremental(1964))[形]増加する、と掲載されているが、実際の問題では「漸進的な」なという意味で使われたりする。

実際の問題としてはこちら↓
To avoid confusing customers by suddenly putting a completely new version of its software on the market,
the company introduced ( ) changes over a two-year period.
(2019年度第3回)

このように問題を解くことで新たな意味や違ったニュアンスが掘り出されることもある。
(パス単に掲載されているけど要注意な単語は8.おまけコンテンツ参照)

なお、問題を解く際、習熟度によって変化が見られるので参考にしていただきたい。
レベル1:4つの選択肢が見たこともなくお手上げ
レベル2:選択肢の中にパス単で見たことがあるものが分かってくる
レベル3:消去法で2か3つまで絞れるようになる
レベル4:正答率が上がり出す

筆者はザックリと以上のようなルートを辿ってきた。
他の分野もそうだけど実際に正解できるまでは上記のような成長の過程がある。
恐らくレベル4に達したら単語学習の実感が出てくるものの、そこまでは苦しいので、ある種踏ん張りどころだろう。

なお、筆者は語彙問題強化のためにパス単に加え「語彙問題完全制覇」も使用した。
これは語彙問題がひたすら並んでいる形式の問題集である。

問題を解いて不正解のもの、また、パス単に載ってない単語は念入りにチェックした。
(試験前に復習する際、チェックを入れてるものだけを集中的に確認できる)

過去問と「語彙問題完全制覇」の中でパス単に不記載のものは8.おまけコンテンツにまとめたので、気になる方は確認いただきたい。

Ⅵ.似た綴りの単語を整理する

サイクルを何度も回していき、上に挙げたような工夫を加えると徐々に単語が定着してくる。
一方でどうも似た綴りがあって、どっちがどっちなのかスパっと出てこないこともある。

大問1の最終目標は「なるべく時間をかけずに解く」こと。
イメージとしては卓球の球を跳ね返すごとく、スピード感を持って解きたい。
そこで、上記のようなモヤモヤがあると対応が鈍るため、気になる単語群はノートにまとめることにした。

例えば以下のような感じである。
credibility(0250)[名]信頼
credulity(1101)[名]だまされやすいこと

scruple(0376)[名]罪の意識
scrupulous(0571)[形]慎重な

shrewd(0679)[形]鋭い
shroud(1602)[動]~を覆い隠す

このまとめにより「あれ?どっちだったかな?」という迷いを断ち切ると同時に頭の整理になった。
分量は最終的にはA4で10ページ分に至る。
なので、この部分については8.おまけコンテンツとした。

2-1-3.熟語対策

パス単の最後300項目は熟語編であるが、終盤ゆえに「そこまで手が回らん」「熟語は苦手」という声もチラホラ聞く。
なんだかんだ2100項目の単語と格闘して、さらに熟語300項目というのは心が折れかねない。

ただ、せっかくなので熟語を捨て去るのはもったない。
場合によって、ここでの解答が合格・不合格を分けかねないし。
熟語の攻略について簡単に書く。

Ⅰ.基本方針は単語と同様
Ⅱ.動詞の意味を調べる
Ⅲ.前置詞のイメージを持つ

Ⅰ.基本方針は単語と同様

単語同様に短期間で繰り返す・なるべく多く出会う、が一番効果的である。
加えて、定着がイマイチな熟語は画像検索しよう。

Ⅱ.動詞の意味を調べる

熟語は「動詞+前置詞」「動詞+副詞」等が基本構成なので、動詞の意味が分かれば熟語の意味もイメージしやすいものもある。

例えば、buckle down to(2136)~に本腰を入れる、の場合、buckleを調べてみると「バックルで締める」との意味が出てくる。
その情報を基に再度buckle down toを見てみると、なんとなくイメージがわくでしょう?

別の例だとlash out at(2244)~を痛烈に非難する、場合のlashは「むち打ち」のこと。
こんな感じで動詞部分の意味を調べると、時に視界が開ける。

とは言え、make、take、run、put辺りは元々の動詞に多くの意味が含まれているので、この作戦も万能ではない

Ⅲ.前置詞のイメージを持つ

熟語のもう1つの構成要素である前置詞についてのイメージを持っておくと、記憶・解答のヒントになる。
例えば、ofは分離・結合・所有であり、atは一点、onは接触という感じである。
(真・英文法大全より抜粋)

これらのイメージを頭の中に叩き込むと、単純に暗記するよりも記憶が定着するのではないかと思う。

2-1-4.成績推移・実績

どれぐらいサイクルを回したか、等の記録は以下の通り。

パス単を2023年4月末~6/3(試験前日)までで8周、不合格後の6月下旬~10/7(試験前日)までで9周、計17周。
画像検索は5/13から収集を開始して9/14に終了。
語彙問題完全制覇は4周。

成績の推移については以下の通りである。

実施日:全25問中の正解数(対象テスト)
2019年10月6日:11問(2019年度第2回)*
2023年4月25日:16問(2019年度第3回)
2023年4月28日:14問(2020年度第1回)
2023年5月21日:18問(2020年度第2回)
2023年5月30日:16問(集中ゼミDay30)
2023年6月1日:15問(2020年度第3回)
2023年6月4日:21問(2023年度第1回)*
2023年8月25日:21問(2021年度第1回)
2023年8月30日:21問(2021年度第2回)
2023年10月1日:21問(2022年度第2回)
2023年10月5日:21問(2022年度第3回)
2023年10月8日:21問(2023年度第2回)*
*受験本番、その他は過去問

5月末~6月初頭の水準から6月の本番(2023年度第1回)で自己最高得点が出たことは良かった。
最後まで諦めずに取り組んだ結果かもしれない。
一方、その後に諸々の対策をしてもマックスで21問正解だった。

2-1-5.学習方法論とその留意点

単語の覚え方論争はさながら宗教戦争

ネットを見ていると英語の勉強方法について、日々色んな意見が飛び交っている。
そもそもゴール(学習者が求める成果)が人それぞれなので、方法も違って当然のような気はする。

中でも単語学習については、色んな「派閥」があるように思える。
・単語帳派(1冊を極める派と複数冊こそ最強派、など)
・文脈重視派(多読が一番いいよ派)
・音声・発生派(そもそも語学は音声があってナンボ派)

もはや、これは宗教戦争に近い
我が教義こそ最高・最強と謳っている感がある。
繰り返しになるが、学習者が求める成果さえ出れば、どの方法でもいいと思う。

筆者が上に書いた方法は自分なりに工夫して取り組み、一定の点数を獲得した単なる一例に過ぎない。

基本的に大問1をスピーディに解ければそれで良い

また、ライティングでも使えるように、スピーキングでも使えるように、などの追加注文があるかもしれないが、これらは一切無視しても差し支えないと考える。
というのは、その段階になった時点で再びその単元に注力し、必要な単語学習(発信用の学習)が迫られるから。

違う言い方をすると、大問1をスピーディに解けさえすれば、それで十分である。
なので、狂ったようにサイクルを回すのが近道だと考える。

音声によるインプットも良し

とは言え、単語学習には多面的なアプローチは有効であり、記憶定着には耳からのインプットも大きな助けになる
パス単は音声をダウンロードできるので、空き時間に聞くことはオススメできる。
筆者は洗濯物を干しながら、皿洗いをしながら、散歩をしながら聞いていたものである。

ディクテーションは語彙習得に不向き

耳で聞いたものを書き下すディクテーションという学習がある。
これは聞き取れなかった箇所が可視化される点で効果的なのだが、単語学習には向かない。
というのも、筆者は長年この方法を日常化していたものの、「やはりダメだ」と試験1カ月半前に放棄した。

参考までにどれぐらい取り組んだか記しておくと、
期間:2016年1月~2023年4月20日(*途中で空白期間あり)
量:パス単準1級→5周、1級→6周
という具合である。

ダメな理由としては手間がかかる割にサイクルを回せない、つまり単語に何度も出会えない点が大きいと思う。
加えて、聞き取れても綴りが書けないと完璧になった気にはなれない。確かにライティングで正しい綴りを書く必要はあるものの、単語学習で綴りまで覚えるのは狂気の沙汰である。

幾分かリスニング力向上に寄与したかもしれないが、効果の有無は何とも言えない。
よって、書いて覚えるとかディクテーションで一挙両得を狙う方法はオススメしない。

2-1-6.試験勉強を継続するためのコツ

一次試験が終わるまでは要メンテナンス

短期間で繰り返す方法に関して、例えば1ヶ月で5サイクルしたとする。
そこで覚えれたら、それに越したことはないが、筆者は定着がイマイチだった。
結果的に一次試験が終了するまでパス単のサイクルは回し続けることになる。

サイクルを止めると確実に覚えたと思った単語もするりと抜けていく恐怖があったから。
実際、前まで覚えていたはずの単語が、とあるサイクルではふと出てこなかったりした。
さながらモグラ叩きの様相でウンザリする。

可能な限りサイクルを回し続けて、記憶のメンテナンスをすることをオススメしたい。

そもそも試験勉強は語彙力を上げるボーナスステージ

英語学習・語彙習得に関しては色んな方法とそれに伴う賛否があるのは前述の通りであるが、長い語学学習という観点に立つと、試験対策に於ける語彙学習はある種でボーナスステージのようなものだと思う。
試験突破に向けて、無理やりでも単語を覚える期間は結構貴重ではないだろうか。

おまけに覚えた単語は問題に出る可能性は高いし、長文や二次試験のトピックでも登場する。
やって損はないだろう。
そういう風に発想を転換して取り組むのも良いのでは?思う。

趣味によるアドバンテージ

第1部の受験動機で簡単に趣味に触れたが、筆者の趣味は音楽鑑賞・収集である。
すると、単語帳の中に曲名やアルバムタイトルが登場して、「うん、これ知ってる!」と内心ほくそ笑んだものだった。

具体例を出すとepitaph(1802)[名]碑文、なんぞは典型であろう。
Epitaphと言えばKing Crimsonの1枚目「In The Court Of The Crimson King」(1969年)の3曲目に収録されている哀愁漂う名曲である。

サビで歌われる「Confusion will be my epitaph」の部分で胸が熱くなるプログレッシャーは少なくない。

準1級に掲載のturbulence(1309)[名]乱流、は個人的に愛が強いDream Theaterの6枚目「Six Degrees Of Inner Turbulence」(2002年)でお馴染みだし。

つまり申し上げたいのは、メタルやプログレを聞こう、ということではない。
何かしら趣味と英語を結びつけると、何かと記憶に定着しやすいことをお伝えしたかった。

ついでながら、趣味に関して言及すると、ウィキペディアを英語のページで読むのは実用的、かつ楽しい。
どういう経緯で発見したか忘れたが、「ジョジョの奇妙な冒険」のページを見て、ハッとした。

というのも、英語でのタイトルは「JOJO'S BIZARRE ADVENTURE」であり、パス単にはbizarre(1333)[形]異様な、として掲載されている。
なるほどbizarreはジョジョの世界なんだな、と妙に腑に落ちたものである。

何度も覚えて何度も忘れる

単語をなかなか覚えられない、というのは大いなる悩みとして、しばしば耳にする。
確かに学習初期だったり試験を受けると圧倒された時期があった。

しかしながら、基本的に人は忘れることが自然である。
何なら忘却は人の偉大な能力とさえも言われることがある。

何故なら、嫌な記憶や苦しい体験を鮮明に保持し続けると精神的に参ってしまうから。
なので、PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder、心的外傷後ストレス障害)が発症すると専門医の治療が必要なのである。

と、いう説明をされたところで何の気休めにもならないかもしれないが、基本的に人は忘れるという原則がある限り、単語学習は「何度も覚えて何度も忘れる!」ことに尽きる。
そして、忘れる前に出会うことによって、記憶に定着させるのである。

仮に忘れてしまっても大丈夫。
また覚えればいいだけだから。

2-1-7.まとめ

基本方針:単語に出会う回数をとにやく増やす
Ⅰ.短期間で繰り返す
Ⅱ.派生語・対義語を見つける
Ⅲ.画像検索する
Ⅳ.語源・接尾語・接頭語を絡める
Ⅴ.問題を解く
Ⅵ.似た単語を整理する

習熟の推移
レベル1:4つの選択肢が見たこともなくお手上げ
レベル2:選択肢の中にパス単で見たことがあるものが分かってくる
レベル3:消去法で2か3つまで絞れるようになる
レベル4:正答率が上がり出す

最終目標:なるべく時間をかけずに解く

使用教材:
でる順パス単 英検1級(旺文社)
語彙問題完全制覇(ジャパンタイムズ出版)
英単語の語源図鑑(かんき出版)
2022年度版 英検1級過去6回全問題集(旺文社)
英検1級集中ゼミ(旺文社)

以上が語彙問題に関する内容になる。
少しでも何かの足しになったり、きっかけになったりすれば幸いである。

ここから先はおまけコンテンツであるが、ここまで読んだらあとは実践あるのみだと思う。
つまり、見分けのつきにくい似た単語は各自がノート等にまとめ、過去問を解いて未掲載の単語があればチェックする、等を粛々と続ければ徐々に頭が整理されていく。

しかしながら、
・まとめる時間がない
・そんな手間なことはしたくない
・とりあえず興味がある
という方々には有益かもしれない。

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