〜最低限の結果〜 22/5/15 《プレミアリーグ21-22 第37節》 トッテナム vs バーンリー レビュー
こんにちは。えつしです。
今回は、プレミアリーグ21-22第37節、スパーズ対バーンリーの試合をレビュー。
ノースロンドンダービーから中二日で行われたこの試合。スパーズとしては、CL出場権争いのことを考えると何がなんでも勝たなくてはならない。
一方のバーンリーも残留争い真っ只中という状況。
シーズン終盤、お互いに欠場者の多い中自分たちの求めた勝ち点を獲得することができたのはどちらだったのか。
1. スタメン
・スパーズ
ロリス
サンチェス-ダイアー-デイビス
エメルソン-ベンタンクール-ホイビィア-セセニョン
モウラ-ソン
ケイン
79’ モウラ⇄クルゼフスキ
90’ エメルソン⇄ロドン
直近のミッドウィーク、アーセナル戦からクルゼフスキに代えてモウラを起用した〔3-4-2-1〕。
タンガンガ、スキップ、ドハティー、レギロン、ロメロが怪我でシーズンアウト。
さらにクルゼフスキが胃痛によってスタメンには入れずベンチ入り。ロリス、ゴッリーニ、ウィンクスの3人もクルゼフスキと同じ症状が出ている状況。
・バーンリー
ポープ
コナー・ロバーツ-ロング-コリンズ-ロートン-テイラー
ブラウンヒル-コーク-マクニール
コルネ-バーンズ
78’ ロートン⇄レノン、バーンズ⇄ヴェフホルスト
直近のアストンヴィラ戦からタルコウスキー、レノン、ヴェフホルストに代えてロング、ロートン、コルネを起用した〔5-3-2〕。
タルコウスキー、ジェイ・ロドリゲス、ベン・ミー、グズムンドソン、ウェストウッド、ヴィドラが怪我で欠場。スパーズ以上の満身創痍である。
2. 振り返り
バーンリーは目下残留争い中。怪我での欠場者も多い中、残りのカードを考えてもこの試合は引き分けで勝ち点を拾いに来るという予想は試合前からあった。
予想通りバーンリーは前半からゴールキック一つを取ってもかなり時間をかけ、価値を得たいホームチームのサポーターのブーイングにも気を留めずに時間稼ぎ。〔5-3-2〕のブロックを組んでひたすらに守る。ターフムーアでの前回対戦時には〔4-4-2〕のブロックを敷きながらもスパーズのバックパスをスイッチにプレッシングに移行する姿勢が見られたものの、今回に関しては完全に割り切って勝ち点1を拾おうという形。
スパーズの〔3-4-2-1〕でのビルドアップに対し、コルネとバーンズの2トップは献身的に左右にスライド。サンチェスとデイビスの運ぶドリブルを制限していく。
バーンリー2トップのスライドが間に合っていたのはスパーズがボランチをうまく使うことができていなかったから。
ボランチが継続的に2トップの間に顔を出し続け、2トップの裏でボランチが前を向けそうならそこを使って前を向く。前を向く程の余裕がなくても遊びのパスを入れてバーンリーの2トップに中を締めさせ、サンチェスやデイビスへのスライドが間に合わないようにする。
2トップのプレスバックがなければ左右のCBやWBから斜めや平行のパスをボランチに入れ、そこからライン間への縦パスやサイドチェンジを狙う。こういったことがあまりできておらず、バーンリーの2トップがスライドのために最初からかなり2人の間を広めに立っていてもその間を通してボランチにつけるパスを出せていなかった。
61分31秒に、サンチェスからフリーのホイビィアに出せばボランチのところで前向きを作れた局面でサンチェスが内側を見れず、ホイビィアが"なんでおれに出さないんだ"と要求しているシーンがあった。以前から言っているが、DFラインからビルドアップしていく上で、サンチェスがボールを受けたときにWBだけでなくボランチにもパスが出せる身体の向き、視野を作ることができるようになるのは必須だろう。
スコアの動きとしては、コーナキックの流れからバーンズのハンドでスパーズがPKを獲得し、アディショナルタイム7分37秒にケインがPKを決めてスパーズリードで前半を折り返し。
後半の序盤はバーンリーも少しギアを上げ、ミドルプレスに出てくるようになったがそれも45分間続けられるわけではなく、スパーズ側は後半右シャドーのモウラが明らかにエメルソンと位置を入れ替えて大外に位置取ることが多くなり、前半よりも彼の個人打開力を活かせる配置に。
しかし、ビルドアップの根本的な問題が改善されているわけではなく、後半はどちらも無得点。1-0でなんとかスパーズが最低限の結果を手にすることとなった。
3. 感想、総括
かなり明確にローブロックを敷き、相手にイライラを募らせる時間稼ぎも徹底して勝ち点を拾いに来たバーンリー。スパーズのビルドアップが発展途上なこともあり、自分たちのやりたいことはできていたように見えたが、ローブロックを敷く上でどうしても発生確率は上がってしまうペナルティエリア内でのエラーでPKを献上してしまい失点。
スパーズとしては、もちろん相手の守り方ゆえにああいったハンドは起こり得ることなので運勝ちとは言い難いが、先述したボランチの使い方を含め、やはりビルドアップにはまだまだ改善の余地を残す一戦となった。
4. おわりに
いかがだったでしょうか。いよいよ次節はシーズンラスト、ノリッジとの試合です。
一時期はCLがかなり遠のいてしまう時期もありましたが、リヴァプール、アーセナルとの怒涛の2連戦で勝ち点4を獲得し、アーセナルのニューカッスルとの試合結果を受けてノリッジに対して引き分け以上であればCLへの出場が決まります。
いよいよここまで来ました。3シーズンぶりのCL復帰へ向け、最後の1試合です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。