土を喰う日々
ジュリーが主演した映画「土を喰らう十二ヶ月」の原案となった水上勉さんの料理エッセイ「土を喰う日々」を読んでみた。ジュリーか演じるツトムとは違い雄弁で軽井沢のお宅には大勢のお客が勉さんの料理を楽しむ様と水上勉さんの料理を理解出来ない人などには辛辣な言葉で返している。
興味深い料理エッセイであるが映画の原案というのは納得出来る。
料理の部分や道元禅師の典座教訓(てんぞきょうくん)等を紹介した部分を見事に切り抜きジュリーのナレーションで伝える。耳に心地よいジュリーの声だとすぅーと入ってくるのが又不思議。
水上勉さんの梅干しの話も奥が深い。若い人から60年も前の梅干しなんて食べられない等と手紙を貰い立腹しているのだが、映画では60年経った梅干しを口に含んで甘露な味わいになるまでをジュリーのナレーションとジュリーの顔を大写しして表現してるのみ。
このエッセイは興味深い部分と水上勉さんの性格みたいなものを写し出している。
このエッセイから初老のイケメン(個人の感想)とそろそろ結婚も視野に入れた若い女性編集者の恋模様や人間関係を四季の美しさに織り交ぜて脚本にしてしまう中江裕司監督ってどんな人なんだと思ったのが素直な感想。
玉村豊夫さんは水上勉さんと仲が良かったのでずいぶん期待して映画を見たそうだがこれは土井善晴さんの料理と料理を作るジュリーのドキュメントだとどこかでイメージが違う事を書いておられた。玉村豊夫さんは「我が名はジュリー」というインタビュー本を書いた方。
エッセイと映画の答え合わせをついついしてしまったが映画と水上勉さんのエッセイは全く違うものなので中江裕司監督がエッセイの中から引きずり出した言葉の数々をジュリーの声で楽しみたい。
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