
企業系検査技師に求められる英語力とは
ごきげんいかがですか、ふたこ研です。
この1年でいろいろとプライベートや仕事に大きな動きがありとてもひさしぶりのnoteになってしまいました。
その間も仕事は絶え間なくやっているのですが、ふと毎日のように使っていて悩みが絶えない英語について、企業系検査技師にはどんな英語力が求められるのだろう、と思いまとめてみました。
これまでの経験上、臨床系検査技師に比べて、企業系検査技師は英語を使用する機会が多いと思っています。今や仕事でなくても街中で尋ねられる、旅行先で話すなど当たり前に英語は身近にあるものですが、あえて分けると「日常会話とビジネス会話では全く違う」です。
そんなの当たり前だよね、な訳ですが、商談が必要なビジネス会話は基本的に専門部署の担当者がいますのでそのようなビジネス英語が必要とされることはほぼなく、彼らのアイスブレイクトークからのパスが来た時に、どう専門的な話を進めていくか、が私たちの役割なので科学的・医学的な内容を含んだ会話が求められます。そのため単なるビジネス英語力が求められるのではなく「専門分野に関する英語力が求められている」わけです。
英語が必要となるシチュエーションと求められる英語力とは
では、企業検査技師として働いていて英語が必要となるシチュエーションはどのようなタイミングがあるのか、あくまで私の経験ですがいくつかのシチュエーションがありますので例示します。
(シチュエーション:必要英語力 というように並べています)
同僚との会話:日常会話+専門分野会話
今や日本の企業には当たり前のように海外出身の方も増えています。日本語ができる方もいれば勉強中の方もいます。基本的には日本語で話すことは多いですが、勉強中の方ですと聴き取りはできるが話すのがまだまだ、という方も多いので私たちが英語で聴き取る必要があることも多いです。
社内会議での会話:専門分野英語理解+専門外分野会話
会議体によっては使用言語が英語に設定されています。グローバル企業においては社内公用語は英語というところも少なくなく、私が今在籍している会社においても大きな会議は大体英語となっています。特に私はTranslational reserchに関する業務を行っているので基礎研究~臨床開発まで幅広く社内の会議に参加しているため、各専門分野の英語が飛び交います。
海外学会聴講・学会発表:専門分野英語理解+専門分野会話
臨床検査技師として臨床現場にいても海外学会は参加することがあると思いますが、企業、特に開発に関連する部署にいると海外学会参加、On-demandでの聴講、Web seminarをこなしていく機会が多いです。
学会に参加すると聴講以外の空き時間は、
・現地での演者の方との議論
・関係企業との会議
・企業展示場での各社とのミーティングなど
などで終わります(人によってはそうでない方々もいますが・・・)
日常業務でのメール:日常会話+専門分野会話
生粋の内資の企業であれば可能性は低いかもしれませんが、日常的に英語のメールをすることが多いです。私は新規技術検討の業務も担当しているので、技術検討の相談、契約、試験計画立案、検討実施、結果解釈など毎日数社と何らかのメールやり取りをしています。
新しい技術って日本の企業からの発信は世界からとても遅れているのでどうしても海外企業から情報を取るしかないないんですよね。
海外企業との会議:専門分野会話
こちらも上記のメールと同様に、生粋の内資の企業であれば可能性はないかもしれませんが、もし海外学会での企業展示での情報収集をする場合は会話が必要となります。海外の企業と連携して仕事をするにはもちろんメールがベースではありますがやはり時差や解釈の齟齬が多少なり発生するため、認識すり合わせのためには定期的な会議が必須となります。
結局、母国語での思考力・説明力・説得力が絶対的に必要
会社には流暢な会話ができる方ももちろんいます。多くの方は留学や赴任していた方が多いです。ではそのような経験がないがスムーズに英語でのコミュニケーションが取れている他の方はどうか、とみていると「日本語で分かりやすく論理的に説明できる方は流暢でなくても相手を説得できる」話し方をしています。
私は学術担当をしていた社会人3年目くらいのときに思ったようなプレゼンができず営業担当の人に泣かされました。そのときにどうしたら伝わるのかをいろいろ勉強してきて(詳しくはまた別途書ければよいなと思います)少しはましになったと思いますがまだまだ「満足なプレゼンができた~」と思ったことはありません。日本語でさえそんな状態で英語で満足なプレゼンができるのか・・・ この5年くらい(いや10年くらい?)ずっと試行錯誤しています。
そこでまずは相手の表情を観察して安心してうなずいてくれるときはどのようなタイミングなのか、そのときの自分の話し方や他の方の話し方を観察してみると下記が挙げられるのかな、と思いました。
・端的に結論-理由-要望、と並べて話せているとき
・専門的な話が適切にできたとき
・自分のバックグラウンドを理解している人と話すとき
端的に話す心がけ --- 説得力
分かりにくい説明をしてしまいそれを補うように次から次へと補足の説明を足していく・・・ ありませんか? 私はよくあります。しかし説明は「説明をする時間」をとって丁寧に行えばよいんです。
英語を勉強されていればご存じのように英語では「誰が、何を、どうした」と先に述べてから理由や説明の言葉を繋げていきます。ここの説明があやふやだったかなと思うと高い確率で何が言いたいのか、と聞き返されます。端的に伝え、最後に「だからこうしたい、こうしてほしい、こう進めよう」と言い切れるときは相手の納得感が違うなと感じます。
専門的な会話の心がけ --- 説明力
”説明は「説明をする時間」をとって丁寧に行えばよい”と書きましたがでは具体的にどうしたらよいのか。私が心がけているのは抽象的な説明をしないこと=具体的な説明、です。日本語の会話には当たり前のように(無意識に)ニュアンスや雰囲気を察する、という作業が入ります。もちろん英語にも回りくどい言い方はあるので「あ~間接的に否定されているんだな」「軽く嫌味言われているわ・・・」と思うのですが、「察する」とは違います。そのため抽象的な言い方ではなくいかに具体的に説明をするか、専門的な内容については相手も専門家であることが多いので例示して具体的なプロセスを示して、ということが必要になります。
専門英語に関しては、日本で使う用語と異なることも多かったり言い回しが複数あったりとしますが、そこは勉強と経験でカバーできますので説明力を強化することが大事になります。
会話する人のバックグラウンドの理解 --- 思考力。
付き合いが複数回にわたると相手がどういう風に会議を進めてどういう決定をしたいかと考えているのかが分かってきます。もちろん自分のバックグラウンド、要望の傾向も理解してくれるようになります。そのくらいの関係性になると上術の説明力に加えて+先を読んで踏み込む思考力、が必要になります。バックグラウンド次第では案件によっては別の議論相手が必要になるわけです。
まとめ
私があくまでこれまで感じてきた必要な英語力についてまとめてみました。英語の勉強の仕方、心得は多くの方がまとめられているので自分に合うやり方を試行錯誤しながら身につけるのがよいと思います。ただ、会話をする目的の前提にては双方の理解を深めるというのがあると私は捉えています(日本語でも同じ)。その目的を達するには結局どこに意識をもっていく必要があるのか、ということなのですがそこを教えてくれる人はなかなかいません。
うまく喋れるようになりたい、と思うと同時に双方の理解を深めるための英語力を身につけたい、とこの頃マインドが変わっている私です。
ではまた、ごきげんよう。